見出し画像

午前四時ちょうど。
小説執筆中にお腹を下してしまい、若干テンションもモチベーションも落ち込んでしまったので、ゴミ捨てに行くことにした。

プラゴミを縛って外へ出ると、まぁなんとも寒かった。
ふと口元を見ると、息が真っ白になっている。
昼夜で気温差が激しかったり、そもそも11月にそぐわない暖かさが続いたりしていたから忘れていたけど、もうすっかり年の暮れ、11月も下旬に差し掛かっていることを自覚した。

ゴミ捨て場は家から歩いて三十秒ほどの場所にある。散歩という距離でもない。
私はゴミを捨てて、寒いからさっさと家に帰ろうと思った。
しかし、ふと空を見上げると、星が、とてつもなく美しく見えた。

すっかり立ち止まって星を見る。
オリオン座がハッキリと見えた。
他にも点々と星々が輝いているのを、私は寒さも忘れて見入ってしまった。

久しく星なんて見ていなかった。
夜になると、月は好きだから、満ち欠けなんかを気にしてよく見ているけど、星はまったくと言っていいほど見ていなかった。
いや、というより外灯や住宅の明かりなんかで見えなかったのかもしれない。

しかし、深夜の暗闇が私に星をプレゼントしてくれた。
とてつもないサプライズだ。
星座とかもっと詳しかったら、さらに素敵な体験になったのだろうな、なんて考えながら星々を眺めて、上を見ながらゆっくりと私は帰路についた。

普段はゴミ捨て場と家との距離を、近くてなんて便利なんだと思っているけれど、今日ばかりはもう少し離れていれば、星をゆっくり見られるのになぁと思った。

今日以外も時期的に星は見られるだろうか。
そういう知識に疎いからわからないけれど、もしもそうなら、寒いのは苦手だけど夜の楽しみが増えて、なんだかとても嬉しく感じた。
星座についても少し勉強しておこうと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?