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農業を始めたきっかけ vol.1

代々農家の家系…

 私の実家は岡山で代々農家を営む家系で、祖父母が3代目であった。米と麦をメインに栽培していた。幼い頃から、当たり前のように農業の手伝いをさせられ、次第に私の中で農作業は嫌悪の対象となった。父は、農業普及員をしており、趣味で野菜栽培を楽しんでいたが、その手伝いも当然のことながら参加しなければならなかった。

 農作業の何が嫌かって、汚れるし、疲れるし、地味!特に子供の頃は、田植えや稲刈り等の一大イベントの時は親戚が集まることも多く、人見知りの激しかった私には苦痛な日でしかなかった。田舎はコミュニティが狭いから、近所の人とのやり取りもあり、盆踊りや清掃行事などで顔を合わせるのもストレスだった。

 田植えの日には、私の友人にも声をかけて部活を休んでまで、一緒に作業をした。中高と運動部に入っていた私は、「家の手伝いで休みます」と顧問の先生や部員に伝えるのが、とても恥ずかしかった。高校にあがると、「実家が農家」というプロフィールがやたら珍しがられ、「同じ岡山なのにこんなに違うのか」とカルチャーショックを受けたものだ。

 


理系科目が苦手な理系人間

 高校は進学校だったので、大学進学が大前提。1年生の後半には、文理選択を迫られる。幼い頃から文系科目が得意で、理系科目はさっぱりダメだった私は、当然文系を選ぶことだろうと、だれもが思っていた。その期待(?)を見事に裏切り、苦手分野に飛び込んだ私を、当時の同級生も担任の先生も、両親も、「???」という表情で眺めていた。当時の自分の判断を振り返ると、「人とは違うことがしたい」という気持ちの強い、欲張り人間だったと思う。特に、「理系科目が得意な理系は当たり前だけど、文系科目が得意は理系は強みになる」という先生の言葉が背中を押した。…ただ、この言葉は、裏を返せば「理系科目が苦手な理系はいない」とも受け取れる。この裏を全く無視した私は、この後かなり苦しい高校生活を送ることとなる…。


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