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真面目に作りすぎちゃった感じある | Netflix映画「赤ずきんは旅の途中で死体と出会う」感想

 ⚠️ ネタバレはそんなにしてません

  Netflixの映画。ネットのどこかで誰かがそこそこ面白いと書いていたのを目撃し、Netflixのランキングにも上がっていたので、ホラーばっかり見るのもどうかと思うし、気分転換でコメディー映画でも見ようと思ったんだね。

 監督が銀魂の実写版を作った人らしくて、実写版の銀魂は見ていないけど、銀魂は面白い作品だし、これもたぶんゲラゲラ笑えるような映画に仕上がってるんじゃないかと期待してたわけだね。

https://eiga.com/movie/96082/

あらすじ

赤いずきんを被った少女・赤ずきんは、旅の途中で灰だらけの少女・シンデレラと出会う。魔法使いに素敵なドレス姿に変えてもらった2人は舞踏会へと向かう途中でカボチャの馬車で男をひき殺してしまう。バレることを恐れ、なんとか死体を隠した2人はお城の舞踏会に無事到着し、シンデレラは王子様と恋に落ちる。そんな中、男の死体が発見されたことで舞踏会は中断。赤ずきんとシンデレラは最大のピンチに直面するが……。

https://eiga.com/amp/movie/96082/

 ネットにあらすじがあるのは楽でいいね。特に補足するところもない92点ぐらいのあらすじで素晴らしいです。

感想

 正直、笑わせてくれると思っていたわけだね。銀魂って名前が出てきたし、期待値上げすぎてたのかな。コメディーしてるし、世界観が割と緩い感じではあるんだけど、真面目っていうか、すごいちゃんと作っちゃた感じがする。もちろん、殺人事件が起こって解決するってストーリーである以上、必要なシーンは多いんだけど、それでももうちょい悪ふざけして欲しかった。

 見終わるまで知らなかったけど、原作があるみたい。小説の。だからなのかな。きっちり殺人事件を解決しちゃったね。赤ずきんや殺人事件でシンデレラの世界観を壊してるんだから、もっと壊しまくってもいいと思うけど、そんな無茶苦茶な展開にはならないんだよね。残念。

赤ずきんとは

 シンデレラがストーリーのベースになってるのはあらすじを見てもわかると思う。シンデレラが魔法でドレスとカボチャの馬車を出してもらって、お城のパーティーへ行く。そこにオリジナル要素である赤ずきんが混じる。赤ずきんはなぜか推理力が優れていて、名探偵として振る舞う。そして、イマイチ分からなかったけど、過去の記憶的なものを読むことができる? それが一体なんなのか、原作には説明があるのかもしれないけど、映画からはよく読み取れなかった。なんだろうねあれ。

 冒頭で説明があったのは、おばあさんからもらったビロードの赤い頭巾をかぶっていること。そして、赤ずきんは旅をしていること。それ以外の詳細は不明。なぜかシンデレラのストーリーに混じり、不信感も持たれず名探偵の役をこなすわけだけど、なんで赤ずきんなんだろうね。赤ずきんに関する説明がなさすぎて、これ二作目?って疑問に思えるほど赤ずきんの存在をスルーしている。

ボケ不在

 ツッコミは主役の赤ずきんが担当しているから、ツッコミ不在で困ることはない。しかし、この映画は深刻なボケ不足に悩まされることになる。

 もちろん、コメディの笑いというのは、ボケとツッコミみたいな形だけではなくて、ストーリー展開や、キャラクターのギャップなんかでも起こる。観客だけ知ってる事実なんかもよく使われる。おしっこ我慢してる人と、なぜか引き止めて会話を長引かせる人のシーンとかね。

 でもまあ、ボケとツッコミっていうのは、日本における分かりやすい笑いではあるし、短い時間で簡単に笑いをねじ込むことができる。だけど、この映画は圧倒的にボケる人が足りていないと思う。魔女と王様とネズミの行者ぐらい。3人ともそんなに出番があるわけでじゃない。出番が多いのは、赤ずきんとシンデレラと王子の3人。こいつら誰もボケない。真面目。赤ずきんはツッコミはするけどボケたりはしない。ボケる人が足りない。堅苦しいね。

 例えば、古畑任三郎の今泉くんみたいに隣でボケる人を配置するとかしたらよかったんじゃないかなあ。ファンタジーだから、妖精でも白雪姫でもオオカミでも小人でもなんでもいいけど、賑やかしみたいな人がいればだいぶ雰囲気変わったんじゃないかと思う。

ミステリー要素

 殺人事件が起こる。クズの美容師みたいなのが死ぬ。その殺人犯を見つけるのがミステリー要素。

 原作があるからちゃんと予想外な人が犯人になっている。ただ、話の流れ的なのと、消去法である程度は絞り込めるから、そこまでの驚きはなかったかな。なんというのか、全体的にゆるい感じだから、そんなに頑張って犯人探してもそんなに面白くないっていうか、誰が犯人でもどうでもいいっていうか、そんなに事件に興味が持てなかったんだよね。

 事件の引きが弱いっていうのかな。よくあるやつだと、「密室殺人!」とか、「不可能犯罪!」とか、事件自体が興味をそそるように作られてると思う。この場合、クズの美容師が殺されただけ。謎は特になく犯人がわからないだけなんだよね。まあ、特に面白い事件でもないし、誰が犯人でもいいじゃんって感じがしちゃう。

おわりに

 つまらないわけじゃないんだ。ちゃんと2時間の映画になってる。だけど、ミステリー要素もコメディ要素も結構中途半端なんだよね。他人に自信を持ってお勧めできる作品ってわけじゃないし、まあ、お勧めしないよね。お勧めするとしたら、

  1. 2時間暇で暇で仕方ない人

  2. 橋本環奈がめっちゃ好きな人

  3. 感情を揺さぶられない暇つぶしがしたい人

  4. ハラハラドキドキしたくない人

  5. ながら見でもそれなりに楽しみたい人

 こんな条件の人にお勧めです! ぜひ見てください!

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