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イケおじ次元を堪能 | Amazonプライムビデオ 映画「次元大介」感想

 ⚠️ ネタバレには配慮してません。

 アニメのルパンは人並みに見ているけど、原作は見たことがない程度のルパン好きでございます。今回のは実写なのであえて見なくてもいいんだけど、予告編を見て興味がわいたので見てみることにした。次元のキービジュアルカッコいい!

 次元大介というと、「帽子、ヒゲ、スーツ、カッコいい、渋い、凄腕のガンマン、タバコ」というイメージだろうか。次元が主人公っていうと「次元大介の墓標」は見たことある。あんまり覚えてないけど。まあ、ルパンニワカ勢の感想と思ってくれれば。

あらすじ

愛銃ゴンバットマグナムに違和感を覚えた次元大介は世界一のガンスミス(銃職人)を求めて日本にやってくる。辿り着いた先に待っていたのはさびれた時計店を営む女性・千春だった。そこに銃を求めて訪ねて来る少女・オト。徐々に明かされるオトの悲しい過去と彼女を狙う組織の存在。組織に連れ去られたオトを助けるべく、次元は孤独な戦いに身を投じる。

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 あらすじって、普通これぐらいは書いてあるもんだよね。聞いてるかNetflix😡

感想

 まず思ったのが、タバコめっちゃ吸う。それと次元ってこんなクリーニングしたてって感じのスーツや帽子だったっけ? ってことだ。自分の中のイメージではもっとしわくちゃな感じだったんだけど、イメージだけかもしれないので検索してみた。

 うーん、まあ、そもそも作品が多いから解釈の幅があるのかもしれない。検索した限りでは、そんなにしわくちゃって感じではなさそうだ。気にするようなことでもないかもしれないね。

最初の決闘シーンのおっさん

 映画開始と同時に決闘シーンから始まる。場所はポーランド。多分殺し屋だと思うけど、変なおっさんがコインが落ちた瞬間に銃を撃つっていう、よくある決闘の方法で次元に勝負を挑む。次元は問題なく勝つんだけど、問題なのはおっさんの言葉。次元を見つけたときに、にたぁって笑って、「ウエルカァム!ジゲンダイスケェェェィ!!!」っていい感じに叫ぶので絶対に記憶に残る。見た方がいい。

次元はカッコいい

 実写ということなので、初めは疑い半分で見ていた。あの声じゃなくても次元と思えるだろうかとも感じていた。(声優変わったけど)これは次元なのか、という疑問が頭を支配していた。だけど、見続けているうちにその疑問は頭から消えていた。

 すぐに慣れたといえばそうかもしれない。ダメな実写映画は最後まで違和感消えないし、慣れるほどには役がハマっていたとも言える。ヒゲとスーツと帽子とタバコも似合っていて、シュッとしたイケおじといった感じで、ガンアクションもカッコよかった。

 そもそも、主演の玉山鉄二は実写版ルパン三世にて次元役で出演していたらしい。知らなかった! 無知で申し訳ない。

前半から中盤まではおとなしい

 2時間の映画なので、およそ前半の1時間は物語の準備段階って感じなのか、展開としては割とおとなしい。序盤の決闘を除けば次元のアクションシーンはほぼないと言っていい。治安の悪い街(泥魚街)へ到着して、情報収集、ガンスミスとの出会い、少女との出会い、少女との行動、敵の動向、で概ね前半が終わってしまう。

 アクションシーンが少なく、ペースがゆったりしてるので、派手なガンアクションを求めて見ているので、ちょっと退屈な感じがした。(敵のボスのアクションはあったけど)もちろん、物語の展開的には必要なシーンではあるので、もうちょっとテンポが良かったら嬉しかった。

敵側の描写が多すぎる

 テンポが悪いのは間違いないと思う。いちいち敵側の動きや情報開示のシーンが挟まれて、ただでさえスローペースなのに退屈が加速する。

 敵のボスの生い立ちや思想信条は、まあ必要な要素と言えるかもしれない。でも、サラッと流す程度で、あとは視聴者に想像させる形のほうが、テンポはいいと思う。

 1番いらないと思ったのは、永瀬正敏演じる敵幹部の色恋沙汰シーン。この敵幹部が泥魚街に女がいて、会ってイチャイチャするシーンが挟まれるんだけどさ、このシーン本当に必要ある? この敵幹部の人間味のあるキャラクターを深掘りすることが、映画に面白さとかを与えてると思う?

 決戦で次元が攻めてきてるのに、敵幹部が女と会って「行かないで」「終わったら会いに行く」みたいな女々しいやり取りする必要ある? これから戦争に行く主役じゃないんだからさ。敵役だよね?

 で、散々キイりまくって、次元にやられたら、「あの女の元に帰るんだ」とか言ってよろよろ歩きながら絶命するとか、敵幹部として最高にダサいと思うんだけど、本当にそんなキャラ付け必要だった?

