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デンマーク留学 学校見学レポート②

こんにちは!デンマークに留学中のきりです!

今回は、学校見学レポート第2弾!

フリースクールやエフタスコーレ等の教員養成を行っている、Den Frie Lærerskoleという学校に行ってきました!


Den Frie Lærerskoleについて

特徴

・フリースクールやエフタスコーレ等の教員養成学校!
・5年制の学校で、3年次に1年間のインターンシップを行う。
テスト無し
・コミュニケーション・コラボレーション
・約3分の2の生徒は寮生活

フリースクールは、教師が子ども達の可能性を引き出したりアイディアを試したりできるための環境をつくる必要がある。
グルントヴィ、コルがつくった教育、この学校にあった教員を育てるために、フリースクール、エフタスコーレ専門の教員養成学校があるなんて、驚きでした。

生徒、保護者、職員、地域の人との交流の中で学校を発展させることが出来ると考えられており、この学校では、コミュニケーション・コラボレーションができる人を育てることが重視されています。そのため3分の2の生徒は学校内または学校近くの寮に住み共同生活を行っています。

テスト無し!


この学校にはテストがありません。評価は、各教科の先生からのコメントのみ。
先生の言葉で印象に残ったこと。
”テストは植物に例えると、植物の種を土から出して確認するようなもの”

一度植えた種の成長を確認するためにわざわざ土から掘り出して、成長を妨げることをしているのと同じだという考え方があるそう。テストにも良し悪しはあると思いますが、このような考え方からテストをやらず他の方法で評価をしているということに納得させられました。

参加


”論文を一人で読み、知識を一人で得て、テストを一人で解くことはできる。
学びは一人でも可能なもの。
でも、この学校は教員養成学校。実践で何もできなかったらそれは何のための知識なの?”

生徒と先生とお話をするなかでこんなことを話しました。
この学校にはテストがありませんが、出席することがとにかく大事。
クラスメイトと教師とともに学び、実践を繰り返す中で学んでいく。そしてその実践の出来によって教師が評価をしてくれる。

日本の大学生は、単位を落とさない程度に授業を欠席する人は結構いるのではないでしょうか、、。
この学校では、知識ではなく、実践に役立つ技能を身に付けるために出席するのが当たり前という考え方は素敵だなと感じました。

コミュニケーション・コラボレーション

コミュニケーション・コラボレーションが大切。
でも、いくら大切といわれていても、苦手な人とかいないの?そんな疑問が頭をよぎりました。

この学校には、プロジェクトワーキングや、チームビルディングに関するものがたくさんある!また、story tellingというイベントがあり、各グループでテーマごとのストーリーを全校生徒の前で発表する行事があります。
また各授業でも対話の時間が大切にされており、授業の中でもスキルを身に付けていきます。
さらに、ご飯はみんなで食べる。ダイニングホールにグループごとや学年ミックスの形で席に座ります。多くの生徒とコミュニケーションをとる時間となっています。

このように、対話をする時間、協力しあう時間などが意図的につくられています。最初から完璧にできる人などいない。みんなでスキルを伸ばしていこうとする雰囲気が感じられました。

meeting day


水曜日には授業がなく、一日meetingが行われるそう。
さまざまなミーティングが行われており、
・international meeting:海外の学校見学ツアーにどこの国を選ぶのか、どうしたら安く行くことができるのかの話し合いをしていました。
・お金関連:○○を買いたい。予算を申請しよう
1年の計画:いつからいつまでがクリスマス休暇、など休みを含めた年間予定を生徒が主体で決めていました。
・Big meeting:全学年の生徒が集まり、その週に起きた問題や学校をよくするためにはどうしたらよいかのミーティングを行います。全体集会の後には、学年ばらばらでグループ分けが行われ、グループごとに自分の意見を発表したり議論を行ったりしていました。
というように、見学に行った日だけでも3つのミーティングが行われていました。

これらのミーティングは、ミーティングリーダー、グループリーダーと呼ばれる人がファシリテータとして主導します。生徒と先生、学年も関係なく対等に意見を出し合う、ともに学校をつくっていくという姿勢が感じられました。学生のうちに学校をつくるという経験ができることは教員になってからも職員や生徒と一緒に学校を作り上げることができそうです。

授業


この学校の生徒は、最大5科目までの専門科目を持つことが出来ます。
教室は数学の部屋、理科の部屋というように分かれており、授業に使う道具や備品は各教室においてありました。

例えば、、
・natureの授業:植物などについて学ぶ授業。教室には多くの植物が置いてあります。
この植物は、生徒たちがプロジェクトの一貫として育てているもの。外にはガーデンがあり、生徒が運営しています。

・Dramaの授業:日本では全く見かけない科目ですが、私が通うフォルケにもあり、教員養成学校でもある、、!この授業では、原理を学んだり、スクリプトを創ったりするところから、生徒で演じるところまでやるそうです。日本では表現をすることが目的の授業はほとんどありませんが、学校で表現を学べるのはとても良いなと感じました。

他の授業も、プロジェクトがあるものが多くあり、授業のなかで体験しながら学んでいきます。さらにプロジェクトを通して、生徒・教師との対話をする機会が多くあり、他者との関わりが大切にされていました。

教師として、、

子ども達が学ぶためには、子ども達の興味を引き出すことが大切。子ども達は一人一人違うため、子ども理解が大切になり、その際にはコミュニケーションが大切になる。

また、いろいろな経験をすることは、好きなことを見つけたり、才能が開花したりすることにつながる。さまざまな経験ができる環境を作ることも大切。

教員養成学校の先生、生徒とこのようなお話をしました。
大切だとわかっていてもなかなか難しいこと。5年間かけて、たくさんの対話、協働をしたり、学校をともに創り上げる経験、イベント等の経験を積むことで、これらを実践できる教員を育てていくのだと感じました。

見学を通して

とにかく対話が大事にされている学校。
そして、自分たちでつくることが大切にされている学校。
将来、教員として働くために必要な力を学校生活全体から身に付ける学校でした。

日本の教員養成大学に通う私。
将来教育に携わるであろう学生として、同じような立場の学生に出会うことができ、非常に貴重な経験となりました。

日本の教育を、教員養成という立場から考えるとまだまだ課題があるような、、。
日本以外の教育を知ることで、自分がこれまで受けてきた教育や、今大学で学んでいることを新しい角度から考えられています。
日本の良さも、課題ももっといろいろな角度から考えたい。
そのためにもっともっと自分の世界を広げていきたいし、
私と同じように教育に関わる学生たちにも、もっともっと広い世界や教育を知ってもらいたいし、一緒に考えていきたい。

そんなことを感じる見学でした!

きり


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