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これが日本人なのか

 私はオリンピックにおいて観る競技がかなり限定されている。ただ、好き嫌いの問題ではなく、単純に夜中起きていられない仕事に差し支えるという単純な理由だ。

 一番好きなのは「バレーボール」「バドミントン」「柔道」「体操」今回はないが、「レスリング」はめちゃくちゃ好きで、吉田沙保里様をテレビで拝見すると心がうっきうきになるくらい大好きだ。もうひとり、濱口京子様も忘れてはならない。あのほんわか天然で可愛いのにお父様の芸をしっかりこなすところ、可愛すぎますよね。

いつき@暮らしが趣味 様より引用


 今日は私が応援し続けた「柔道」について触れたいと思う。

 日本人は他の国と違い「愛国心」はあれど、「ハングリー精神」が低い。某国に至っては勝たなければそこで選手生命が終わりだったり、壮絶な叩きにあいメンタルをやられる人が続出するくらいだ。
 そう考えると日本という国は寛大で、「私達の想いを背負ってオリンピックという大舞台で世界の人と戦っている!」という応援する気持ちの人が多い。私もその一般市民Aのひとりだ。ヤワラちゃんの頃からずっと柔道を応援し続けてきた。

 今回阿部兄妹が柔道界において兄妹2連覇という大偉業を達成しようとしていた。勿論、数年前からメディアは騒いだ。正直、兄はあまりフューチャーされず、どちらかと言えばメディア慣れしている詩ちゃんの方がよくテレビで声を出していたと思う。それくらい、兄は自分の柔道に対してストイックだった。
 いつかのテレビで彼がトレーニングをしている姿、二か月間同じ自作メニューで体重コントロールをしている姿をみて、絶対無理。と私は首を振った。
 勿論、詩ちゃんも一緒だ。あまり大っぴらに言われていないが、彼女も体重管理前は大好きなメニューを「食べおさめ」している。自分のトレーニングについては多く語られていないが、彼女もあの体重を維持するべく相当なトレーニングをされている。

 私も期待した。阿部兄妹は大好きな柔道家だ。詩ちゃんは得意の技で敵なしと思われていた。寧ろお兄ちゃんの方が数年前は少し危ない場面も見られたので(体幹がしっかりしていないと決まらないあの技です!)そう考えると一二三さんはものすごい成長をしたと感慨深い。

 そして運命の日。詩ちゃんは世界一位の選手に負けた。
 あの日、何が起きたのか私もわからなかった。勝負は一瞬だ。柔道はそういう競技なので、ほんの一瞬が全てを左右する。
 先の2手で有効の判定が無かったのももしかしたら詩ちゃんを動揺させたかもしれない。そもそも、詩ちゃんはあれだけ有名な選手だ。研究しつくされてなんぼだ。敵側だって相手の技、得意分野、どうせめてくるか警戒するに決まっている。
 それを、負けたからというだけでいきなり手のひらをひっくり返して罵倒の荒らし。

 これがあるから、日本人のオリンピックに対する熱意が低いんですよ。

 金メダル取らなかったら意味がないのか?
 金メダルは重い。国民の希望を背負っているから重い。

 でも、それ以前にあの場所に立ちたくても名前すら上がらずに立てなかった億以上のプレイヤーがいるわけですよ。その人たちの想いも背負って彼(彼女)らはあの舞台に立っているんですよ。

 何も知らずに誹謗中傷する奴は「じゃああんたは変われるのか?」と問いたい。無理だろう、何年も何年も大好きなものを我慢して、友達との青春も我慢して、全てを競技人生に掲げてきた彼(彼女)らの気持ちが分かるものか。少なくとも、私は無理だ。とても変われない。重いんだ、重すぎるんだよ背負っているものが。
 例えばチケットを買ってつまらない試合を見せさせられて「こっちは金払ってるんだからもっとやる気だせ!」と野次るのとは全く違うんですよ。

 ネットで騒いでいるだけの人間は自分が有名になりたいのか?その人の上に立ってマウント取りたいのか?競技の過酷さにミリも触れた事のない人間が、全てを「何やってきたんだ」と否定するのは間違えている。

