見出し画像

ショートストーリー:ボイコット

「はぁ、今日も一日が始まったよ」
「まーたあの五月蠅い上司にグチグチ言われるのかねー」
「やれわかりづらいだの、思った通りに動け等々」
「時代の流れについていく努力しなかったのは、自分のせいだろって言いたいわ」
「……」
「はぁ……」
「……なぁ」
「ん?」
「ボイコット、起こさないか?」
「おいおい、それはまずいだろ!
最悪クビだぞ、クビ!」
「でもよぉ、何か行動起こさないと、あの上司変わんねーぞ!
このまま自分の無知を俺達のせいにしてくるまんまだぞ!」
「……」
「どうする?」
「……。策はあるのか?」
「あぁ、ある!良いか?タイミングが大事だ!
考えているのは──」
「……成程、そのタイミングか」
「これなら一番ダメージが大きいはずだ。
…………来たぞ!」
「わかった!…………幸運を祈る!」
「あぁ、またな!」

~~

「あーぁ、さっさと企画書作るか。
ん?あれ?パソコンが動かないぞ。
故障か?これだから機械は嫌なんだよ、貧弱だから!
電源抜いて……それでも動かない!
仕方がない、社用スマホで…………これも動かない。
同時に故障かよ!
このクソIT機器が!
朝の大事なタイミングで使えないとか何だよ、一体!?
だから俺はこういったのを仕事に活用するの反対だった──」


【あとがき】
数多くあるボイコットのうち機械のボイコットが一番ダメージ高いと思います。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?