官能ショートショート「義父と台所で」

「響子さん、台所の隅でこそこそ何をしているのかね?」
「あ! 義父さま、べ、別に、何も……」
「ん、どれ、どれ、見せてごらん、響子さん」
「あっ、だめです、義父さま!」
「ほう、これは、これは……りっぱなキュウリだね……ふふ、まさか京子さんが、こういうことをするとはね、思いもよらなかったよ……」
「いえ、これは……」
「いや、なに、そんな恥ずかしがることはないんだよ……思い出すよ、死んだ美佐江も同じようにやっていたのを……」
「え、お義母さまもですか……?」
「ああ、あいつは、それはそれは熱心にやっていた。あのときの後姿を思い出すよ……ん、それで響子さんはいつからこんなことをやっているんだね?」
「せ、それが、始めたばかりで……」
「本当かね? 嘘をついてはいかんぞ……これは始めが肝心なんだ……ふふ、どれ、私が手伝ってあげよう」
「いえ、お義父さま、そんな……」
「いいから、いいから、私も美佐江の手伝いはしたことがあるんだ、ほら、貸してごらん」
「そんな、ああ、お義父さまの手が汚れてしまいます」
「いいんだ、いいんだ、どれ、響子さんの奥の具合はどうなってるのかな?」
「本当に、大丈夫ですから、お義父さまにそんなことをしていただたなくても、自分でしますから、ああっ!」
「ほう……懐かしい匂いだ……どれ、中はどうなっているのかな……? おお、驚いた、こんなぐちょぐちょとはね……やはりまだ若いな響子さん……水分が多いよ……ふふ……」
「そ、そんな……」
「響子さん、今が大事なときだよ、今はこうやって毎日のように奥からかき混ぜないとね……しばらく私に任せなさい……ほら、どうだい? 私のやり方も満更ではないだろう?」
「ああ、お義父様、すごいです! お義父さまがこんなことなさるなんて!」
「まあ、昔取ったきねづかだよ、ふふ、今度から私がいろんなことを私が教えてあげるからね、ふふ」
「お願いします、ああ、でも、このことは信也さんには内緒にしてください」
「わかった、わかった……息子には黙っておくよ。安心しなさい」
「ありがとうございます、お義父さま。私、早く、信也さんの大好物の美味しいキュウリの糠漬けが作れるようになって、信也さんを驚かしたいんです!」

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