見出し画像

No.572 感情のラベリング

喜怒哀楽する、フリーライターのaoikaraです。

理想は「楽」が多いことかなら。楽で、楽しくて。実際は普遍的な“普”な感じが多いかな。


今の恋人のことを、あまり書かないようにしている。とはいえ、まあ私の今の人生の多くを占めているから、自然にひょっこりと出すことはあるのだけど、でもなるべく語りすぎないようにしよう、と意識している。

それは、前の恋人のことをたくさん書いていて、そのときの文章を読むと「こう思ってたんだな」じゃなくて、「こう思いたかったんだな」と感じることが多いから。


「好きでいたい」から、実は自分にとって「しんどい」ことも、「考えようによってはしんどくない」から、「しんどくない」と思い込もうとしていたのが、読んでいてわかる。

私が「相手が悪い」と思って投げかけたことも、「私の方がもっと悪い」で返されてしまって、それを受け入れるには「私が考え方を変えればいい」と思っていた。

こうやって書くと、まるで前の恋人がとても悪い人のようだけどそんなことはなくて、良い所もあればそうでないところもあって、そうでないところを私が許容できなくなったから恋人関係は終わったというだけ。人として否定したいわけじゃない。

でも、後から後から嫌悪が増してきて、本当は「しんどい」と思っていた気持ちがあふれ出す出来事が山のようにあった。その一部を身近な人に話したら、「それはしんどくなるよ」と言ってもらって、ほっとした。あ、私「しんどい」って思って良かったんだって。

相手を守っているようで、たぶん自分を信じたいがために、自分を守っていたんだなと思う。「私が選んだ人だから、大丈夫」と。相手に違和感があっても、「成長するため」「違った形もある」と受け入れようとして。

悪いことじゃないとは思う。人の短所を短所と見ないというのは、優しさだし。

でも、本当は自分が「しんどい」のにフタをして、「楽しい」「大丈夫」「好き」という別の感情のラベリングをして、安心しようとするのは、やっぱりしんどくなってしまうんだろうなと思う。

そんな、自分を守るために違う感情のラベリングする作業として、「書くこと」を使っていた。「大変だったけど、私はやっていける。大丈夫。こういうことだってある」と自分を納得させようとしていて、読み返すとなんだかしんどくなってしまう。「しんどいよ、つらいよ、無理だよ」って本音が聞こえてきそうだから。


そんな思考のクセがついたのか、恋愛とか人間関係において、ときどき自分の本音がわからなくなる。あれ、私は本当に「楽しい」のかな。「楽しい」と思ってるけど、思い込もうとしているのかな。「しんどい」を見ぬ振りしてないかな、と。

だから、前は自分だけが抱えていたことも、信頼できる人に投げかけてみるようにする。「これってどう?」と。そこから出た言葉に、自分の見ぬ振りしようとしていた本音を見つけて、大事にしなきゃと思い直すこともある。

だから、安易に書いてしまって、本音じゃないことを本音だと思ってラベリングしてしまうのが怖い。そう思い込んでしまうから。


あとは、前の恋人のことを書いていたくせに、新しい恋人のことを書いて、自分をはしたないと思う人がいるんじゃないか、と思ってしまうのもある。

真実の愛のように語っていたものをあっさりと捨てて、今度は違うものを真実の愛みたいに語るなんて、なんかちぐはぐじゃないのかなと。そのとき、そのときは本当なんだけど、なんか真実味がないし、重みがない。

それは、私が誰かをそう見てるってことだ。自分が自分を見て、「はしたない」と思ってしまうから、他人も自分をそう見てるって他人に責任をなすりつけようとしてるんだ。


ちょっと暗い方向にいきそう。暗い気分ではないんだけれど、ちょっと抜け出そう。

要するに、私は自分の思いが本当なのか、ときどきわからなくなる。幸せじゃないのに「幸せだ」と思い込もうとしてるんじゃないか、怖くなる。

でも、「それなら幸せじゃないよ」と言われたら、「そんなことない!」と強く否定したくなるなら、たぶん幸せなんじゃないか。はっとして「幸せじゃない!」と気づいたら、たぶん幸せじゃないんじゃないか。

それでもまだ本音かわからないよなぁ。ムキになって「幸せだし!」って言ってるだけかもしれないし、はっとするのも言った人がめちゃくちゃ説得力があるだけかもしれないし、わからん。わからんわ。


そのときは、全部本当の感情なんだよね。それは嘘じゃない。

でも、感情は100%じゃなくて複雑に混じり合っているから、それで少しのスパイスで主張する感情もあるから、パーセンテージが大きいからってその感情になるかっていったらそうでもなくて。

そのスパイスをよけたら本音が見えるけど、それ以外が全部嘘ってわけでもないし。全部本当だし。

まーなんで、今の恋人のことも書きたかったら書くし、書きたくなかったら書かないし、そのときは本当に本当だけど、自分じゃわからない本当の気持ちもあるかもしれないし、それはわからない。自分でも。

気持ちなんて、おいしいもの食べたら「おいしい!」くらいシンプルだったらいいのに。ラベリングする必要もないくらいにね、素直だったらいいのにね。

まあ、そんな感じで、今日の私の本当の気持ちは、こんな感じ。で、結局何が言いたいのってまとまらない、まとめられないのが、私の今の本当の気持ち。

2020年7月13日(月)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?