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【数字でみる滋賀レイクス】来季のことを考える-まとめ-

【2024.06.20:本日までのリリースを受けて更新】

【更新】0.全体感

■ ついに大枠の方針が発表されました。昇格後さらに強くなるレイクスを想像していた多くのブースターからは多くの戸惑いの声が上がっているように思います。

■ 経営における選択と集中は必要。Bプレミア参画に向けて、アリーナをはじめとした設備投資が必要となるなかで、23-24シーズンほどの人件費が出せないというのが真相か。

■ 一方で、ACの2名、メディカルスタッフ、マネージメントスタッフの追加、CJの渡米など出すべきところにはしっかりと資金を使っている印象。特にスタッフ陣の拡充は非常に大きい。有力な選手を連れてくることも重要ですが、先を見据えたこうした投資を行ってきたことを歓迎したい。

「Must Win」シーズンから「Up Set」へ。これが大きなキーワード。Bリーグのレベルは年々上がっており、渡邉雄太選手をはじめNBAキャリアを持つ選手も増えています。為替の動向もあり、人件費は高騰傾向。

■ そのなかで、多額の資金を使って勝負を挑むよりも、長期的目線で若手の有望株を揃えて「Up Set」を狙っていくという方針は理にかなっていると思います。

■ そして滋賀に残ってくれた選手、新たに選んでくれた選手を歓迎したいですし、昨季に優勝&昇格に貢献してくれた選手たちの今後のキャリアが幸多からんことを祈るばかりです。



1.【更新】バックコート陣

ギル体制の3ヵ年計画で迎えた選手たちの契約が満了に。元々ガード過多の傾向があった滋賀にとって、大きな再編期を迎えている。

柏倉 哲平(定量面:○ 定性面:◎ 予想:残留 結果:退団)

■ まずは何よりも3シーズンお疲れさまでした。テツがいてくれたからこそ、乗り切れた、チームがまとまってきたそんな3年間だったと思います。

■ 原SDのいうように、Bリーグきっての人格者。次のチームでも柱になってくれるでしょう。

【更新】田原 隆徳(定量面:○ 定性面:○ 予想:残留 結果:残留)

■ 若いガードが多くなるなか、バックコート陣のリーダーとしてチームを引っ張る活躍に期待。現状のメンバーをみるとキャプテンの筆頭候補か。

■ プレイとしてはディフェンスの要としての起用になりそうだが、今季は得点面も期待したい。

野本 大智(定量面:△ 定性面:○ 予想:移籍可能性あり 結果:残留)

■ 特指から遂に5シーズン目。昇格前の複数年契約は本当に熱い気持ちを感じる(カテゴリー下げて正ガードなんて言ってすみませんでした・・・)。

■ 継続リリースにもあったように、エースガードとしての活躍が期待される年、名実ともに滋賀の顔へ!

キーファー・ラベナ(定量面:○ 定性面:○ 予想:残留 結果:移籍/横浜BC)

■ 横浜BCへの移籍が決定。昨季河村選手のいない時間帯に苦しんだ横浜としては、ハンドラーとしてもアタッカーとしても機能するキーファーの存在はベストマッチでしょう。

■ そのキャプテンシーや代表経験は河村選手にとっても必ず大きな糧になるはず。いつか「NBAに挑戦できたのはキーファーのおかげです」なんてセリフを聞きたいです。

山崎 凛(定量面:× 定性面:△ 予想:移籍 結果:退団)

■ 残念ながら予想通りになってしまった。サイズがあり、負けん気も強い。機会がつかめれば、活躍できるチームも多いと思うので、良いチームへ移籍してくれること期待。

湧川 颯斗(定量面:◎ 定性面:△ 予想:残留可能性あり 結果:移籍/三遠)

■ 一番の痛手になりそうなのが湧川選手の移籍。とはいえ、Bリーグのルールでは1月から交渉は解禁されており、昇格が決まっていなかった時期だったこともあったので、致し方なしか。

■ 移籍先は三遠。佐々木選手を残したなかでの獲得となりました。湧川選手自身にとっては優勝を争えるチーム、かつ名将・大野HCの下で、学ぶことも多いでしょう。ぜひ、次世代の日本代表エースPGとして活躍してほしい。

新規契約①:常田 耕平(青森)

