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800文字日記/20220307mon/003

おひさしぶりです。
さて、まずは僕の提出原稿を載せて、添削は先生のページをリンク。
最後に、僕が仕上げた最終稿を載せます。
コピペだけの記事ですが、誰かのお役に立てればと。


提出原稿。

喉を鳴らした猫に起こされる。9時49分。携帯を開く。ウクライナはロシアの侵攻を凌いでいた。外で水を弾いて車が走る音が聴こえる。雨かと思って窓を開けたが曇りだった。箒で足に絡みつく猫をあやしながら部屋を掃き散歩にでる。

風は穏やかで冷たい。が風が強い日よりも冷たく感じる。河に沿って海へ。左手の芒の藪が猫背に撓って揺れ、翼を大きく広げた白鷺が川面の飛石にゆっくりと降りたつ。頭上に気配を感じる。上空から鳶が恐ろしい速さで滑空してくる。頭を抱えてしゃがむと頭上で弧を描いて天へと舞いあがった。

河口橋にでる。アームを手足のようにして砂利を掬う重機は生き物のようだ。遠い海沿いの国道に車列がみえる。砂洲に鴎の大群が煩くいる。道路を歩くシギ。大根が干してある民家の隣のスーパーに寄って弁当と飲料を買う。

橋を南に渡って県道を曲がるとシューシュー音を立ててタンクローリーを洗っている整備工場が。その裏手に聳える生コンの工場を、ガードレールに凭れてじっと眺めていると事務所に声をかけられる。記者のふりをして逆にインタビューをする。プラントについて色々教えてくれた。サイロにベルトコンベア、なぜ滑り台のような形なのか? 砂利をサイロまで運ぶのに最も合理的だそうだ。ミキサー車が門をでるのを見届けて海に出た。

緑色の遠浅の海だ。白い靄のさきは四国だったか。近くにいた軽から尻をだしていた警備員に聞くと四国だ、右に見えるのが佐賀関だという。タンカーが北に移動している。浜に降りて歩く。ここまで歩くと体は温かい。上着を一枚脱ぎたくなる。海の上を数羽の鴎がとんでいるが黒いのが一羽やってくると散り散りに。鴉だった。たったままそんな風景を見ていると体が冷えた。

海の上を走る空港からの誘導灯に向かうあまりにも小さな機体を見て首を傾げる。近づく。セスナ機だった。ゲートボールに興じる老人を尻目に漁港の入江の、防波堤の突端で弁当を食べて帰る。(800文字)




最終版(セルフリライト版)。

起こされた。猫が喉を鳴らしている。9時49分。携帯を開く。ウクライナはロシアの侵攻を凌(しの)いでいた。車が水を弾いて走る音が外から聴こえる。雨かと思って窓を開けたが曇りだった。足に猫がからむのを箒であやし掃除をして外に出る。

風は穏やかなのに冷たい。河に沿って海へ。左手の芒(すすき)が撓(しな)って揺れる。猫背の人が頭を垂れるようだ。翼を大きく広げた白鷺が川面にゆっくりと降りたつ。頭上に気配を感じる。上空から鳶が恐ろしい速さで襲ってくる。頭を抱えてしゃがむと弧を描いて空へと舞いあがった。

河口橋にでる。アームを手足のようにして砂利を掬(すく)う重機は生き物のようだ。遠い海沿いの国道に車列がみえる。砂洲に鴎(かもめ)の大群が煩(うるさ)い。道路を歩く鴫(しぎ)。大根が干してある民家の隣のスーパーに寄って弁当と飲料を買う。

橋を渡る。県道を曲がる。シュー、シュー、シュー。音が気になって整備工場まで戻るとタンクローリーを洗っていた。隣に聳(そび)える生コン工場をガードレールに凭(もた)れて眺めていると事務所の人に声をかけられる。記者を装(よそお)ってインタビューを。プラントの、サイロにベルトコンベアはなぜ形が滑り台の形なのかについて話してくれた。 サイロには石と砂を運ぶ。最短距離で運べるのがこの形だそうだ。ミキサー車が門をでるのを見届けて海に出た。

緑の遠浅の海だ。白い靄(もや)のさきは四国だったか。近くにいた軽から尻をだしていた警備員に聞くと四国だ、右に見えるのが佐賀関だという。タンカーが移動している。浜に降りる。ここまで歩くと体は温かい。一枚脱ぎたくなる。海の上を飛ぶ鴎(かもめ)の群れに烏が一羽やってくると散り散りに。たったままそんな風景を見ていると体が冷えた。

海の上を走る空港からの誘導灯に向かうあまりにも小さな機体を見て首を傾げる。近づく。セスナ機だった。ゲートボールに興じる老人を尻目に漁港の入江の、防波堤の突端で弁当を食べて帰る。(799文字)


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