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葵むらさき
2020年8月21日 09:20
その後、たおれたマントのアポピス類たちは、オルネット類たちの助けを借りてしばりあげ、地母神界へ引き連れていくことになった。 その前に、私は菜園界まで送ってもらい、やっと帰れたのだった。 菜園界はもう、お昼になっていた。 世界壁を抜けたとたん、母からのツィックル便がひらひらと舞い落ちてきた。「ポピー、おはよう。どこか冒険しに行ってるの?」 届いた時間は……なんと……ほんの一時間前だった。
2020年8月11日 18:02
「うしろにつけ」マントのアポピス類は落ち着いた声で言った。「どこからとんできてもいいように」「おう」別のマントのアポピス類がうなずく。「まかせとけ。はじきとばしてやる」 私は消えたキャビッチをそのまま手のひらの中でにぎりこみ、その手をうしろに回し、箒ごと体をしずめながらサイドスローで投げた。「くるぞ」アポピス類がさけぶ。 そのうしろのアポピス類がうしろ向きに盾をかまえる。 けれどキャビッ
2020年8月4日 20:26
私はいっきに全身に汗をかいた。 たぶんユエホワもそうだ。 どうする!? ツィックル箒はかならずすばやくよけてくれるだろうけれど、でも万一、よけきれなかったら? なにしろ、まわり中アポピス類だらけだ。 同時にあっちこっちから投げられたら―― あれ? 人間に化けたアポピス類の元子どもたちは、投げてこようとしなかった。 全員、手に持つキャビッチをじっと見ている。 左右の手を、かわりば