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蔵王の風の傾向を見てみた~2020年、23年のスキージャンプ女子W杯から~


はじめに

年始の雪不足で大変なところから、蔵王でのスキージャンプW杯女子開催に尽力されている競技、自衛隊、行政等各関係者の皆様、準備ご苦労様です。

私も屋内競技ですが大会運営に関わったことがありますので、その大変さはよくわかります。裏方あっての大会なのです。

大会準備のニュース記事や、大会本部のホームページのリンクを貼っておきます。


風の傾向1 よくある風速

さて、2020年と23年に蔵王で開催された6試合の風速等のデータをお示しします。データはFIS公式サイトからダウンロードしたものを使用しています。

表1 2020年の各試合の平均風速等


図1 2020年の各試合の風のヒストグラム
表2 2023年の各試合の平均風速等


図2 2023年の各試合の風のヒストグラム

日によって風向きは変わります。平均風速は±0.5m前後がよくみられるようですが、時折1mを超える向かい風も吹きます。また、試合中に風向きがガラッとかわる例(2020年1月17日)もありましたが、この試合では2回目に追い風になったためゲートを上げています。
当然ながらこのような試合では変動係数が非常に大きい=試合の中で風のバラつきが大きいことになります。

風の傾向2 飛ぶ順番と風の強さの推移

さて、これからお示しするものが、以前のジャンプ台を調べた際には無かった項目です。2020年1月17日(試合開始17時)、2023年1月15日と2020年1月19日(試合開始16時)の試合のデータについて、飛んだ順番ごとに風速を並べてみました

図3 2020年1月17日の飛ぶ順番と風の強さの推移
(点線は移動平均(例:5番目に飛んだ場合は4から6番目の風の平均))
図4 2023年1月15日の飛ぶ順番と風の強さの推移
(点線は移動平均(例:5番目に飛んだ場合は4から6番目の風の平均))
図5 2020年1月19日の飛ぶ順番と風の強さの推移
(点線は移動平均(例:5番目に飛んだ場合は4から6番目の風の平均))

これを見ると、1回目は風がバラつきますが、後半になるにつれ、概ねバラつきが少なくなっていくのがわかると思います。2回目は1回目に比べると風が安定しています。

蔵王のジャンプ台の風の特徴まとめ

・平均風速は±0.5m前後がよくみられる
・1回目と2回目で風向きが逆になることがある
・1回目は風がバラつくが、後半になるにつれ、バラつかなくなる。2回目は、1回目に比べると風が安定している。

次回予告

大倉山の風の飛ぶ順番と風の強さの推移を見て、さらに掘り下げていく予定です。

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