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「アオイエに興味があります」女子高生の切り込みインタビュー #思い込みが変わったこと

「アオイエに住んでいない」という立場からアオイエに感じる疑問の数々に対して、住人が回答するという機会がありました。今回は、その時のリビングでのやりとりを記事にしたものになります。

たくさんの疑問を抱えてインタビューをしてくれたのは、アオイエに興味があり、アオイエ新代田物件に遊びに来てくれた高校生の女の子。
彼女の口から飛び出るたくさんの鋭い質問に、新代田住人たちはどう返したのか??

インタビューを行った人

小田実里/おだちゃん

脚本家。小説家。16歳で友達の闘病生活を執筆し、100冊売ったところ1日で完売。その友達と映画化し、クラウドファンディングで352万円集めて映画を上映。2000人の集客に成功。全国の映画コンクールで日本一を獲り、今年10月にはアメリカでの上映が決定している。
🎬高校生が1年で映画を作っちゃった話

インタビューを受けた2人

こみほ(左)といっちー(右)

小林未歩/こみほ:アオイエ新代田に2022年2月入居。
市村彩/いっちー:アオイエには2019年3月入居。2021年12月にアオイエ新代田に入居。アオイエコミュニティマネージャー
アオイエ新代田Instagram

シェアハウスでの関係性は?

ーー早速ですが、私はシェアハウスに魅力を感じていて、その理由は「良好な人間関係を築くことが目的ではないから」だと思うんです。

こみほ)えっ(笑)どういうこと?

ーー良好な人間関係って、案外自分の意思を主張しなくても築けてしまうと思うんです。でも私はそうじゃなくって、意志を主張しあう関係性に魅力を感じるんです。
シェアハウスは生活の場に他人がいるので、自分を主張しないといけないと思うんですよね。実際はどうなんですか?

こみほ)あ〜なるほど。私は、主張してもしなくてもいい場所だと思っていて。
主張するときは、例えば掃除のやり方が違って、「自分のやり方の方がきれいになるのに」と思った時は主張してもいいと思う。物件全体の利益になるから。それに、自分にも返ってくる実感がある。主張したことで、自分が心地いい空間で過ごせるようなったり。

ー主張しなくてもいいのは?

こみほ)「これくらいならいいや」と思えるときかな。

ーーなるほど、主張しないといけない場所ではないけど、長い目でみて物件や自分のためになると思ったら積極的に主張した方がいい、ってことかな。いっちーさんはどうですか?

いっちー)私は、シェアハウスは基本的に、我慢をしないために主張した方が良い場所だと思ってる。

シェアハウスは生活の場だから、主張するのも生活のことがメイン。
とはいえ、ささいなことでも我慢し続けるとストレスになって、1年後とかに爆発すると思う。ささいな積み重ねを侮ってはいけないと思う。

あと、住んでいるとだんだん「主張した方がいい」となると思う。「言っても大丈夫だな」と思えるようになるというか。

「やめてください」が言える場所

ー信頼関係ができてくると、言えるようになるのか。

いっちー)そうね。一方で、言うのがためらわれるようなものは無理に主張しなくてもいいよね。例えば障害があったとしても、そのことを最初から主張しなくてもいい。言えると思える信頼関係を築くまで待ってもいい

距離感について

ー生活してるから、プライバシーはあると思うんですよね。実家に住んでる時と、ここに住んでる時の同居人との関係性って、どう違いますか?
あるいは住人との距離感と、他の友達との距離感に違いはありますか?

いっちー)実家と、大学と、今で全部違うと思っている。でも、シェアハウスの住人との距離が1番近いね。物理的にも、心理的にも。

アオイエ新代田史上1番距離の近い集合写真

シェアハウス以外のコミュニティでは、私はその輪からちょっと外れて俯瞰してたところがあって。多分、面倒臭いことからは逃げてきたんだと思う。それでも“変わったキャラ”として許されてきた。
シェアハウスは距離が近いから、どう頑張っても1、2か月したらコミュニティの一員になる。その実感が生まれてから初めて、相手に対する配慮や感謝が生まれたかな(笑)

ーいっちーさんはこの家でコミュニティマネージャー(以下「コミュマネ」)として動いているということが他の住人と違うと思うんですけど、住人との距離感になにか違いはありますか?

いっちー)自分はここではいち住人でしかないなあ。
コミュマネは14物件あるコミュニティ全体を見ているイメージで、この物件の運営的な視点(共益費の管理や消耗品の購入)はキーパーに全任せしてるね。

新代田キーパーのゆうやさん(左)とおだちゃん(右)

ー他に管理してくれる人がいるのは、良いかもしれないですね。

いっちー)そう、助けられてます笑 家でまで運営の顔は全くしていない笑

コミュニティ"マネージャー"ではない!?

ー全体のコミュニティのマネジメントはどんなことをやってるんですか?

