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レトロ印刷JAMで2色刷りしてみた!

普段はゴリゴリのサラリーマン、通勤電車では絵描きのaoitatanです。

今回は、ちょっとかすれてちょっとズレる面白~い印刷が楽しめるユニークな印刷所&ワークスペース「レトロ印刷JAM」さんの公募展に応募し、2色刷りのカードを100枚刷ってみたお話をご紹介します。

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こんなかわいいカードが、無料で刷れました!


レトロ印刷JAMとは

一言で言うと、個人でレトロかわいい印刷がお願いできる印刷屋さんです!

こういう、ちょーっとかすれたりする印刷・・かわいい・・

オンラインか郵送か持ち込みで印刷をお願いできるほか、シルクスクリーン(むか~しあったプリントゴッコというおもちゃでインクを紙に刷れたあれみたいなやつです)等がその場で出来るワークスペースも併設

ワークスペースがエモい・・。さらに大阪では個人のイラストレーターさんが個展を開催できるギャラリースペースも併設

2019年5月にはとりもちで有名なイラストレーターのmugnyさんが大阪レトロ印刷JAMで個展を開催していました。基本は大阪が本店で、東京にはシルクスクリーンのワークスペースが支店的にあります。海外は台湾に拠点があるそうです。レトロ印刷JAMさんは、印刷だけでなく遊べる印刷屋さん!すごい


レトロ印刷公募展「ズレる」展

そんなレトロ印刷JAMさんが初の公募展を2019年に開催しました。これは我々が完全無料(!)でポストカードサイズの好きな紙に2色刷りがトライできる公募展で、50枚は無料で応募者がもらえて、残りの50枚はレトロ印刷さんの店舗で一枚100円で販売される(ただしその売り上げはレトロ印刷さんのものになる)という公募展でした。とにかく印刷を試したかった私にとっては願ったりかなったりな公募!やるしかないと意気込みました。


印刷?入稿?よく分からない!

とはいえ・・・わたしはお絵かきの圧倒的初心者。「入稿データ」「データ形式」という言葉を聞くと若干混乱するレベルです。レトロ印刷JAMさんの入稿の唯一そして最大のハードルは、色ごとにイラストを分解すること!!!!!!赤色で刷りたい範囲だけが描かれた絵、黒色で刷りたい範囲だけが描かれた絵・・・のように、色ごとに絵を分けてデータ化していく必要があります

詳しくはこちらで。ちなみに紙入稿OK。フォトショやイラレを持っていなくとも、紙に直接絵を描いて入稿できるのはお絵かき初心者には有難い限りですね。とにかく・・・やってみるしかない!!!!


2色イラストを試しまくる!

今回の公募展の決まりでインクは2色。その濃度と重なりで色を多様に表現するというものなのですが・・・何色と何色を使えばどうなるのかが全く分からない!なにせ、私は普段線画にフルカラー着彩をしているから・・・・・・まあとにかく、やってみるしかない!!!(再)ということで、当時買いたてほやほやだったipad proで、2色の色でラフをたくさん描いてみました

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普段の線画を封印し、青っぽいベタとピンクっぽいベタを使用。濃度はベタっと100%の濃さで描いているので、各色の中のグラデはありません。

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普段のイラストのように青を線画、ピンクをムラ有りの水彩タッチで描いてみたもの。そもそもハガキサイズのイラストに慣れていなくて構成に迷いまくる

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LINEスタンプでお気に入りだったイラストをリバイスをしてみたもの。2色で描けているが、インクのズレ?の面白みがなさそう・・

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インクのズレと重なりが味わいになるように、あえてハートを少しずつズラして描いてみたもの。よくわかんない・・・となって諦めた。

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ほそーい線画と色ベタ、そこに白(消しゴムで模様を描く)の表現を入れて見たもの。ランチョンマットの模様あたりが消しゴムで白の表現を入れた部分です。印刷された時に消しゴムの白部分はインクが乗らずに、刷る紙の色が見えるということですね。つまり3色表現やん!!!!!!!2色刷りには見えないが、なんかよく分かんなくなってやめた。

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初心に戻ってインクが絶妙に重なるようにずらしながらやってみた。よくわからなくて放棄。

いや~、2色印刷難しい!各色のグラデーションもあるし、紙の色いれたら実質3色だし。色々ラフを書きながら、最初だから凝ったことはせずに普通にやろう・・・と改心して入稿データをまとめていきました。


なんとか入稿データが完成!