■ 今期は青森で59試合に出場、うち51試合でスターターを務め、8.5Pts、2.0Ast、1.3Reb、3FG%:37.3%、FT%:88.2%というスタッツ。
サイズも186㎝とそこそこあり、スコアリングガードとしての活躍に期待。

■ ただ、役割的にはややダイチとの重複感がある。
PGというよりもSGに近いタイプの選手なので、ハンドラーとして長い時間ゲームコントロールを任せるタイプではないように思う。

新規契約②:岡田 泰希(仙台)

■ 今期は怪我で苦しみながらも22試合に出場。2.9Pts、0.2Ast、0.2Reb、3FG%:36.0%というスタッツ。176㎝とやや小柄だが、スピードと高い3P能力が光る選手。

■ マイキーが出場したオールスターRising Starsにも選出されており、3P中心に伸び伸びとプレイしていた姿も印象的だった。

新規契約③:大庭圭太郎(茨城)

■ 茨城では特別指定からのアマチュア契約。弱冠20歳でありながら、今季は48試合に出場、4試合でスターターを務めた。173㎝と小柄ではあるものの、ハイライトを見る限りではスピードとディフェンスに強みを持った選手。

■ 若く有望な選手を複数年契約でしっかりと育てるということをB1でできているチームは多くない。大庭選手にしっかりとプレイタイムを与えて、活躍させるチームになれるのであれば、将来的に間違いなくいいチームになれるのではないだろうか。


【更新】所感

■ ここまでは若手かつスコアリング能力を重視したリクルートに。
原SDのコメントでも「日本人選手の得点力」を打ち出していることから、「Up Set」を狙うことができる伸びしろ&爆発力に期待をかけていることが想像できる。

■ また、ヒル・ライアンACを迎えたことからも長崎路線を進んでいく可能性は高いだろう。近日中に昨シーズンの長崎については記事にしたい。

■ おそらく大庭選手の加入でガード陣は揃った。ベテランのメインハンドラーを1枚と思ったが、結果的には若手主体でコンボガード的な選手の獲得を主軸にした形。おそらくB1で最も若いガード陣になる。

■ 印象的には5名にあまり優劣は付けず、プレイタイムをシェアさせながら常に高いインテンシティで前からあたりに行くチームになるのでは。正直、かなり面白そう。

2.【更新】フロントコート陣

■ フロントコート、特にウィング陣は補強が必要だと思っている。

■ 継続の3選手はいずれも優れたディフェンダーの素質があるが、それだけではB1での差別化は難しい。残りは取れても1枠だが、補強があるか。

宮本 一樹(定量面:◎ 定性面:○ 予想:残留 結果:残留)

■ 今期のファーストオプションだった宮本選手は無事残留。
数字に表れないディフェンスと時折見せるバックカットはとてもよかった。

■ 一方、「Up Set」のためには「数字に残る」部分も伸ばしていく必要あり。やはり3Pだろう。今後の伸びしろに期待。

江原 信太朗(定量面:○ 定性面:◎ 予想:残留 結果:残留)

■ 来季の滋賀の育成枠。強みである体の強さと3Pを伸ばして、先輩たちからプレイタイムを奪い取ってほしい。CJの活躍はウィング陣全体の活躍に直結する。

森山 修斗(定量面:△ 定性面:◎ 予想:移籍可能性あり 結果:残留)

■ 正直、移籍の可能性が高いと思っていた。継続コメントにもあったように、今季は特に苦しんだシーズンだったはず。

■ Xを見る限り、残留に疑問を持つ方もいる様子。しかし、ノリ始めると止まらない3Pはまさに「Up Set」の体現。地元選手として残してもらったなんてことは言わせないくらいの大活躍に期待。

【更新】所感

■ 日本人ロスター1枚はウィング陣と予想したが、PF/Cポジションの市岡選手が加入。

■ こうなるとやはり既存3名の活躍は不可欠。いずれも高いディフェンス強度を持ちつつも、アタック能力に伸び代があると思われるので、得点力の向上に期待。

■ 特にCJは米国での体作りから。たくさんの良い経験を積んできてほしいところ。

3.【更新】マイキー&外国籍選手

■ 現状去就が見えていない選手が多い。
ここまで発表されている日本人選手は、実績以上に将来の滋賀を作るような若手選手が主体となっている印象が強い。そのため、外国籍選手は即戦力となるような 選手で固めてくるのではないかと予想。