いっちー)コミュマネは4人いるけど、誰も管理しているとは思ってないんじゃないかなぁ。コミュニティの究極の理想は、マネジメントする人がいない状態だと思ってる。シェアハウスは、常に誰かがいて、自然と雑談も生まれるから、理想が実現しやすい形態なんじゃないかな。

そして、コミュマネとひと言で言っても、人によって捉え方はかなり違うんだよね。

最近、アオイエの現コミュマネ4人で「あなたにとってコミュマネとは?」について話し合う機会があって、私は「アオイエの魅力を一番知っている人」と答えたんだけど。他には「現場監督」「補完者」「エンターテイナー」。
4者4様の言語化があって、とても面白かった。

「あなたにとってコミュマネとは?」

私の場合は、1年間住人として住んでいた期間があったから、コミュマネになっても家では住人、というスタンスだと思う。
その代わりに全体を見て、アオイエの魅力を発信することをメインにやってるかな。

ーシェアハウスは、テラスハウスのイメージが大きくて、本当にくつろげるのか疑問があったんですよね。コミュマネも、意外と、くつろいでそうですね!

こみほ)テラスハウスは、恋愛することを目的として住むから、くつろげなさそうだよね(笑)

いっちー)アオイエは住む際に目的を求めることはないし、たとえコミュマネやキーパーという肩書きがあったとしても、それぞれ自分の心地よいスタンスをとっているから、結構くつろいでいると思うよ〜👍

みんなでボードゲーム(カタン)をしている様子

みんな"表現者"??

ーアオイエのホームページには「表現者」という言葉が使われていたから、住んでいる人は個性を大事にしている人が多いのかなと思ってました。
そういう人は、誤解を恐れずに言うと考え方に偏りが生まれるのかなと思っていて、実際に住む中で、アオイエに住んでいる時の考え方と、外に出たときのギャップに違和感を感じたりすることがあるのかな、と思ったのですが。

こみほ)まだ1ヶ月半しか住んでいないけど、今の時点では「ここの考え方」というものはないと感じてる。

そもそもあんまり、一つの考えにまとまることがない。Aという価値観と出会ったときに「アオイエではBという価値観だったから」と頑なになることはないかな。

逆に、みんな深く考えているってことは言えるかも。みんな違う考え方があって、それを対話によって理解する。もし何かについて話していて、たまたまみんな同じ意見だったとしても、それぞれが自分の言葉に置き換えることができるから、その意見を一つの答えとみなすことはないと思う。

それぞれが自分の考え方を持っていてお互いに表現し合っているから、自分自身、アオイエに住んでから考え方が広がったと思うなあ。

クラウドファンディングについて住人から教えてもらったり

暗黙のルールってないの?

ー考え方の偏りはないかもしれませんが、コミュニティは暗黙の了解ができることが多いと思っているから、まだ、どうなんだろうと疑ってます(笑)

こみほ)暗黙のルールか、、ないと思うなぁ。

いっちー)存在自体を忘れてしまっているような暗黙のルールはあると思うよ。例えば人の話を全く聞かない、とか、ねじ曲げた解釈をして人を傷つける、とか。そのルールを犯す人が周りにいないから、忘れてしまっているんだと思う。

でもそれは暗黙のルールというより、社会の中で人と共同して生きていく時に良しとされることに近いと思っているんだよね。
他人と一緒に心地よく暮らしていく上で必要なルールの中には暗黙のものも確かに存在するけど、それはアオイエ独自のものではないと思う。

ルールというより、「処世術」という言葉の方が私はしっくりくるかも笑
3年前にアオイエに住み始めた当初、綺麗好きなAさんの「私物のタオルを共用スペースに置かないで」という指摘を聞き入れなかった。「めんどくさいもん」って(笑)
それでAさんとはあまり仲良くなかったんだけど、ある日私が片付けたらAさん、喜んでくれて。当たり前だけど、「指摘は素直に聞き入れる方がいいんだな」って学んだんだよね。笑

ゲストがたくさん遊びに来るアオイエ新代田

こみほ)そんな時代がいっちーさんにあったんですね(笑)
私もアオイエで身に付けた「処世術」、あるかも!例えば「最後まで話の輪に入らなくていい」とか。

自分の疲労度を鑑みて、「もう眠いから今日はもう寝よう」、という判断をしたときに、それを素直に言葉にして、話の途中でも寝に行く。

これは社会では「飲み会を適当に切り上げて帰る」ということになると思うけど、より日常の場であるシェアハウスでも、自分を守る、という意味で「処生術」という言い方がしっくりくるな、なんて思いました🌱

ーなるほど、アオイエに住んで処世術が学べるの、おもろいですね笑

後日談

初対面なのに 友達の家に招かれたような気持ちでした。
「偏り」について質問させてもらったのも、自分が多くの物件を見学できない分、アオイエの特徴を掴みたいなと思ったことが理由としてありました。
もし、この質問をしたことでなにかしらのモヤモヤ感を与えてたらほんとに申し訳ないです。🙇‍♀️
だけど、自分の中のアオイエに対する疑問は消えました。
また聞きたいことが出てきたら、質問させてください!

いっちー・こみほ)こちらこそ、ありがとうございました!!

(2022.3.22 編集・写真:いっちー

アオイエについて

アオイエは、全国に14の拠点(東京:8箇所、京都3箇所、大阪:2箇所、沖縄1箇所)をもつコミュニティハウスです。「みんな表現者」をコンセプトに掲げ、家という形を通して住人に安心と挑戦を提供しています。
アオイエは、安心と挑戦をうむ環境づくりとして、各家へのキーパー制の導入、ゼミや合宿の実施、入居者へのフォローアップなど、他のシェアハウスには類を見ない取り組みを、5年目を迎えた今もなお続けています。

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