学校では教えないから、あなたが子どもに教えてほしい『作文の書き方』

【はじめに】

読書感想文と並び、作文も好きな子どもはいないと思います。
こんな私も昔はそうでした。
「今から作文を原稿用紙2枚に書きなさい」なんて先生から言われたら、到底不可能に思える課題でした。
どうしてそう思うのでしょう。
それはどう書いて良いかわからないからです。
どうして学校では文章の書き方を教えないのでしょう?
三角形の面積の出し方は教えるのに。
教えてもらってないことをやりなさいというのは、苦行に近いものがあります。
私が文章をそれなりに書けるようになったのは、いい歳になってから独学で勉強したからです。
何事も勉強しなければ習得できないのに「作文」「読書感想文」「論文」等の書き方は学校では教えない。
「九九」の覚え方があるのに、一桁同士の掛け算を独学で暗記しろ、と言っているのと同じです。
子どもたちが苦手意識を持つのは当然のことです。
そんな子どもたちのために、そんな子どもを持つ親のために、学校では教えない作文の書き方を教えていきます。
もちろん作文には「正解」というものがありません。それが難しいところでもあります。
でも、このやり方を使えば、コンクール入選まではいかなくても、それなりに大人から「上手いなあ」思われると作文が出来上がると思います。

子どもたちに「運動会の作文を書きなさい」と言ったら、十中八九、次のような文の羅列になります。

≫今日運動会がありました。
≫ぼくは100メートル走に出場しました。
≫初めて1等になりました。
≫とてもうれしかったです。
≫お昼はグランドでみんなでお弁当を食べました。
≫とてもおいしかったです。

その日あった出来事を延々とダイジェストのように書いて、最後に感想で終わる。
作文とは何か、と言われれば、「出来事とそれに対する感想」ですから、あながち間違っているとは言えません。
でも、通常の作文の課題なら、原稿用紙2枚が最低ラインです。
この方法だけで原稿用紙2枚を書くのは、何も深く考えなくても書けるのはいいのですが、幼稚だと思われ、評価も下がります。
でも、まず、この誰もが書いてしまうシンプルな文が出発点です。
この状態から始め、最後は「上手いなあ」と思われる作文にしていきます。
それでは最初簡単にその手順を紹介します。

【ステップ1・起きた出来事を順に書く】
【ステップ2・その中からひとつの出来事にしぼり、それを更に細かく起きた順に書く】
【ステップ3・起きた出来事に、そのとき思ったことを書く】
【ステップ4・見たことを書く』
【ステップ5・五感で感じたことを書く】
【ステップ6・今までの出来事を振り返って、総括的な感想を述べる】

となります。
では具体的に実践してみましょう。

【ステップ1・起きた出来事を順に書く】

これが基本です。
箇条書きでもいいので、その日の出来事を書いていく。
前の文をそのまま利用しましょう。

≫今日運動会がありました。
≫ぼくは100メートル走に出場しました。
≫初めて1等になりました。
≫とてもうれしかったです。
≫お昼はグランドでみんなでお弁当を食べました。
≫とてもおいしかったです。

まずはこれでいいでしょう。

【ステップ2・その中からひとつの出来事にしぼり、それを更に細かく起きた順に書く】

次は、その日起きた出来事の中で一番心に残ったものを、ひとつ選びます。
そして、その選んだ出来事を更に細かく細分化して、また「起きた順に」書くのです。
例えば今回は、100メートル走で1位になったことを選んでみました。
では100メートル走の場面を今度はもっと細かく書いてみます。

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