【更新】川真田 紘也(定量面:〇 定性面:△ 予想:移籍可能性あり 結果:移籍)

■ 結果的には移籍。将来性・タレント性の両面から最優先レベルで残したかった選手だろう。

■ 後任としては熊本から市岡選手を獲得。タレント力は確かに落ちてしまうのかもしれないが、豊富な経験と高い身体能力はチームを支えてくれるだろう。

■ マイキーの移籍先は現状未定。古巣・佐賀への出戻りもうわさされるが・・・果たして。

ジャスティン・バーレル(定量面:◎ 定性面:△ 予想:退団可能性 結果:退団)

■ やはり退団が確定。チームのムードメーカーとして、ゴール下の番人として、優勝請負人としてその負ってきた役割は計り知れない。ありがとう、JB。

■ ブバ選手のような器用な現代的センターよりも、スプリント力があり、リバウンダー&リムプトテクターとしての能力が高い、オールドスクールなタイプのセンターポジションの選手が候補となりそう(十分高望みなのかもしれないが・・・)。

ブロック・モータム(定量面:○ 定性面:◎ 予想:残留 結果:残留可能性高)

■ 本日退団リリースが出なかったことから、「残留可能性高」にステータスを変更。爆発すれば30点以上も見込める選手なだけに、「Up Set」には不可欠だろう。

■ ただ、スコア能力を最大限で活かすために、ディフェンス面での大きな負荷を掛けたくないので、帰化/アジア枠でのビックマンの獲得が不可欠になるだろう。

ライアン・クリーナー(定量面:○ 定性面:○ 予想:残留可能性 結果:契約満了⇒移籍/北海道)

■ レバンガ北海道への移籍が確定。若く未来ある有望な外国籍選手だったので、悔しさも大きい。念願のB1。日本も長くなり、将来リーグの顔の1人になれる素質がある。期待したい。

■ 後任の方向感が読めない。交渉を行っている外国籍はこの枠か?他の外国籍選手との見合いになるが、SF/PFタイプの選手が候補だろうか。

新規契約④:市岡ショーン(熊本)

■ 今期怪我人が続出してしまった熊本を陰で支えたビックマン。マイキーよりはややアンダーサイズになるものの、経験と身体能力の高さは対戦してもわかる通り。

■ ジャメール・マクリーン選手が下がった後に強度を保って滋賀の猛攻を何度も止めた姿が印象的なので、味方になってくれると心強い。

■ 一方、ややファールが多いという印象。昨シーズンの平均ファウル数は2.5で、これはJBの2.3よりも多い。ガードの項にも書いたが、来シーズンはタイムシェアをして高いインテンシティを保つようなチームになることも想定されるので、長くコートに残ってもらうことが重要だろう。


【更新】所感

■ Bリーグは外国籍選手の存在が非常に重要なリーグ。今季の秋田などが出足躓いたものの、後半大きく挽回したのも、外国籍選手の活躍があってこそ。

■ チームのカラー・方針も編成次第で大きく変わるだろうが、個人的には純正センター/ストレッチフォー/3~4番を兼ねられるウィングの選手という編成を予想。

■ 市岡選手の加入があったが、上記の予想は変更せず。純正センター/モータム選手/3~4番のウィングと予想する。おそらくスプリント力の高い選手を中心に選定してくるのではないだろうか。

■ 外国籍選手については中山PBOの手腕にも期待したい。
話題となっているところだと、ティンバーウルブスにも在籍した、ネイサン・ナイト選手。今季はボストン・セルティックス傘下のGリーグチームに所属。NBAでは100試合弱に出場。3Pも打てるビックマン。かつレフティーというのは滋賀らしさあるが・・・。


4.最後に

■ 来シーズンは厳しい戦いになる。だが、「Up Set」を全面に出して、挑戦者のメンタリティで食らいついていく、そんなチームも面白いではないか。

■ 優勝した広島は(タレント力の差は歴然だが)まさに「Up Set」の体現者であり、多くの感動と興奮をもたらすことに成功している。苦しいときも多いが、優勝を目標にして集められたチーム、タレント揃いのチームを喰らいつくしてやる、そんなマインドで来週からの新規発表を楽しみにしている。

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