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花びらも花、花びらが欠けても花

ひらひらと舞う花びらが美しかった、フリーライターのaoikaraです。

花びらが散る頃と、風が強く吹く頃が重なって、花が散る姿を窓越しに目にした。いつも何の気なしに通り過ぎてしまう場所なのに、つい立ち止まって見てしまった。舞い上がり、ひらめき、こちら側に迫ってくるような。ひらひらというよりは、キラキラとしているようにも見えて、美しかった。


自分の思いとは裏腹に、自分でなくしたくないのに欠けてしまうものがある。いずれかは人間は全てを失っていくから、いろんなものを少しずつ失ってはいくのだけれど、突然に失われることもある。

この先、私はひとつ幸せの形を失った将来になるかもしれない。と思ったら、目頭が熱くなってきて、頭も熱くなってきてしまう。深呼吸をして、何事もなかったかのようなフリをして、日常生活に戻る。まだ別に良いも悪いも決まったわけではないけれど、悪いかもしれない可能性と共に過ごしている。

欠けてしまった私は、私ではなくなるような気持ちになった。


散る花びらを思い出す。散る花びらも花であるし、花びらが欠けても花であるし、どちらも花であるのには変わりない。美しい花だ。

私が欠けたとして、じゃあ、欠けたものが私なの?私の主体なの?それが私の全てだったの?そんなことはない。欠けたものも私の一部。一部が欠けている私も私。花とおんなじ。


まだ全ての花びらが散ってしまったわけではないのだから、美しくありたい。

2022年5月9日(月)

No.1221

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