負社員 第83話 負社員惑いて星に立つ(了)
「なんなんすかねえ、あのおっさん」結城が建物に向かって歩きながら口を尖らせる。「本原ちゃんが怒るのも無理ないよ」
「ははは」女型依代の天津は元々の天津と同様に苦笑した。「まあ、いろんな人がいますから」
「申し訳ございません」本原が謝った。「神さまに対して、あまりにも許し難い行為だと思ったので」
「いえいえ」天津は歩きながら手を振った。「ありがとうございます」
「ああいう人間に対しても、神は感謝を抱くのですか」時中が質問する。
「はい」天津は淀みもせずに頷く。
「まじすか」結城