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新宿区原町天祖神社の盆踊りは萩野目洋子の「ダンシング・ヒーロー」で踊る。

「東京はお金がないと何もできない街」とは田舎にいた時から聞いたことがありました。それは東京に出てきて痛感することになり、お金どころか、学歴、職歴などのお金以外のステータスもないと非常に肩身を狭い思いをするという経験をすることになりました。

自分が東京に来て間もない頃、あまりにも寂しくて辛い時がありました。そういう時は誰かに頼っていけばいいのかもしれないのですがそれもできないと思っていたそんな時。秋祭りのシーズンで偶然牛込を歩いていると、住宅街の真ん中からすごく調子の良い太鼓の音が聞こえてきました。

それは原町天祖神社のお祭りでした。ここは山手線の内、大都会新宿区。マンションや住宅が立ち並ぶ隙間のような場所にひっそりとある小さい神社ですが、夜中にもかかわらず太鼓を元気よく叩き鳴らし盆踊りをしているのに驚きました。苦情はこないのだろうか?そう思うくらい激しいのです。

しかもかかっている曲が独特で東京の盆踊りの定番「東京音頭」からアニメ曲までさまざまな曲で踊ります。特に萩野目洋子の「ダンシング・ヒーロー」が人気があってとてもバライティに富んでいるところがいいです。結構年配の方がノリノリで踊っているとこがとても面白いと感じます。

田舎の盆踊りと変わらないなんとも言えない温かさありました。その風景からどこもかしこも真新しい無機質な建物ばかりの東京といえども、人情や人の縁で続いているこんなお祭りがあるのだなあとしみじみ感じるものがありました。

新宿や渋谷、六本木ばかりが東京じゃない。田舎にいた頃には想像もつかない摩天楼や不夜城といったイメージとは違う東京の一面がここにはあります。

「東京は冷たい」は結局ある一方の観点からしか見ていない感想なのだろうと思います。探せばいろいろなコミュニティがいたるところにあって、優しいもの厳しいものさまざまですが、自分自身を受け入れてくれるところがどこかしらはあると思います。

会社と家の往復だけがこの街の本質ではないはずです。国内外の旅行や留学で気晴らしもいいかもしれませんが、身近にある地味で可笑しなコミュニティに身を寄せてみてはいかがでしょうか。

いつも通い慣れた通勤路線で通り過ぎる街をどれくらい知っているでしょうか。毎日の通勤通学で退屈なのは味気なさを感じるからじゃないでしょうか。通勤通学の時間を学習やモバゲーの時間に費やしていると一日に関わる空間が乏しいものになりがちです。知ってる街を増やして、その街の風景を毎日眺めると愛着が湧いて心が和みます。そんな風に身近なところからも世界観は広げることはできるのではないかと思います。


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