見出し画像

どこまでも自分として生きていく覚悟

吉本ばななさんの「小説家としての生き方100箇条」を読んだ。今読むべくして読んだというか、今読んでよかった。経験の積み重ねからくる説得力、切れ味の鋭さ、小説家としての、物を作る人としての覚悟がヒシヒシと伝わってきて、あ〜、私、今鈍っているなぁ、シンプルじゃないなぁ、意識的に生きていかないと楽しくないよな、と背中がシャンとした。

小説家という職業に限った話でなく、生きる姿勢として、そうだ、こういう風に生きたかったんだったと気づかされるヒントがたくさんあった。心に響いた箇所を勝手に要約してみる。

オン、オフなく、24時間全てを取材と思うこと。深い眠りを得るために、自分が気づかないまま寝落ちするくらい、ギリギリまで起きていること。起きて、何かを夢中でやっていること。自分を責めないでいられるよう、どんなときでもベストをつくして自分の筋を持っていること。自分のことだけを考えていると視野が狭くなりケチになるので、養う物を持つこと。毎日を旅先の生活にするよう、工夫して生活を遊びに変えること。情熱の炎を絶やさないこと、なんで書いているのか、何を書きたいのかを忘れないこと。考えるより動くこと。なんとなく光っているほうへ。人を批判している暇があったら、自分のやることに集中すること。自分の周りの小さな空間や愛する人たちとの関係を禅寺のようにきれいに保っておくこと。たくさん歩くこと。確信を持つこと。持てない時は、持てるまで考えたり待ったりし、のちの自分に恥ずかしくない考えを書くように努力すること。自信を持つこと。これは自分にしかかけないものだということの奇跡を深く知ること。傲慢にならないよう、心弱いときの自分の優しい動きをよく見ておくこと。なるべくシンプルであること。矛盾や複雑さや煩雑さをなるべく近づけないこと。広いものにつながるため、何らかの形で瞑想に触れていること。心が平和に落ち着いている状態を多くすること。アップダウンがあっても、めちゃくちゃにはならない状態、なんとなくいいなっていう状態の日々が、なんとなく多い感じを目指すこと。

何もかも首がもげるくらい、その通りすぎるし、自分が子供の頃にこうありたいと思っていたことを思い出すなぁと思った。それを大人になっても諦めずに、ブレずに持ち続けることがどんなに貴重なことか。これらさえ意識し、行動できていれば、自分から離れられずにいられる。それは幸せなことだな。すベて実行し続けるのは途方もなく大変なことだとも思う。言い訳をしないということ、とも聞こえる。一方で、自分でい続けていいというのはどんなこと以上にホッとするとも思った。一歩ずつでも、こういう境地に行こう。そう思える地点があることは幸せなことだなと思った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?