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あれこれやって完成したイラストがこちら。LINEスタンプのお気に入りのイラストのリバイスです。耳は青、服はピンク・・とベタの表現を使いながら、耳などは消しゴムで白の表現を。そしてお花が舞っているイメージで2色をずらしながら重ねて、最後にほそ~いペンでサインも描きました。

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レトロ印刷JAMさんに印刷をお願いする時には各色ごとに絵をわけないといけないので、元々レイヤーを色ごとに分けていたものを色ごとに表示し、レトロ印刷さん指定の入稿シート(応募するともらえる)にはめ込んでいきます。

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こんな感じで、各色のイラストをモノクロ化して、入稿データの完成です!これを応募者限定のフォームにアップして、入稿完了。

印刷は1枚ずつ手動で行うため、印刷の過程で2つの色が都度すこ~しズレるのが味わいとなるこの印刷の魅力だそうで。とはいえ、ベースのデータがずれまくっていたら困るので、四角の枠内に対して同じ位置に2つの色の絵がはまるように何度も調整をしました。アナログ入稿とメールでPDF入稿とどちらも可能だったのですが、郵便だと届くのに日数がかかるかなとおもい今回はデータ入稿にしました。

数週間後・・・カードが到着!

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か・・・・かわいい~!絵はへたっぴだけど印刷がかわいいからそこそこかわいい・・・!きちんと梱包された50枚のカード。ちなみにこのカードを個人で販売するのは自由と公募展の説明にありました。私はいずれオンラインストアで書籍やグッズを販売した際のおまけのカードにしたいなと思い、いま大量のカードの在庫を家に抱えています。

そしてレトロ印刷JAMさんにカードが並ぶ!

大阪、東京、台湾の拠点に「ズレる」展に応募した方の作品がずら~~~~っと並び1枚100円で販売されました!こうして見ると本当にアートギャラリーみたいですね。そして注目!これ本当にたったの2色のインクで表現してるの・・!?と思うような色彩豊かな作品が並んでいて、自分の絵はインクの面積も小さいし遊びが足りなかったかな~と反省しました。次やる時はもっといろいろな表現を試してみたいです!

よくわからない時はお店に行ってみよう!

今回は、なんとか公募に参加できました(?)が、やっぱり初心者に色ごとに絵を分ける表現は難しい・・・!そんな時は、レトロ印刷さんが販売している「あそびかたろぐ」を購入するのがおすすめです印刷の仕組みとやりかた、製本についても丁寧に解説があるほか、レトロ印刷さんが取り扱っている全ての紙に、全てのインクを印刷したサンプルがついている・・・!これは、初心者にはとてもありがたい代物なのではと感じ、私も実際にお店に足を運んで買ってみました。(オンラインストアもあります)

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お店(印刷所&ワークスペース&ギャラリー)の入り口はこんな感じ。いろんなお客さんがモノづくりをしにくる工房、と言う感じで趣のある場所でした!


あそびかたろぐと、大量の印刷サンプルをゲット!

店頭にてあそびかたろぐをゲット。レトロ印刷さんは、特に印刷やワークスペース使用を発注しなくても店頭にある本やグッズは普通のお店のようにレジで購入することができますので初めての方もご安心を!

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各インクの濃度ごとの色味のでかたも良く分かります。難しい~おもしろい~!2色印刷といえども表現が・・・無限・・・!?

また、店頭にはこれまでレトロ印刷JAMさんで刷られた紙ものの余りがずらりと掲出されていて、なんとお客さんは自由にそれを持ち帰ることができます!これは感動。フリーペーパー的な感じです!

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わたしがいただいたもの一覧。持ち帰ってよい枚数制限はありませんが、特に自分が目指したいトーンや方向性(私は少ないインク色でほっこり系の表現をしてみたかった)にマッチするサンプルを頂きました

ちなみにこれらのサンプルは、インスタグラムの専用アカウントでも公開されています!それぞれの作家さんの作品が並んでいるので、印刷イメージの勉強になりますね。


感想:案ずるより産むが易し

2色印刷は・・・・難しいです!(特に普段印刷をされない方にとっては)だけど、とっても面白い。また公募展があれば応募したいと思いました。頭のなかであれこれ考えるよりも手を動かした方が、気付きがあって慣れるのが早いかもしれませんね。レトロ印刷さんでは紙もの印刷のほかにシルクスクリーンもあるので、もう少し自分のスキルがあがって作りたいものが明確になったときには、ぜひオリジナルグッズを作りたいと思いました


aoitatan→ twitter &instagram  ほぼ毎日イラスト投稿。

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