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【ifタカバタケ】学園モノラブコメ弐

 製作者PJさん及びチームPJより有難くも許可頂いたので、脳内3部作を披露します。1000文字以内なので、3部作完結させました。
 私のSS練習にもなるので、この企画は非常に有難いです。重ねてPJさん及びチームPJに深く感謝申し上げます。

 ※ヤマバ様の画像が格好良すぎて何度もリピートして見つめてしまうんですが、私はどうしたらいいでしょうか(悩)
 この想いをどうしようもないので一枚貼らせてください。もう毎日ログインしちゃう。

☆第一話☆
 ノゾミ先生と山場先生編↓からドウゾ。

※著作権・riraさま、まくらさま、PJさま 

 ー2ー

「ちっ……逃げられたか」

 アンジョーと同居している理由を聞き出そうとしていたのに、気が付いた時にはサンドウィッチマンとバナナマンのコントネタで盛り上がってしまい、話が脱線した。
 AI時計が『そろそろ下校時刻です』と可愛らしいオルゴールと共に告げてきたので、山場も彼女の眼を気にしつつ携帯を取り出した。そのまま時間を確認して「先生、ごめんな。帰って買い物と夕飯の支度しなきゃいけないんで」と言って逃げた。

 ノゾミは『先生』と呼ばれるのを嫌う。『先生』と呼ばれる事で、生徒との距離が離れる気がするからだ。

「あ~。もうっ、最後にうちのこと、”先生”言うなんて。山場先生め……」

 明日また聞き出そうかと思ったが、あの腕だ。もしかしたら病院に行って学校は休む可能性もある。ならば、もう一人から情報を聞き出せるではないか。
 ノゾミはにっこりと微笑み、引き出しに大切にしまっていた薬を手に取った。


「失礼しまーす」
 
 やや不満そうな面持ちの金髪の美少女が保健室にやってきた。用事は無い。目の前にいる保健室のおねえさんこと、ノゾミに呼び出されたから仕方なく、というオーラが全身から漂っていた。

「はぁい、アンジョーちゃん。元気?」

「……くだらない用事でしたら帰りますけど。先生が右手骨折してる可能性あるから、今日病院行ってるし……」

「そっ。あのな、その山場先生についてどぉ~してもアンジョーちゃんに話たいねん」

 山場の名前を出した瞬間、アンジョーの表情が変わった。と言っても僅かに目線が上を向いただけで、一般人ではその変化には気が付かないほどの些細なレベルだ。
 ふむ、食いつきが早い。これは間違いなく黒や。
 一時間前に例の薬を飲んだ。これで彼女の本音が『聞こえる』はず。

「アンジョーちゃん、なんで山場先生と一緒に住んでるん?」

「なっ……なっ……」

 クールそうな外見に反して彼女は意外と喜怒哀楽が激しいのはリサーチ済みだ。今も頬を赤らめて何かこの場を切り抜けようと言葉を探しているように見えた。

 さぁさ、そろそろ薬の効果がーー

 あれ?

 ノゾミが飲んだ薬は相手の心の声が『聞こえる』ものだった。しかし、アンジョーの心から言葉が発せられていない。つまり、彼女は今何も考えられていないのだ。
 まさか、山場の名前を出しただけでそこまで思考回路が停止するものなのか!?

「えっとな、アンジョーちゃん。別に悪いようにはせえへんから……」

「そ、それは……その……」

 困惑したアンジョーはかなりおろおろしていた。リサーチしていた彼女の情報と全く違う態度にノゾミは焦った。このまま彼女を泣かせたり困らせてしまっては今後山場と仕事をするのに差し支えてしまう。まして彼はこのAC学園に必要な優秀な人材、久しぶりに来た”若い担任”だ!
 あんなイケメン、なかなかおらん。
 目の保養は必要だし、それに彼とはお笑いの話も出来るし居心地がいい。彼が大切にしているアンジョーを傷つけるという行為は、教師同士の友情にまでヒビが入る可能性がある。

