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グッバイ・サーカ・A

1
グッバイ・ビートルズ、ぼくは帰る、
ショウを観終えた観客のひとりとして、
絵でも文章でもない現実世界へとーー
そこでは比喩ではない朝と夜とが繰り返される。

ぼくの霊安室は鍵が開けられ、
中から、恋人やら、友達やらが甦る。
最後に鍵を持ち出したのはジョージ・A・ロメロ。
彼が過去のゾンビを出歩かせてるってわけ。

鏡の中のもう一人の自分ーー
そいつはもっと邪まに、もっと純粋に、
正義を信じ、欲望を受け入れる。
意中の女の涙に皮肉を言ったりもしない。

2
グッバイ・キューブリック、痛みはいつか消える。
ぼくらが真実を知るのはいつも嵐の後。
シェルターの中からじゃ、外の様子は分からず、
祭壇に残した花婿の無事を、花嫁はただ願うだけ。

B-52爆撃機から、水爆が「やぁみんな!」と叫ぶ。
アンディはふさふさのピンクの熊を抱いている。
気をつけろよベイビー、解釈はチェンジさせる、
憎しみをオレンジにーー愛はストレンジ。

『めまい』がフィルムから溢れ、
『断崖』がコップの牛乳の中で光る。
君の骨をぼくの手から君の手へ、
君の味をぼくの舌から君の舌へ。

3
グッバイ・スピノザ、楽しい時間が、
永遠の相の下に消えてゆく。
ぼくは小説の中でも彼女を抱こうとしたけど、
ホテルの一室で、プロットはこんがらがったまま。

残しておいたジャック・ダニエルを、
眠れない夜に空けようか迷うとき、
引き替えに見る夢とはどんな夢か?
時々思う、人生は蒸気のようだと。

「地元」を歩こう、ぼくにそっくりな人を探して、
詩に書くんだ、「惨めな人ほど愛おしい」と。
女たちが恋愛をおもちゃのように扱うたびに、
ぼくはプレイボーイにはなれないと実感する。

4
グッバイ・サーカ・A、ぼくは隠れるのをやめ、
君は「ムーンライト・ドライブ」をさらに進む。
いつか『欲望という名の電車』で遭遇したら、
お互いの「告げ口心臓」が少し痛むのかもね。

『我等の生涯の最良の年』に、
ぼくと君は64歳にも、5歳にもなれた。
2人の台詞の一行づつを並べ、縞模様を描いたとき、
創作とは、人生そのものだと気づいたんだ。

君のいない世界は想像できないけど、
ぼくらはいつでもまた新しく始められる。
最後にもう一曲演奏しておくれ、友よ、
ぼくらがいた薄暗い秘密基地からーー

ハロー、インスタグラム、
グ〜〜〜ッバイ、『note』。

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