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読了

とある本を一冊読み終えた。

200ページちょっとのエッセイ本を
約5日かけて読了した。

「なんだそんなこと」と思われるかもしれないが
私にとって、これはかなりすごい事である。

私は読字障害とうつ病を抱えている。
読字障害の方は、実のところそれほど害はない
というか、まぁ頑張れば読めないことはない程度なもので
問題はうつ病の方である。

これは自分でも驚いたことだが、うつ病の症状が出始めてから
まったくと言っていいほど、本が読めなくなってしまった。
それは活字の難しい本やちょっと小難しい小説に限らず、
絵本や漫画、それまで好きだった中島敦の本なんかも
まったく読めなくなってしまった。

「読めない」と言っても、なんていえばいいのか。
内容がこれっぽっちも頭にはいってこない。
たとえば「誰々が〇〇をした」という文章も
理解できなくなってしまった。
大げさに聞こえるかもしれないが本当なんです。

また、読字障害がひょっこり顔を出してくる事がある。
さっきはそれほど害はないと書いたけれど
うつ病とタッグを組んだ読字障害はとてつもない害悪だ。
活字、文字の羅列(漫画のセリフ等)をうねうねさせてくる。
たとえるなら、文字列がミミズのようになる。

そして、そんなこんなありながらも、何度か読書に試みるも上手くいかなくて
自信がどんどんなくなる。
自信が無くなると、本を読む気すら失せてしまう。
そんな状況が、かれこれ二年くらい続いていた。

しかし、そんな私が、なんと、200ページもある
エッセイ本を読了したのだから、これはすごい事だ。
内容もしっかり頭に入っているし、面白いと感じるところも多々あった。

成長、とはまた違うのかもしれないが、これは大きな一歩である。
本を読み終えた時、正直めちゃくちゃ嬉しかったです。

その後、調子に乗ってずっと読みたかった太宰治の本を手に取って
文字がうねうねして一行も読めなかったのは置いておいて……

ほんの少しの一歩かもしれないけれど
こういう事の積み重ねが、大切なのかもしれませんね。

ひとまず、読書補助器具を活用して
他の本にもチャレンジしたいと思います。

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