官能ショートショート『テイスティング』
女がアイマスクをした男に言った。
「フランスワインよ。銘柄は秘密。でも同じ銘柄で、収穫した年が違うだけ。その差はちょうど10年。1986年と1996年。これがどちらか当ててみて」
「いいよ」
男がうなずいた。
女が持っていたボトルをゆっくりと傾ける。
赤い液体が、女の脚の間の濃い繁みにぽたぽたと落ちる。
男が女の太ももを押し開き、その中央に顔を寄せる。
鼻先を繁みの近づける。
一度首をかしげる。
「粗野だな……上品さがない……もう少し垂らしてみて……」
今度は糸のように液体が