見出し画像

あまり刺さらなかった | 映画「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」ちょっとだけ感想

 宇多丸が映画評で大絶賛していたから気になっていた。他人が褒めまくったり貶しまくったりすると、どんなものか興味が出てくるよね。

 アカデミー賞とかゴールデングローブ賞とかなんか色々取ってるみたいで、一定のクオリティ、いい映画なのは間違いないよね。

あらすじは動画見た方がわかるから省略。

感想

 いい映画だっだと思う。かなり丁寧な映画だよね。年齢も立場もバラバラな孤独な三人が通じ合っていく様子を、じっくりコトコト煮込んでいくように丁寧に料理していくところがとても好感の持てる映画だった。

 みんなから嫌われてる孤独な老教師のハナム、息子を失った寮の料理長のメアリー、複雑な家族関係で思春期真っ盛りのアンガス、まるで重なるところのない三人だから簡単には仲良くはなれない。ぶつかり合って、色々あって、秘密を開示して、ようやく近づくことができる。友というか同志のようなものになれる。当たり前だけど、家族でも親友でもないんだよね。立場が違いすぎるから。だけど、確実に通じ合うことができる。その過程を描いていく映画なのかな。

 こうして文章を書いて思い出していくと絶賛されるのがわかる気もする。エンディングの歌も良かったなあ。だけどボクには刺さらなかった。なんでだろうね。本当にいい映画なのは間違いないんだけどね。

 自分の立場とか、年齢とか、経験とか、見てきた映画とか、文化理解度とか、そういうもので感想は変わるだろうし、人それぞれなんて言ったらおしまいなんだけど。ボクに刺さらなかったのは文化の違いから一歩引いてた部分はあるかもしれない。

クリスマス

 やっぱりね、ボクはキリスト教圏のクリスマスの重要性ってのが理解しきれてないよね。日本のごった煮クリスマスなんてさ、ケーキ食ったりケンタッキー食ったりするだけじゃない。いつの間にか恋人と過ごすのが当たり前になったり、そこから家族で過ごすみたいな揺り戻しがあったり、聖夜だとか性夜だとかマスコミと商業主義によってめちゃくちゃな感じだけど、なんにせよ、日本のクリスマスはただのイベント以上の意味はない。

 欧米のクリスマスは宗教的な意味のある行事で、家族で過ごさなきゃいけないみたいな強迫観念はマジで理解できないよね。あとすぐパーティするパーティー文化。本当わからない。

 だから、映画で取り残された三人の惨めさっていうのが心の底から理解できるかって言えばできないんだよね。

人には事情がある

 誰だってそうなんだよね。誰にだって事情がある。嫌われ者のハナム先生が体臭が臭いって言われていて、嫌われる要因の一つになっているけど、アンガスが正面きってそれを指摘したら、病気が原因だと判明する。ハナム先生はそれによって、女性と仲良くなることを恐れている。他にも隠している事情がある。そんなもんだよね。好きで嫌われている人なんていない。どうしようもないことだってある。アンガスにもメアリーにも事情がある。

 人間なんてさ生きていけばいくほど、しがらみや事情を抱えざるを得ない。生きるのは楽じゃないよ。みんなそうなんだから、優しくなれるといいんだけど、そういうわけにもいかないっていうか、抱え込めば抱え込むほど人間は余裕をなくしてしまう。性格が悪くなる。だけど、事情を知ることができれば、配慮もできるし優しくもできる。問題はみんな自分のデリケートな事情を表に出してるわけじゃないから、人間というのはなかなか理解し合えないんだろうね。

 映画ではお互いのそういう事情を知ることで、少しづつ通じ合っていく。当たり前のことだよね。人と人は知ることで理解を深める。知らない人とは仲良くなれないというだけのこと。知る努力を怠ってはいけないね。

おわりに

 というわけで、思いつくままに書いたよくわからない感想でした。いい映画だけど、ボクにとっては記憶に残る映画にはならなかったかな。



この記事が参加している募集

#映画感想文

68,724件

#映画が好き

3,596件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?