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心が疲れた大人に読んでほしい漫画『ドラえもん』

”人にできて、きみだけにできないなんてことあるか。”
出典:藤子・F・不二雄『ドラえもん第1巻P190』

仕事でつまずくたびに何度も助けられてきた言葉。漫画『ドラえもん』には、日々を一生懸命生きる大人に響く名言がたくさんつまっています。プライベートがうまくいかず、何もかもが嫌になった日も私を救ってくれたセリフがありました。

「ちょっと疲れたな」「今日はもう何もしたくないな」と感じている大人のみなさん。ちょっと休んで『ドラえもん』を読んでみませんか?

ストーリーを楽しめることはもちろん、注目してほしいのはキャラクターを通して伝えられるメッセージです。癒されたり、ハッと気づかされたり、ときには涙したりと感情を揺さぶられ、読んだあとは気持ちがすっきりします。

ドラえもんを好きになって数十年、大人だからこそ楽しめる『ドラえもん』の魅力をご紹介します。

耳のないネコ型ロボット

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『ドラえもん』は作者の藤子・F・不二雄の手によって描かれたSF漫画です。2020年に、連載開始から50周年を迎えました。連載が終わってからもアニメや映画などの映像化で作品に触れられる機会が多く、子どもから大人まで幅広い層から支持されています。

主人公のドラえもんは、22世紀に子守用としてうまれたネコ型ロボット。勉強とスポーツが苦手な少年・のび太に降りかかる不幸な未来を変えるため、タイムマシンに乗って未来からやってきます。

私が初めて『ドラえもん』に出会ったのは、小学生のときでした。のび太の部屋にある机の引き出しから、ある日突然ロボットがあらわれるという設定。ネコ型なのに耳はなく、おなかについた四次元ポケットから飛び出す、未来で発明されたひみつ道具の数々に夢中になって読んだのを覚えています。

ドラえもんの相棒となるのび太は、「特技は昼寝」と答えるくらいちょっとなまけ者な小学生。私も昼寝が好きで、子どもの頃はのび太に自分を重ねて楽しんでいました。

それが大人になったいま、違う視点で読んでいることに気づきました。『ドラえもん』のなかには、大人になったからこそ理解できる名セリフがたくさんつまっていたのです。

ドラえもんは名言の宝庫

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『ドラえもん』に出てくるセリフは、まるで自分に言ってくれているような感覚になるのが不思議で、魅力です。

たとえばドラえもんがのび太に放った言葉。

”なやんでるひまに、一つでもやりなよ。”
出典:藤子・F・不二雄『ドラえもんプラス第2巻P152』

仕事がうまく進まず、どうやって解決しようかと悩んでいたときに、スッと入ってきた言葉です。私にとっては希望の光のようなものでした。やらないでいるより、やったほうが何かしらの答えが出る、と考え方が変わるきっかけになりました。

ピンチのときはひみつ道具を使って救ってくれるドラえもん。まだ子どもだった頃は、夢のつまったひみつ道具そのものに心が惹かれました。しかし大人になってから読むと、セリフのひとつひとつが自分を救ってくれる道具なんだと気づきました。

”世の中はなにかほしいと思ったら、そのためにそれなりの努力をしないといけない。”
出典:藤子・F・不二雄『ドラえもん第42巻P18』 

道具に頼りすぎてはいけない、とドラえもんはいつも言います。ただ使うのではなく、問題解決のための糸口を見つけたり、学びを発見したりするために道具を使ってほしいのかな、とセリフを読むたびに感じます。

子ども時代はなにげなく読んでいた漫画に、これほど自分を揺るがすセリフがあったのかと驚きました。他のキャラクターが発する名言も多く、人生、恋愛、友情、家族について……と幅広く、『ドラえもん』の中にはさまざまなセリフが出てきます。

種類の豊富さから、名言集も出版されるほどです。


「漫画を読むことに慣れていない」「読む時間を確保できない」という人は、名言集から読んでみるのもおすすめです。テーマ別に分けられているので、「これだ!」と思うセリフが見つけやすいです。

それでも漫画が苦手だという人には、まずはアニメや映画などの映像作品から『ドラえもん』の世界に触れてみてください。アニメは毎週土曜日に放送、映画は年に1回くらいのペースで公開されています。

映像作品に触れる際には、ぜひ声優にも注目してみてください。メインキャラであるドラえもんの声優は2005年から水田わさびさんが担当されていて、それ以前は1979年から大山のぶ代さんが26年にわたって演じていました。

耳からセリフを受け取ることでまた違った印象があり、漫画とは違う楽しみ方ができます。自分の好きな言葉を探して、ピンチのときに使えるひみつ道具のように、いつでも思い出せるとっておきにしてほしいなと思います。

そしてドラえもんの世界にもっと入り込みたいと思った人は、ぜひ漫画を手にとってみてください。今ではレトロに感じる作画も味があり、当時読んでいた人は懐かしさ、今の時代を生きる世代には新しさを感じられるはずです。

心の余裕をもつ大切さ

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好きなセリフのなかで、のび太が部屋で寝転びながら口にするものがあります。

”いっしょうけんめいのんびりしよう。”
出典:藤子・F・不二雄『ドラえもん第8巻P14』

ちょっとなまけ者なのび太らしいセリフにくすっと笑え、じわじわと身にしみるものがありました。「日々の生活に追われ、余裕がなかったんだな」と、ハッとした瞬間です。

心がもやもやするときには漫画や名言集をひらき、一度リフレッシュする時間をつくっています。『ドラえもん』を読んで、余裕をもつこと、少しでものんびりする時間をつくることの大切さに気づけました。

心の休息が必要だと感じたとき、ぜひ『ドラえもん』を読んでみてください。励まされたり、ときには叱ってくれたり、背中を押してくれる言葉がつまっています。そして読むときには、のび太のように寝転がって、からだもリラックスさせてみてくださいね。

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