800字日記/20221110thu/124「哲学の問い」
目覚める。昼前だ。八時に起きてからだは動いたが二度寝した。昨日買った敷きふとんが心地よかったから。今回のふとんも安物で薄いが、それでも処分したふとんよりは心地よい。
そうじを終え、少しネコと遊んでパソコンの文通アプリを開く。エジプトから手紙が届く。厄介だ。肩を落とす。自己紹介からきな臭い。
私はイスラム教徒の女性です。正直さはすべてを明らかにするが嘘は誤った希望を作る。私は偽の人々を憎む。嘘で私を確認するよりも正直に私を傷つける方が良い。自分を尊重しないのであれば私と話さない方がいい。
原理主義っぽい気がする。手紙を交換する前から諍いを感じる。日本のアイドルのフォロワーが純真な熱狂ゆえにアンチに回るのに似ている。ぼくが正直に書いたところで彼女は自分の意見を押し通す気がする。
質問の英語は、日本の大学受験の構文のような文だ。
翻訳アプリにコピペする。翻訳の精度が高くて驚く。ペラペラめくった辞書が懐かしく感じる。いまの大学受験会場にスマホを持ちこんだ現場を想像してみる。想像ができない。
ぼくが修正を加えた彼女の質問が下記。
人間は演じることで同調勢力は生まれやすい。
正直な人は稀です。
正直さは良いことか、悪いことか、馬鹿げていることか。
正直を貫くことには限界があるのか?
絶対的な正直さはどんな関係においても破壊的な要素が含まれるか?
あなたなら関係を強化しますか?
あなたにとって関係を強化するもの、破壊するものは何か?
自分はすでに正しいイスラム教の中心に存在していて、他者に自分が正しい(自分を安心させる)材料として質問している気がする。
どちらが善で悪か? そういうのはハリウッド映画で見ればいいと思うが。とは言えない。
京都では寺男だった。冬に下がっていたある掛け軸を思い出す。
玉(翡翠)は外からのいかなる圧力でも壊れない。だが内側から一筋の罅(ひび)が入るだけで、忽ち壊れてしまう。
英訳して送信する。
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