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「平和だよ」と「問題ないよ」と「OK」を気軽に信じない

昨日の私が得た教訓。


昨日は約1ヶ月振りに配属先へ。
帰れたとはいえ治安には気をつけなければいけない私は、会う人会う人に「今ディレダワは平和?」と聞きまくった。皆口を揃えて「サラームノゥ!チッグレ イェッレム!(平和だよ!問題ないよ!)」と言いきる。

ふむ、そうかそうかと思いながら4・5人に「カバレも全部いけるかな?」と聞いてみる。カバレとは、市の下にある区みたいなもの。それぞれに地域オフィスがあり、意識して訪ねるようにしているのだ。
特定のカバレでは暴動やデモが起こりやすいことは、この10ヶ月で学んでいる。

「チッグレ イェッレム、フルム ティチャラレッシュ!(大丈夫、全部行けるよ!)」
複数人に聞いてそう言うなら行けるだろう。地域オフィスにも顔を出さなきゃな。

これが、昨日の午前の話。

午後は上司と今後の活動について話をしていた。詳細は別のnoteに譲るけど、「もっと主体的に動いてほしい」と私が言ったことから強めの言い合いになりまして。

―これもこれも進んでないけどどうやって目標を目指すの?
「だってここ2週間くらい治安が悪かったから職員が全然きてなくて、仕事が進んでないんだよ。」

…ん?
聞いてた話と違うぞ。

JICA事務所から、「配属先などは今はもう落ち着いていると言ってます」と10日前くらいには聞いていた。それでも国連の安全会議が「もう少し様子を見ましょう」と言ったので今回の長期退避になったのだ。

ここ2週間って、あなたたちが「安定してる」って言ってた期間よね??

そこから問い詰めた。

結果、市場周辺ではまだ暴動が起こりやすく一部市場はまだ閉まっていること、治安維持が市管理職の最優先事項になっていて本来の仕事(雇用促進・企業支援)どころじゃないことなどを話してくれた。

あなたも朝「サラームノゥ、チッグレ イェッレム」って言いましたよね…。

治安維持が最優先なのは分かるし、最初からそう言ってくれれば話し合いのスタンスも変えたのに…。

と思いながら帰宅した。
「平和だよ」と「問題ないよ」は信用したらダメやな…。


話はここで終わらなかった。
むしろここからが本番。


帰宅後、調整員さんから電話があった。

「あの、配属先から電話があったんですけど…なんか、『タノイさんが危険なカバレに行きたいって言ってるんだけどしばらくはやめた方がいいからJICAからも止めてくれ』って…」

…え。

―確かに言い合いしたんですけど、私、「もっと主体的に動いてほしい」って言ったんですけど…

「え。」


伝言ゲームでもこんなに話変わらないんじゃない?ってくらいに違う話になって、JICAに通報されていました。

いや、配属先は「すごく心配していた」そうなので、JICAに助けを求める気持ちだったのかもしれない。

ねぇしかも私今朝「カバレも全部いけるかな?」って聞いたよね?
あなたにも聞いたよね?

怒るのも呆れるのも通り越して笑えてしまって止まらない。

でも。

それ以上に「私の英語、そんなに通じてなかったの…?」と絶望が止まらない。

つまり、私の「もっと主体的に動いてほしい」というメッセージが伝わってない。
更にいうと、今まで私が英語でやり取りしてきた内容が伝わって理解されていたか怪しい、ということが分かってしまった。

5%くらいは相手に対して「あなた大学の法学部英語で学んで卒業してますよね…?」と思わなくもないんだけど、私の伝え方を再考しないといけないのは明らかだ。

…はぁ、「OK」も信用できないな。

全身から脱力するような、この感じ。
そうだわ、任地、こんな感じだったわ、とまたひとつ帰ってきたことを実感した。


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