人生をカスタマイズしていこうよ
何を思ってる奴か分かるマガジン、略して「何やつ」(ご存知ない方も多いと思いますが、私は略すのが趣味です)。
ひとつめは私が携わってる本屋さんの話です。といっても、「就活」や「働く」の話が多くなります。あしからず。
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高校生の頃から好きなものがふたつあります。
ひとつは、本屋さん。
本はもちろん好きなのですが、それ以上に、本屋さんという空間そのものが好きです。
店に入った瞬間に広がる、圧倒的な未知の世界。「私の知らない価値観や思想がこんなにも溢れているのだ」と思うと、ワクワクするし、なんだか希望を持てる。「負けじと勉強頑張ろう」と思う日もあれば「救われた」と感じる日もある。
後先考えず、読みたい本を手に取り続けて、段々と左腕に重みを感じ、気づけば10冊以上抱えてしまって、レジに行く前に取捨選択する時間もなんだか愛おしくて、堪らなく好き。
だから私の「大学生のうちにやりたいことリスト」には「本屋さんで働く」が入っています(ちなみに他には何も入ってません)。しかしながら、大学在学中に5つ以上の本屋バイトに応募し、全部落ちてしまう偉業を成し遂げてしまいました。「え〜〜〜?まじで〜〜〜〜?こんなに本屋好きな私を落として良いの〜〜〜?笑」と心の中で煽ってきたら、まさかの「本屋さんをつくる側に回らないか?」とお誘いが来ました。
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もうひとつの好きなものは、「働く」について考えることです。
これは好きというより、人生をかけて問い続けていくであろうテーマで、使命感に近いものです。それくらい、私を語る上で「働く」は、切っても切り離せない相方みたいになってきているな、と最近つくづく感じます。
働くことについて、初めて「は???(戸惑い+焦+怒)」と思ったのは、高校2年生の時。「岡田将生が好き」という理由だけで友達と見に行った映画「何者」で、就職活動の様子を見たことがきっかけでした。
大きなホールにたくさんの企業ブースが並び、ドアが空いた瞬間、リクルートスーツを着た就活生が、蟻のようにいっせいに散らばっていく映像を見て、衝撃。
「な、なんだこの没個性に向かっていく集団は」「みんな同じ格好して、同じようなルートで就職して」「内定もらうために自分を偽って良い顔して」
「え、私、これ、できない」
これが、率直な感想でした。
みんなと同じことをすること、比較・評価されることが好きじゃない私。受験勉強も同じ理由で好きになれず、高校も大学も、受験せずに入る道を選んできました。だから、自分が就職活動をしているイメージが全く浮かばなかった。
「私、就活、できないわ」。
そこからは「どうしたら私は就活せずに社会に出ていけるのか」を考えるようになりましたーーーー(ダッシュを使うのが夢)。
\高校3年生/
ベトナムに行く。現地学生の将来展望がめちゃくちゃ計画的かつ具体的で、しかも夢に向かって既に色々と実行してて「あれ?私って将来の具体的なイメージ全然なくね?その状態で就職ってまずくね?」と思い始める。
\大学1年時/
「とりあえず大人たちに、働くについてどう思ってるのか聞いてみよう!」と思い、2ヶ月で10以上のイベントに参加。東京の人の回答はあんまり参考にならなかったけれど(すみません)、長野に移住したときに見聞きした、「自分の人生を自分で選んでいる大人たち」を見て「なるほど、人生は自分の好きなようにカスタマイズできるのか」と思う。「とんでもなく当たり前のことなのに衝撃を受けた時点で、この社会は変だな」とも思う。
\大学2年時/
「働くこと含め、自分の人生ってもっと自由にできるんじゃないでしょうか…」と確信を持ってしまったため、当時アルバイト勤務していたスポーツジムを辞める。誰もいないプールサイドを監視している自分にも時間にもうんざりしていた。できるところから、自分の人生を自由にしたかった。
一方、長野で編集者と関わることが多く、「何も接点のなかったコト・モノが、編集の力で新しい繋がりを得られるってすごいな〜。編集やってみたい。」と思っていたので、茨城県をフィールドに冊子を作るインターンに参加。楽しかったけど「あっ、編集向いてねぇや!」と気づく。
しかしインターンを主催していたキャリア支援会社の理念に共感したため、引き続き会社の広報として関わることに。仕事に向き合う姿勢を経営者直伝で教えてもらい、めちゃくちゃ勉強になったけど「広報よりもデザインやってみたいな!」と思い、半年程で退社。
