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ふり返ればとても輝いていた。

私は中学3年間をバスケに費やしていた。
私が通っていた中学は田舎にあり、
部活はその地域の中では強いが
そこから一歩外に出ると
全く勝てないチーム
だった。

県大会なんて初戦敗退…
ずっとこのままだとおもっていた。

私が入学した年に、部活の顧問が変わった。
若い男性顧問。はっきり言ってカッコよくは
ないが面白い人で情熱的だった。

その先生が来てから練習は鬼のように厳しくなった。練習時間は長いし、メニューは基礎的でつまらないし!

「まじでしんどい。なんなの!?」って

最初は思っていた。
こんなことしたってどうせ変わんない!

それでも先生はバシバシ私たちに辛い練習を
させてきた。
同じメニューで飽きてくるし
しんどいのばっかりだし。
〔その代わり、部活が終わるとすごく面白くて
憎めないから好きなんだよなぁ…〕

でも、そんなことを2年も続けていたら
なんと!ずっと勝てなかった相手に
初めて勝てたのだ

「ほんとに!?すごい!!」

この先生ってすごいのかもしれない
ようやくそのことに気づけた。

そこからは部活が楽しく楽しくて仕方なかった。
毎日怒られたり、部員同士で言い合ったり
たまに褒められるのがうれしくて
先生にめっちゃアピールしたこともあった。

あの頃はゲロを吐くほど
辛くて逃げ出したかった練習も試合も
今となってはもうなかなか体験できない。

そして最後の夏。
わたしたちは、県大会優勝という
高い目標を掲げ試合に臨んだ。


県大会4位。

4位だった。

最後は、今までずっとライバルだったチームに
負けた…

勝ったことがあるチームに負けた…

あの時のことは今でもよくおぼえている。

「ビビーーー」

ブザーが鳴り響いた。
おわった…
すべてがおわった。

さっきまであんなに歓声と応援で
熱気にあふれていた体育館が

シーーン。

と、まるで時がとまったかのようだった。

終わったなんて実感できずにいたのに
最後の挨拶をしたとき…
涙があふれてきた。

「ありがとうございました。」

が、声をだしていえなかった。

これを言ってしまえば
ほんとうに終わってしまうような気がしたから

もどれない現実があることを
私はそこで知った。

そこで部活は引退。
優勝はできなかったが、
自分たちは本当に精一杯やりきった
県大会初戦敗退のチームが
4位までのぼりつめた。

そんな現実が来るなんて2年前の私は
ちっとも思ってなかった

こうして、私の部活は幕を閉じた。

今振り返ってみると…
チームのみんなと声をだしながら
必死に練習したこと

練習終わりに、体育館に残って
いつまでもくだらないことを話したこと

先生に怒られて悔しくて泣いたこと

試合に勝って、親やチームメイト、
なにより先生が喜んでくれたこと

どれもとても輝いてみえる。
そんな経験ができるチームスポーツは
本当に素晴らしい!

だからこれからも
もっともっとチームスポーツを
通して 「なかま」 というものをつくり
いろんな経験をして欲しい。

そこで経験したことは
必ずしも意味はなくても、
気づいたら自分を成長させてくれているかも、しれない。










#部活の思い出

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