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vvvv gamma入門 - まえがき

まえがき

この連載はvvvv gamma(以下vvvv※)の入門書です。vvvvの基本的な使い方を公式のドキュメントを補足する形で説明していきます。
vvvvではVLというプログラミング言語が使用されています。vvvvを学ぶということはVLを学ぶということだと言ってもよいでしょう。
(※vvvvにはbetaとgammaがあります。以前はvvvvといえばvvvv betaのことでしたが、gammaが正式リリースされた今、vvvvとはvvvv gammaのことを意味します。参考)

VLは最強のヴィジュアルプログラミング言語です。ノードベース言語でここまで柔軟にきちんとしたプログラミングができるツールを自分は他に知りません。(自分が無知なだけで沢山あるかもしれませんが…)
VLはC#の仕様をそのままノードベースで表現した様な造りになっています。vvvv betaでは出来なかったループ処理も実装され、共通の処理を関数化して再利用可能にするというような超基本的な機能はもちろんのこと、ノードを抽象化したり、インターフェースを定義したり、デリゲートまで出来てしまいます。ミュータブル、イミュータブルの設定なども。

実は、VLが発表された当初、自分はあまりVLに興味がありませんでした。vvvv betaで満足していたしループ処理ができると聞いても、そんなのC#書いた方が楽だろうと。(そもそもちょっとバギーでうまく試せなかったというのもある…。)
しかし、vvvv gammaが正式にリリースされ、改めてVLに入門したところその多機能さに感激しました。
世にあるプログラミング言語はテキストベース言語の方が多く、例えばGoFのデザインパターンなど、それら言語の仕様によって長年培われてきたノウハウがあります。
テキストベース言語と同じ機能が使えるということは、それらの人類の英知の恩恵を受けられるということです。なんと素晴らしいことでしょうか!
たとえば試しにMVCパターンをvvvvで組んでみました。詳細は今後の記事で書く予定なのでここではvvvvでMVCパターンが別段トリッキーな工夫をしなくても実装できるという雰囲気だけ掴んでいただければ幸いです。


これは、逆にVLで学んだことを他のテキストベース言語に活かせるということでもあります。よくあるヴィジュアルプログラミング言語の謳い文句として、「ノードを組み合わせるだけで視覚的に処理を記述できるので、プログラミングができない人でも簡単に始めることができる」というようなことがありますがVLにもそれは当てはまります。プログラミング入門者がVLから始めて、C#などのテキストベース言語にステップアップしていく時にもVLで学んだことが活かせるのです。

とは言え、まずは設計とかデザインパターンとか難しいところは抜きにして楽しみながらvvvvに触れていければと思います。
出来ることが盛りだくさんのvvvvなので入門者にとっては取っつきにくい部分もあり、最初はもどかしい思いをすることもあるかと思いますが、とても考え抜かれた言語なのでじっくり付き合って行くことで必ずやあなたにとってとても心強いパートナーになることでしょう。

The Gray Book

vvvvの公式ドキュメントをThe Gray Bookと言います。一次情報を確認することが大事です。この連載は結局のところThe Gray Bookの補足にすぎません。ただし、ある程度プログラミングの知識がある方向けに書かれているので、その辺りをプログラミング入門者にも分かるように補足していきます。

vvvv betaに慣れ親しんだ方であればThe Gray Bookをじっくり読むことで1日もかからずgammaへ移行できるはずです。

動作環境

この連載を書いている間に使用した環境です。vvvvはまだまだ生まれたばかりのプロダクトなのでバージョンによって挙動の違う部分が多々あります。
本連載のサンプルを試す場合はvvvvのバージョンに注意してください。

OS: Windows 11
vvvv: vvvv gamma 6.6

それではまえがきはここまでです。
今後の連載をお楽しみに。

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