\大学3年時/
やる気が出ない日も固定された時間と曜日で働くことに違和感を覚え、2年時にインターンをしていた会社と交渉し、副業として関わるように。そこでデザイナーとしてお仕事をもらいつつ、お金が必要な時は短期アルバイトをしたり、知り合いからもデザイン業務をさせてもらったりと、バイトやインターンをせずとも十分働けることを実感(環境が恵まれていたことは、大きな要因)。
デザインスクールに通い始め、将来デザイナーとしてやっていくことを考えた時もあった。けれども、世の中にある人の心を動かすデザインは、ありとあらゆる可能性を吟味し、クリエイティブのプロたちがそのことだけをひたすらに考え、考え抜いて、本当に意匠を凝らして作られたものであることを学び「あっ、私にはできん!」という判断に。
同時期に、メンタルヘルス不調を抱く学生が就活の波に乗っていけず、悩んでいる現状を知る。人事のプロや、人材会社で働いている方、産業カウンセラーやキャリアカウンセラーの方と、メンタルヘルス不調を抱く学生での座談会を開催し、学生の不安を解消する手助けをしつつ「やっぱり今の就活システムって人を苦しる側面があるよなぁ」と思う。
一方、身近な大人たちが「世の中を良くしたい」と思って働いているにもかかわらず疲弊していく姿を見て、疑問を抱く。幼少期に、職場でのパワハラ・長時間労働をきっかけにうつ病になった父の姿が重なったことと、これまでの自分の活動を振り返り
「なるほど。私は働いて疲れた顔をする人じゃなく、働いて笑顔になる人を増やしたいんだな。そのために、人生を好きにカスタマイズできる仕組みを整えたいし、自分もそれを体現したいのか。」
と気づく。
大学1年生の頃から「自分のやりたいことって何なのさ…」と思っていたため、すごく腑に落ちた。自分の疑問に従って動くことって、大事です。
そしてこの頃から、テーマが「就活」から「よりよく働くってなんだ?」に変わるのであった…(ここについては別記事で)。
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ここまでやってきて、私が思う「就活」注意報は、以下の渦に巻き込まれて抜け出せなくなることが結構あるということです。
もちろん、就活した人全員がこうなるってわけじゃありません。「こうなる方、多いな」と思う事例を見てきた末の考えです。就活のシステムを否定する訳でもありません。私も現在、就活をしている身ですが、結構楽しいです。
問題なのは、
「自分が人生通して大切にしたいことや、成し遂げていきたいこと」が見つかっていないにも関わらず、「祭りじゃ祭りじゃーーー!」みたいな感じで就活のタイミングが強制的に始まってく感覚になる、キャリアセンターや某大手リクルートサイト、並びに経団連のやり方にあると思います。
これも、「アンタらが作ってる流れだと、私の大切にしたいことが守られないから、私は私でやらせてもらいますぅ」と思って、好きなようにやれば良いんです。自分の人生、好きにさせろい。
でも、将来を考えるきかっけを与えてくれる良き存在であるはずのキャリアセンターや、キャリア支援サービスが、「好きにやっちゃって!」よりも「ほら、説明会始まっちゃうよぉ?SPIの勉強してるぅ?エントリーしたぁ?」的な煽りを優先していることが、問題だと思うんです。
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そんな風に考えがまとまってきたタイミングで、知り合いの本屋さんから「就活とは違う方法で企業に出会える、そんな本屋をつくるんだけど、一緒にどう?」と声がかかりました。
サービスリリース前なので、具体的な内容はお伝えできないのですが、大学生活を締め括る活動としては、私にすごくマッチしている気がして、参加することに。5年間かけて出した自分の答えを、隠し味のように含ませた内容にするべく、準備を進めています。
サービス名は「緒」。何かを発見した時や、何か変化が訪れた時につぶやく「お」という言葉と、ものごとの始まりという意味の「いとぐち」どちらにも読めることから、この名前にしました。
就活や労働というテーマは、何百年も前から哲学でも扱われてきたくらい、人生に深く関わるものだと思います。ただ労働する「働く」から、人生を通した営みのひとつとして「はたらく」と捉え、考え直してみる。そんな本屋を、やってみます。
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