人が多いところが苦手
人が多いところが苦手な、フリーライターのaoikaraです。
人がたくさんいてわいわいしているところが落ち着くという人もいれば、誰もいないところでぽつんと一人たたずむのが落ち着くという人もいて、私は後者。逆に、人がたくさんいてわいわいしているところは落ち着かない。
どうしてかというと、たぶん“慣れ”が関係している。私は一日の大半を一人で過ごす。近所から“人”の音は聞こえるけれど多くはなく、自然の音が多い。カラスや虫や鳥が鳴いたり、風が吹いたり雨が降ったり。
人の気配の音はする。道行く人の話し声が聞こえたり、くしゃみやせきの音が聞こえたり、遠くや近くを走る車の音が聞こえたり。
でも、視覚的にも聴覚的にも、「人がたくさんいる」状態にはなり得ない。一人でいて、どこから気配の音が聞こえるけど、それは気配でしかないからたった一人に間違いなくて、ぽつんとしている。それに慣れているから、それが落ち着く。
ときどき、今はあんまりないけど、人がたくさんいるところにでかけると慣れないから落ち着かなくて、どっと疲れる。しばらくは強制的に「一人状態」でいて、落ち着きたいと思ってしまう。
だからって全部一人がいいってわけじゃなくて、どちらかといえば寂しがりだとも思うから、話し相手も欲しいし、誰かがそばにいてほしいし、家族が帰ってくるのは心地いい。
だから、私は“物理的に”人がたくさんいるのが苦手だ、と思っていたのだけど、どうやらそうじゃないみたいで。なんか、オンライン上とかでも人がたくさんいるところは避けたくなる気分になった。
それはたぶん、大勢の人の“仲間”になれない気がするから。私、とその他大勢。大勢のみなさんは仲間。みたいな構図。わいわい、がやがや、楽しくって、私は一人ぽつん。一対一ではちゃんと話せても、“みんな”で話すのは苦手、みたいな。
でもそれは私の課題だし、相手が悪いなんてちっとも思えないから、自己嫌悪で、立ち去って一人きりになってしまいたくなる。
孤独は一人じゃなくて大勢の中にあるとか、なんかそんなような言葉を聞いたことがあるけど、たしかにそうかも。物理的にも、また物理的じゃなくても、人がたくさんいるところに自分を置くと、より孤独に感じるのかもね。
でも、人がたくさんいて、わいわいする楽しさだって知っている。もうずいぶん前に、有名なテーマパークに女子7人くらいで行った。友達付き合いも一対一が多い私としては、7人ってとんでもなく多い数だ。
それでもすごく楽しかった。どっちが上とか下とかなくて、みんなちゃんと友達で、誰と誰は特別仲がいいとかはあるけど、誰かの悪口を言う人は一人もいなくて、絶対傷つける人がいないって関係で、それは何の恐れもなく、不安もなく、楽しかったと心から言える。
人がたくさんいて落ち着く人は、そういう関係を築いて、そういう楽しさを知っているんだろうと思う。
でも、人が多いところに飛び込んで、えいやっと自己開示してみたら、案外受け止めてくれたりもするんだよね。心を開いた人には、相手も心を開いてくれる。
もちろん悪意がある人だっているけど、全員じゃない。みんな良い部分と悪い部分があって、それはたぶん私と同じ。
つい、人がいない方へ逃げてしまいたくなって、最終的には自分の内に内にこもりたくなる私で、それもとても大切なことでもあると信じているけど、それだけじゃないよねとも信じたいわけで。
一人が楽、一人が落ち着く、人が多いところは苦手、でもときどきは好きになりたいな。という小さな野望。
2020年9月18日(金)
No.637
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