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駄文作文:  『名誉ある僕の死について』④

「予約してた秋元です。」
「アキモト様ですね。お連れ様はもういらしております。」
笑顔で通された先がまさかの個室で驚いていると、開けられた襖の奥には晃だけでなく健二もいた。

「どうしたんだよ、こんな店いつもとらないだろ。ていうか健二、久しぶり。面接とか調子どう?」
黒のダウンを脱ぎながら、問いかける。身体がいきなりの暖かさに驚いて、若干汗をかき始めていた。
晃は店員さんを呼び止めて、小さめの声で「生で。」と言った後、素早くこちらに向き直り、口を開いた。少し顔が赤い。

「そ〜りゃあ、お前がやっとあのオンナと別れたって言うから、そのお祝いだろ〜?」
わざとらしい口調に、こちらもつい口が悪くなる。
「あの女ってお前、失礼だな!人の、人が、5年も付き合ってたオンナに」
「すっげえな、お前、5年も経ってたのか。」
「そうか、健二は知らないのか。よぉ〜し今日は俺が語ってやろう、マリの悪行の数々を...そして最後はナンパ大会だ!」
「だから俺のか...元カノどんな悪魔だよ。」

それから、僕よりも記憶があるんじゃないかってくらい晃は饒舌にマリのことを語り、面白おかしくこき下ろした。
僕と健二は聞いているだけでよかった。特に僕は、話題が健二の転職活動の話になっても、同棲中の彼女に結婚のプレッシャーをかけられている話になっても、主に相槌を打って過ごした。
頭の一部が切り離されて、自分を斜め上から見ているような、不思議な感覚だった。風呂場で飲んでるみたいだ。二人の声が少し遠くに聞こえた。

僕の頭の中では、とにかくあの猫の目がぐるぐるしていたように思う。
会ったこともないのに。お前は俺のなんなんだ。

私が育ったのは、海も空も近い町でした。風が抜ける図書室の一角で、出会った言葉たちに何度救われたかわかりません。元気のない時でも、心に染み込んでくる文章があります。そこに学べるような意味など無くとも、確かに有意義でした。私もあなたを支えたい。サポートありがとうございます。