見出し画像

児童精神科と繋がる

不登校になってすぐ、学校から診断書をとってきてほしいと言われたこともあり、発達のクリニックを受診しました。学校の手前、とりあえず受診した感じです。受診したところで何も変わらない、という思いが私にはあったので、そのクリニックに継続的にお世話になることはありませんでした。クリニックからも、医療的な介入は必要なし、という見立てでした。当時は(今もですよね)、児童精神科は数が少ないこともあり、予約をとるのに3カ月待ちはざらでした。予約の電話もなかなかつながらないし、そこに費やす気力もありません。しかし、医師の力を借りた方が楽になれるのではないかと考え、あとあとキャンセルしてもいいから予約だけとっておこうと気持ちを切り替えました。目的はただ一つ、医師に「学校に行かなくていい」と言ってもらうこと。親が学校に行かせない考えだ、と先生たちに思われたくなかったのです。


案の定、予約をとってから受診まで3か月待ちました。大きな病院だったので、予約をとるときも、「紹介状はないんですか?5000円かかりますがいいですか?」としつこく聞かれ、そのやりとりにも辟易しました。5000円ってところがひっかかるのか、紹介状がないってところがひっかかるのか、よくわかりませんでしたが、なかなか予約をとらせてもらえませんでした。ただ、受診したまわりのお母さんがたからの評判が素晴らしくよくて、娘との生活にあんまり困り感はないっちゃないのですが行くことにしました。困り感がないというのはウソかもしれませんが、もう困ってるかどうかもわからない状況でした。あえて言うなら、いきなり電気を使った工作が始まり、危険度がわからなくて困ったというのと、私と話が噛みあわなくてすぐ癇癪を起こすということ、片づけが全くできないということ、本が視界にはいると用事を忘れて読書すること、興味のあることのレベルがあがってきて対応に悩むこと、エネルギーがありすぎてなかなか寝てくれないこと、どこに行くにも私を連れていくこと、色んな年齢の娘が出現し戸惑うことがあること・・・。くらいでしょうか。これはもう当たり前のことになってしまっていて、どうにもならないから助けてー!とはなっていませんでした。ただ、自分に余裕がないときつく娘にあたってしまうので、そこが一番の困りどころでしょうか。だいぶ感覚は麻痺しているかもしれません。

児童精神科に持参する事前アンケートみたいなものがあるのですが、それが5枚くらいになっていて、ボリュームがすごかったです。実は1回書いたんですが、読み返すと自慢ばかり書いているように思えて、ぐしゃぐしゃに丸めて捨てました・・・。ギフテッドあるあるだと思うんですが、子供の様子を文字にしてみると、確かに困りごとはあるんですが、知能面で自慢ととられることが多いんです。「メンサ会員」という字面だけで、攻撃力はだいぶあると思われます。メラゾーマくらいでしょうか(わからない方ごめんなさい)。WISCの結果はイオナズンくらいかなと。もうそんななので、書いたあとに読み返すと自分が打撃をくらってしまいました。自慢じゃないのに、自分で読んでも自慢にしか見えないという。けれど、もうそこはぐっと我慢をして、受賞歴やら習い事やらをかたっぱしから記載しました。


ようやく受診の日。3か月待ちということで、何度もキャンセルしようと思いましたが、結果として受診してよかったです。先生は、娘とずっと話していて、私は合間にちょこちょこと答えるくらい。娘の態度や思考力なんかをみていたように思います。娘は初対面とは思えないくらいに口数が多く、とてもいきいきとしていました。今回の一番大きな目的は、胸を張って不登校と言えるようになりたいということ。「学校に行かせてない親」というレッテルを避けるため、「医師に学校はストレスになるから行かなくていい」と言ってもらうことが目的でした。

1、小学校には行くべきか
行かなくていい。これだけ知能が高いと学校は何もかも合わない、ストレスの場でしかない。この子には全てスローモーションに見えている(処理速度凸)。自分で家で学べているからそれでいい。時々学校に行くのなら、「一般的な子供はこういうのに興味があるのか。」と観察するために行けばいい。
2、中学はどうするか
2年前なら偏差値の高いところへとすすめるしかなかったが、今はN中もできた。男の子なら筑駒くらい行けば合う子はいると思う。ただ、女の子だとトップ校に行っても難しいと思う。偏差値や中学受験にこだわらないほうがいい。高校もしかり。
3、うちの子は何者ですか?
2eではない。アメリカのギフテッドと日本のギフテッドの定義はズレてしまっている。この子はアメリカの定義の方があてはまる。
4、母子分離不安?離れられるようになるには
まわりに理解者がいないから不安になっている。理解してくれる人を見つけて、その人とつなぐ。同じような子供たちを集めても、みんな興味がバラバラで同じ方向は向かない。だから、集めればいいというものではない。それよりも、その子たちを受け止めてくれる人がいることが大事。
5、なかなか寝ない
朝がちゃんと起きられているなら、夜の寝る時間はとくに決めなくても大丈夫。パソコンは遅い時間までやるのは避けた方がいい。読書は好きなだけどうぞ。
その他
医師としてできることは、感覚過敏のアンテナを少なくする薬を処方することだけ。けれど、苦手なものは避けたりして工夫して生活できているように見える。だから、薬を処方する必要性はあまり感じない。
(ここからは娘へ)お母さんはすぐに忘れてしまってバカに見えるかもしれない。けれど、おかしいのはあなたの方。IQの分布をみても、お母さんは普通のところにいるけど、あなたはとても逸脱している。お母さんは普通、だからお母さんには優しくすること。(文字にするときつく見えますが、愛情を持って優しい言葉でさとしてくれました。)何気にこれが一番ありがたかったです。

と、こんな感じで1時間ほどお話ししてきました。端的に記載したので、きつい言い方に見えるかもしれませんが終始和気あいあいと、笑いが飛び交っていました。娘も一瞬で先生のことが大好きになり、「また遊びにいこっと」と言うくらいでした。はっきりと言ってくださるのがとてもわかりやすかったのと、とにかくすごい情報をもっておられました。ギフテッドやHSCという単語はどうも医療界では毛嫌いされる印象がありますが、全くそんなことはなく、「医者の教科書に載ってない言葉だから、知らない人ばかりなの。」と娘に話してくれていました。お勧めの塾も教えてくださったのですが、そこに我が家がすでに通っていることを話すと、「小学生で通っている子は初めて見た!」と驚いておられました。あとは、メンサ以外にもこういう子どを支援している団体(?)があるらしく、お母さんなら探し当てると思うから!と言われました。

それから、我が家は医師の言葉を印籠がわりに生活しており、公立小へ転校後も、そして中学にあがってからも学校との関係性は良好です。学校とのやりとりで疲弊することがなくなったので、私自身に余裕も生まれました。まぁ、余裕が生まれても新しい案件がすぐに発生するので、余裕なんてすぐなくなりますが・・・。

その児童精神科には、実はその1回きりで通院していません。医師からは、親子関係がまずくなったらおいで!と言われ、そのままです。なんですが、その先生がついに開業されることになったので、その後の経過報告もかねて、カルテを作っておくために予約を入れました。思春期が来ますからね!

※写真は国立がんセンターなので、記事とは関係ありません。


ブログをこちらにお引越し中で、近いうちに古い方を閉鎖します。ギフテッドやCTYの情報を載せていたのですが、だいぶ情報が増えたのでそろそろ不要かなと。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?