【#3】Dr.タカバタケと『彼女』の惑星移民【創作大賞2024参加作品】
【本編連載】#3 脳内時計が11:00のシグナルを発した。休憩の合図だった。
本来なら働いている時間だが、今日は休みだ。
「残り55日……」1人そう呟きながら、自室で地球文化遺跡についての調べものをしていると、扉がベルもなしに突然開き、かつての研究室仲間のアンジョーが入ってきた。
「Dr.タカバタケ!」
その耳に刺さるような高い声には、不穏な響きがあった。
「アンジョー、外部回線は切れているし、公の場でもない。いつも通りノボーでいいよ」
アンジョーは頭を振りな