 人間味なんて必要ないと思うんだ。敵幹部はほとんど謎の存在で、やたらと強くて、戦闘マシーンみたいなヤバいの方が良くない? 負けたら女々しく女のところに行こうとするとかありえないでしょ。敵キャラなら負けたら潔く死ぬか、爆発するか、すげー汚い罠みたいなの張る。そういう方がいいと思う。なんか大物俳優使うから、それに相応しい役として、エピソードが付け足された感じがして虚無感があるよ。蛇足という他にない。

おっさんと少女という様式美

 「おっさん 少女 映画」で検索すると作品リストが出てくるぐらいには、よくあるパターンらしい。映画弱者の僕はレオンぐらいしか知らなかったけどね。(それにしても「おっさん 少女」で検索すると異世界ものしか出てこないんだけど、世の中のおっさんの願望ダダ漏れすぎるだろ)

 で、この映画も例に漏れず、様式美に従って、イケおじと少女ものなんだよね。次元は嫌々ながらも少女と行動を共にすることになり、その悲しい生い立ちや現状に触れ、同情し、心を開き、やがて、少女のために巨大な敵に戦いを挑むことになる。というのが、この映画の流れなんだけども、イケおじでつよつよだけど不器用な次元と、心を閉ざし切った少女オトの2人の並びがいい。この決して交わらないであろう2人がストーリーの中心にいるのがいいよね。

後半ようやくアクションシーンがやってくる

 スローテンポで展開してきた次元大介も1時間をすぎる頃、ようやく見せ場がやってくる! 狭い屋内の民家に数人の襲撃者が現れる。それを相手にする次元大介。狭い中で複数人相手にして銃をパンパンぶっ放せるかと言えば、そんなこともなく、アニメではほとんど見ることがなかった(僕が知らないだけかも)肉弾戦が繰り広げられることになる。

 複数のナイフ相手に家の中にあるものを使って、襲撃者たちを捌いていく。食卓だったり、まな板だったり、ガスだったり、銃だけかと思ったけど、次元は肉弾戦も強い。身のこなしが軽い。そして、銃を使い始めると本当に強い。数人ならあっという間に倒してしまう。倒すっていうか殺すだけど。

 敵のアジトに乗り込む道中でもドンパチがある。ヤクザとかチンピラみたいなのが刃物とか銃器とかで大量に襲いかかってくる。ここでは銃と格闘を交えて流れるように殺していく。次元強い! そして、ゲームとかでよくあるガスボンベを爆発させるやつ! 1対多だから爆発物利用は仕方ないね。

敵の私兵の武装がすごい

 敵のアジトには私兵が数十人、全員アサルトライフル(詳しくないのでわからない)を装備し、グレネードも持っている。対する次元は1人で武器は拳銃。相棒のマグナムはこの時点では使えない。いや、ここ日本か? って感じの重武装で、こいつらなんの組織なんだよ。なんで日本でそんな武装が必要なんだよ。と、ツッコミを入れたくなるが、まあ、ルパンシリーズなのであまり深く考えなくてもいいか。

 次元が真正面からアジトに乗り込むと、それに気づいた敵兵が一斉にアサルトライフルで掃射する。次元は走ってそれを避け物陰に飛び込む。流石に死ぬだろと思わなくもないけど、強者には弾が当たらないものだから、次元が避けるのは必然なんだね。

 敵が多すぎるから拳銃だけでは倒しきれない。敵のライフルとか、敵のグレネードとか、FPSとかでよく爆発する燃料タンク的なやつとか、まあそんな感じのを利用して敵の数を減らす次元。強すぎる。

 相棒のマグナムが使えるようになると、次元はさらに強くなる。初めの一発目に敵を撃った時、数メートル吹き飛んでるからね。とんでもねー威力なんだよって教えてくれてる。敵が3人重なった瞬間に撃ち抜いてワンショット3キルとかやる。マグナムってマジやべえ威力なんだな。やべえしか語彙がなくなる。

ボスとの戦いは決闘

 敵幹部との戦いにもばっちり尺は割かれているけれど、ナイフ使いの上、チートみたいな素早い動きや、隠れて死角からナイフ投げみたいな感じで、正直あんまり面白くないよね。あいつ存在がいらなかったかもしれない。

 で、敵ボスとの最終決戦は、映画最初と対をなすように決闘できめることになる。もちろん次元が勝つんだけど、敵ボスが弾を外すのはなんだか雑魚っぽくて嫌だったな。外さなかったら次元も死んじゃうから、決闘にした以上、外すしか選択肢はなさそうだけど。

 まあ、普通にバチバチに戦って欲しかったよね。敵ボスと次元の戦いをやって、決着が付かずに、最後は決闘で勝負を決める。こんな展開が良かったよね。尺が足りないなら、敵幹部が女と逃げたことにして、ナイフ戦をカットすればいいよね。あいついらないから。

おわりに

 面白かったと思う。それまでの鬱憤を晴らすような後半のアクションシーンも良かった。だけどね、ホントに敵の情報を出しすぎてテンポ悪いんだよね。敵幹部はいらない。あいつさえいなければテンポが良くなって、無駄なエピソードも無くなってスッキリして3倍面白くなると僕は思いました。

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