保育士は「辞めた」のではなく「諦めた」
こんにちは、河北です。
ずっと保育士をしていました。
保育士がだいすきだったんです。
子どもも可愛くてしかたなかった。
でも、
働いても働いても報われないし
子どものことを考えれば考えるほど
自分のことはおざなりになっていくし。
この生活の延長線上には、
どう考えても自分の幸せは見えませんでした。
今はフリーランスのコーチとして活動をしています。
対話を通して、クライアントさんの人生を一緒に考える仕事です。
「なにが辛さの引き金になっているんだろう」
「どうすれば自分を犠牲にせずに働けるだろう」
「ワクワクするのってどっちだろう」
「どうすれば幸せに生きていけるのだろう」
こんなことを日々ぐるぐると考える、とても幸せな生活を送っています。
ゆるやかに心地よく働けています。
保育士が大好きだった
数年前の自分は、まさか自分が保育士以外の仕事をするなんて思ってもいませんでした。
たしかに、お金や体力、時間…これら表面上のことだけを考えると、保育士をよりも理に適った仕事や働き方はたくさんありました。
だけど私にはスッパリと保育士をやめられない根深い問題があったのです。
それは、保育士が大好きだ、ということ。
私の細胞の99%は「保育士」で作られていました。
この業界を離れることも自分がそれ以外の仕事をすることも、それは自分が自分ではなくなる感覚。
自分のアイデンティティが崩壊するようで「保育士ではない自分に価値はないんじゃないか」とさえ感じていて。
「辞めればいい」とどれだけ言われてもしがみ続けました。
自分の価値を保育士以外では見いだせなかったのです。
だけどいくら考えても、自分が保育士を続けることと自分の幸せをイコールでは結びつけられなかったのです。というか、保育士を続けることは自分の幸せから遠ざかることでもありました。
大好きな保育士より自分の幸せを優先した
「なにが辛さの引き金になっているんだろう」
「どうすれば自分を犠牲にせずに働けるだろう」
「ワクワクするのってどっちだろう」
「どうすれば幸せに生きていけるのだろう」
こういう問いって、なんとなく頭に浮かんだことがあっても忙しさがドドドッと押し寄せてきて、とおくの方へ追いやられてしまっていることが多いのではと思います。
少なくとも私はそうでした。
重要な問題のような気はするけれど、そんなこと考える時間も体力も余裕もない。考えることをずっとあとまわしにしてきました。
だって生きているだけで、働いているだけで、悩みって滝のように降ってくるじゃないですか。
上司のあーだこーだとか、保育のやり方がどうちゃらこうちゃらとか、転職するとかしない、とか。
このような目先にある問題を対処する毎日で、本質的な部分と向き合うことは避けていたように思います。というか腰を据えて向き合う時間なんてなかった。
だけどある時気づいたのです。
目先の問題を解決しつづけても、なぜか私は苦しいまま。ぜんぜん前に進んでいないし、幸せになれなかったのです。
そしてそれらの問題とセットでぶち当たる問題はいつも同じでした。
保育士を続けるべきなのか
この先どうしたいと思っているのか
なぜ私はじょうずに生きられないのか
自分のことなのに自分が本当はなにを考えているのか全然わかりませんでした。
本当はなにをどうしたいのか全然わかりませんでした。
ただ、わかっていたことがひとつだけあります。
「このままじゃ、マズイ」
保育士を続けるとか続けないとか
多分問題はそこじゃない。
そんなのどっちだっていい。
このままだと、なにをしてもなにを選んでも
私はわたしを幸せにしてあげられない。
だから私は”自分のことを考える時間”を買いました。嫌でも自分と向き合う時間を作りました。もっともっと本質的な部分を、本気で考えなければいけない環境を作りました。
私は自分の幸せに大金をはたきました。
10時間乗る車と720時間過ごす自分
2年前、ぴかぴかのタントを80万円で買いました。
週に2日しか乗りません。1ヶ月で車に乗っている時間は10時間にも満たないと思います。
いっぽうで私は、私自身と1ヶ月に720時間も過ごします。
これから先の人生もずっとずっと自分と一緒に過ごしていきます。
はたして私の幸せはタントと比べてどうなのだろうか。
あなたの幸せはどうなのでしょうか。
私たちの幸せは、80万円あっても買えないはずです。
たとえば80歳まで生きるとして、私はあと50年も生きることになります。
50年分の幸せですから。
保育士は「辞めた」のではなく「諦めた」
私は決して安くないお金を払い、腰を据えて自分の幸せを本気で考えはじめました。
そして、保育士を続けることはなんの幸せにもならないことがわかりました。
いや、わかっていたけれど自分1人じゃ断ち切れなかったのだと思います。
保育士は大好きだったけれど、自分のアイデンティティだったけれど、長い時間をかけて保育士以外の私も私として生きていけることを知っていきました。
保育士としてキャリアをつまなくても大丈夫だし、それ以外の仕事でもちゃんと価値を見出せる。
こうしてフリーランスのコーチになりました。
「保育士をやめた」というか「諦めた」という表現の方が近かったと思います。
近かった、というかそれです。諦めたんです。
自分の幸せのために、私は保育士を諦めたのです。
例えばこの先、私が保育士に復帰する日がきたとしても、それは自分の幸せのためのひとつの手段にすると思います。
仕事や働き方など、そういった外側の部分から考えるのではなく、本当の自分がなにを思っていて感じていて、どういう未来を作っていきたいのか…
ここの本質的な部分から考えてみると、おのずと「本当はどうしたいのか」がわかる日がきます。
それは今日かもしれないし、数年後かもしれない。
だけど、向き合い幸せを追求し続けているうちは、どんな形であっても必ず近づいていきます。
*
私はあのままずっと1人で考えていても、本質的な問題は解決しなかったと思います。
1人で何年も考えて解決しなかった問題は、この先5年たっても10年たっても解決しない。
きっと解決できないままの私は、保育業界になんとかしがみついて自分をごまかしながら、「なぜ働いているのだろう...」ともんもんと過ごしていたと思います。
もっというと、自分を嫌いになり続けて自分を犠牲にする毎日を送っていたかもしれません。
そんな自分の姿が悲しいほど簡単に想像できます。
あなたの悩みが1人では解決できそうにないものなら、誰かを頼ってみるといいと思います。
私が力になれそうなら、ここから連絡してくださいね。
一緒に考えましょう。
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