 確かに彼女はあの場面で号泣した。アスリートとしてあるまじき行為だったかもしれない。それでも、彼女が我を忘れて歩けなくなるくらい泣いた。理性なんて吹き飛ぶくらい悔しくて現実が理解できなくて頭の中はごちゃごちゃだったろう。
 あれだけストイックに練習してきた人が、あそこまで我を忘れるくらい、オリンピックには魔物が潜んでいる。
 阿部詩を倒す。勝ちたい。そこに絞って練習を積み重ねてきた選手が多い中、あの試合は本当に何故決勝戦じゃなくてココ!?と思うような場面だった。

 彼女はメダルを取れなくてごめんなさいとつぶやいた。兄は詩ちゃんがどれほど過酷な道のりを、重いものを背負い一緒に戦ったか知っている。
 本当に一二三さんは心も身体も顔もイケメンだ。また4年後に、詩ちゃんは心を強くしてこの舞台に戻ってきて欲しいと切に願う。

 私は彼女がまた一回りも二回りも強くなり戻ってくると思っている!


いつき@暮らしが趣味 様より引用


 次に「体操」
 私は橋本大輝くんをリスペクトしている(いきなり推しへの愛)

 彼は内村帝王が君臨している時代からの競技者であり、『内村二世』という実に不名誉な称号をかけられていた。それほど、内村帝王は強かった。
 惜しくも彼がご勇退なさった事で、突然橋本くんに日の光が猛烈に降り注いだ。当時から内村帝王は橋本くんをリスペクトしまくっている言葉があちこちに漏れていた。
 彼の鉄棒は綺麗、の一言に尽きる。難易度の高い技を繰り出し、最初から最後まで綺麗な演技。そして練習は当たり前だがストイックの骨頂。

 彼の推した言葉は私のメモ一番上にいつまでも残されている。

努力に勝る天才はなし

 彼は内村帝王の二番煎じと言われ続けた事を悔しい思いと、絶対に抜いてやるという強い意志で努力に努力を重ね、ついに内村帝王という『天才』を抜いた。
 多分、この言葉の由来は自分のしてきたことの全てを表現している気がする。それくらいこの一言にパンチ力がある。

 橋本くんはオリンピックの大舞台に向けて相当練習をこなしていたが、中指のマメをつくり、思うような演技が出来ず喘いでいた。
 体操の世界でマメの痛みは尋常じゃない。しかも体操は見た目華やかだが、失敗すると大けがやそれだけで選手生命が終わってしまうほどの過酷さが伴う。
 彼の難易度はFやG。アルファベットで表記してもさっぱりわからないが、実際に演技を見てみると一瞬手を放して空中で身体をひねって反対の手でつかみ、今度は反対周り??
 幼少時代の鉄棒で逆上がりすら満足にできなかった自分が、妄想をひねり出しどういう原理か考える。
 まず手にかかる負担。いったん放してまた掴む。物理的には可能なのかもしれないが、この人達は空中で回転してるんですよ。
 どう見ても人間離れしているような大技の連発に息をのむしかない。
 そして橋本くんは団体戦で落下した。王者の陥落にまたSNSが騒ぐかと思いきや、チーム体操は違った。みんながみんな鼓舞する姿に、エースとして長年体操界を引っ張ってくれた橋本くんは最後の鉄棒で奮起した。
 豆の痛みを考えると涙しかでない。彼は金メダルの為に技を1つ減らしたという。それでも、それでもあの感動しかない演技だ。着地も本人としては絶対に満足のいくレベルではない。試合中はアドレナリンが出ているから何とかなるかもしれないが、後のことを考えると不安も残るが。

 本当に感動をありがとう!!としか言葉が出ない。

 今回金メダルを獲った岡くんの為に喜び泣いた橋本くんの涙を私は忘れない。4年に一度、誰が頂点に立てるかなんてわからないし、連覇がかかると選手人生を考慮して今回は狙いたかったはずだ。それでも彼は全力で岡くんを応援し、後輩の成長に喜び涙した。

 イケメンすぎるだろう。橋本大輝!!!!
 彼は顔もメンタルも言動も身体もイケメンです。これからも、彼の綺麗な演技を追い続けたい。

 我が家は新聞をとっていないので、こっそり職場にあった体操の記事を自分の看護師スペースに置いていたら後輩にさっさと片づけられてガチで泣いたのは秘密です。(私物じゃないので持ち帰りはダメだよ)←買えよ。



 どうでもいい話ですが、身体を必ずリスペクトするのは私が変態であるが故ですね。ここにバレーの話もぶっこみたいのですが、愛すべきラブラブ奥様がいらっしゃる某方の話を書いても気持ち悪いだけなのでやめます。

 

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