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創作大賞2024感想文「漂着ちゃん」


 本日は恐れ多くも自分が対価を支払うべき言葉を放ってくれる作者さんの作品を読んできました。
 私のような日本語すら危うい奴が感想を書くことがおこがましいのですが、それでもどうしてもこれをお薦めしたい。

作品名 「漂着ちゃん」
作者様 山根あきらl妄想哲学者 様

※ちなみに、二話以降~リンクが載っていなかったので、読む方は第一話からリンクで飛ぶしか方法がありません!

 まず、パンチ力のありすぎる絵ですよね。
 この絵をどこかで拝見した方は相当いらっしゃると思います。もうこの謎だらけの女性画像だけで興味が惹かれます。イラスト集にもいっぱいあるよ!結構おぱい攻めてるものもあって正直びっくりしました。こ、ここまで攻めてもオーケーなのね!勉強になるわ(( ..)φメモメモ
 
 作品は作者様が兼ねてから色々仰っているように「余計なものを最大限」省いたものになっております。
 以前私が人が飯食ってる描写やつまんないものだらだら見せられても~とぼやいてましたが、山根さんはそれを代弁してくれました。
 もうね、本当に好き。普通の人が腹の底に抱えて絶対に言わないような事を全部出してくれてました!!!


 まずキャラ名が非常に少ない。これ有難い……ファンタジー部門と言うだけに、たくさん出てきたらどうしよう?と思っていたものが、非常にあっさり。
 そして展開があれよあれよと変わっていく。
 問いかけをする小説(しかもファンタジー部門だがちょいちょい恋愛要素あり)はかなり珍しい。
 そして1話1話の展開があまりにも想像を超えているものでいい意味どころか全部裏切られている状態←これは私の推測力が足りないからw

 漂着ちゃんいっぱいある、結構長いのかな~と思っていたら構成力が半端なく収まっているので、1画面で読み切れる。画像がある分若干私の携帯が悲鳴を上げたが、それでもパソコンだったら瞬間的に情報を吸収できるだろう。

 すいすいと20話まで読み進めて、3度目の衝撃を受ける。(1度目、2度目の衝撃は読者なら理解してくれるだろうと思うので割愛)この間にもう一回軽い衝撃はあったが、これは確率論であり得る話だな、と思ったので自分の中で腑に落ちた。
 23話で選択を迫られる。ファンタジー部門なのに推理小説のような問いかけをされている気分になった。
 26話でエヴァの女としての本音が漏れる。自分の中で2つの過程を考えたが、どっちも違ったw
 28話で5つの「if」そしていいことと苦しみの同居。またここでも仕掛けが・・確かに振り返るとファンタジー
 29話。修羅場!?と思いドキドキしながらスクロール。所長はやっぱり全てを悟っていたので、そうきたかと思ったら

 30話でまた展開を裏切られたwwww(何敗だ!?)

 いや、読者をここまで痛快に裏切るのは素敵すぎる。想定外の方向に進んでいくんですけど、全部が繋がっている。悔しいくらいうまい。

 パソコンの前で「まぢかよw」と思わずぼやいてコーヒー飲んでました。

★【面従腹背めんじゅうふくはい
  表面だけは服従するように見せかけて、内心では反対すること。

 31話で浮上するまた新たなる黒幕!?

 32話
 聞きなれない言葉はとにかく調べる!


★パノプティコン
 18世紀の建築家が考えついた、人々を監視するためにもっとも理想的な建物のことです。 監視や支配について考えるために、あるいは、よりよい精神医療のかたちを模索するために、多くの思想家に示唆をあたえました。

グーグル先生より

 これの比喩がパノプティコン。なかなか斬新だ……なんか賢くなった気分♪
 あれ、ラストでまた伏線が・・・

 33話、「飛び散っていた」このラストの例え!!生々しい表現を極力省いた表現、凄い好き。って言ったら妄想しまくってるのがばれるなあ。

 35話、笑顔がまったくなかった、という言葉にモヤモヤ。(また罠がありそうな予感)

 38話のラストを見て「ええ、また裏切られるw」とわくわくする。

 41話
★カッサンドラ→悲劇の予言者として知られる。
 あ、最後まで語らせてあげて(ぁ

 44話でいきなり20年後!
 46話でまた展開が

 いや、もっとすごいのが、落としどころがたまげた。
 ラストのとあるシーンはホラーかと思いました。この短い文章でこの強烈なワンシーンを紡ぐのは凄い。そしてその場に居た彼(彼女)らの表情や想いまで汲み取れる。
 記憶が途切れた後のシーンは最初に戻るのでしょうか。最後の最後まで読者に「if」を投げかけてくれました。

 ファンタジー部門で、オールジャンル部門にも投稿なさってます。
 でも恋愛要素もあり、SF要素もあり、最後はまさかのサスペンス劇場。
 
 読者の期待を小気味よく裏切る手法、大好きです。
 この私がオススメする「小気味よく裏切る」という書き方が決して正解だとは思っておりませんが、他にいい言葉が出ません。ごめんなさい。
 本当にこういうやられた!感が好きです。
 まして、この設定は間違いなく他にはない。
 読み進めて先がどうなるのか全く予測不能なまま最後まで楽しませて頂きました!

因みに、20話、30話、33話、35話、40話、49話、50話が好きです。

 斬新な設定と、余計な部分を全て省いた短い言葉に凝縮されたストーリー、所々難しい言葉があったので、そこはグーグル先生に質問しながら読み解かせていただきました。
 
 50話って書いてるからどんだけのボリュームだ!?と思いましたけど、全然サクサクいけちゃいましたね。その話によって微妙に違う漂着ちゃんの絵にゾクゾクしました💛

 最後に、素敵な作品をありがとうございました。
 恐れ多くも、ついに感想書いてしまった。

 だって、ここまで裏切られたら気持ちがいい。この構成力は絶対に勧めたい!!!



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