「ご、ごめんな、アンジョーちゃん! この話は終わりや。山場先生が怪我してるのに変な話してごめんな。とりあえず、AIタクシーで先生の行ったAC病院まで送るさかい」

「……ありがとう、ございます……」

 アンジョーはそのまま涙を堪え、ノゾミに小さく一礼して保健室を出た。

 完全に背中を向けてタクシーを呼んでいたノゾミは、アンジョーがドアの後ろで浮かべていた不敵な笑みに全く気づいていなかった……。



 ー3ー

「――で、何故ノゾミは不貞腐れているんだい?」

「当たり前や! アンジョーにしてやられたんやで。心にがっちり鍵かけて『聞こえない』ようにするなんて。あれはほんまに14歳かいな」

 ぷりぷり頬を膨らませて怒るノゾミの言い分に、高畠理事長は大きなため息をついた。自分で勝手に学園の生徒の心をのぞき見しようとしたが、失敗したと言っているのだ。
 己の私情による犯罪行為で、かつそれについて文句を言われても同情どころかかける言葉も見つからない。

「……ノゾミ、君はどうしてそこまで山場先生とアンジョー君について拘るんだい?」

「……羨ましいねん」

 ぽつりと呟かれたノゾミの言葉に、思わず息が詰まる。

「ボロ―と一緒に住めるなら住みたいねん。でもな、ボロ―はど偉い理事長やし、うちはただの保健室のおねぇさん。もしも、一緒におったら問題だらけやろ」

 きっと彼女は山場とアンジョーが幸せな蜜月を過ごしていると誤解しているのだろう。だが、2人が何故一緒に生活をしているのかと言う事は政府からのトップシークレット扱いとなっている。

 アンジョーがブルガリアから帰国子女としてAC学園に飛び級で入学してきたのも、山場の家で引き取られているのも、全て理事長権限ではなく、政府が決めた事だ。
 山場がこの学園で働く事と、アンジョーを14歳だがAC学園に入学させて欲しいという事は既に以前から決められていた話。
 
 己の立場が理事長でなければきっとノゾミと一緒に住む未来もあっただろう。けれども、ノゾミはAC学園に必要な人材だ。彼女なきにして保健室は稼働できない。
 どう言葉を返して良いか悩んでいるとノゾミは泣き顔を笑顔に変えて腹を抱えた。

「ほんま、ボロ―にはカンサイベンもジョークも通じんなあ。ええよ、うちはボロ―が一生懸命に働いている姿を、この保健室から見つめるだけで幸せやから」

「……ノゾミ」

「うちが山場先生と仲良くしてる姿を見て、少しは妬いてくれた?」

「……あぁ。嫌って程な」

 我ながらノゾミの仕掛けた罠に即答して大人げないと思ったが、いつも楽しそうにノゾミと色々な話しをしている山場に嫉妬したのは間違いない。案の定、ノゾミは幸せに溢れた満面の笑顔を理事長へ向けた。

「うん、それだけで十分。100点や」

 
 結局、噂の山場先生とアンジョーの同居の理由について全く聞く事は出来なかったが、ノゾミは愛しいボロ―理事長の嫉妬したという本音を聞けて満足していた。

                            (了)


 愛故に書いた三部作【if タカバタケ】学園モノラブコメでした。
 PJさんが望んでいたノゾミのハッピーな話を混ぜてみましたがどうでしょう(ビクビク)
 ですが、本編が全年齢対象なので、全年齢対象の如くイチャコラも何もございません!!!!(´;ω;`)ウッ…
 胸きゅん手前くらいで終了させてみましたが、どうでしょう。

 ※勝手に二次創作、ファンの皆様から怒られそうですがヤマバ・アンジョー愛が強すぎるので赦してくださいm(_ _"m)

 というわけで、本編の応援よろしくお願いします💛
 読書感想文は7月31日まででございます!

 あ、スキ400突破おめでとうございます(∩´∀`)∩♪
 イケメン若いヤマバに萌えまくりです。これで明日も仕事頑張れる(`・ω・´)キリッ

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