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「隣人が気持ち悪い」第3話 小説


某日、ロフトで過ごしていたらスマートウォッチから着信の通知が来て、スマホがロフト下のテーブルで鳴った。急いで降りて電話に出て手短に電話を終わらせた。その数十分後に隣人のロフトがあるであろう私の壁側からわざとらしくものを音が「ガタン、ゴロゴロ」と聞こえてきて、その直後にブーブークッションを長く押したような「ブーーーー」と言う音が隣人の部屋から聞こえた。そして隣人は「あーーーー」と叫んだ。

二日後の夜中、午前三時から四時にかけて大声で話す声が聞こえてきた。電話のような感じはするがこんな時間に電話?笑いながらずっと話している。私は、最近スマホの動画で叫び声が録音できないか試していた。でも、ストレージが半分空いていても動画になると四時間くらいで一杯になり電源も切れた。ちょうど五月蠅く叫んでいるところが撮影できていなかった。数日間試したが証拠を押さえるのは難しくなかなかうまくいかなかった。動画を録画するときの開始音が「ピ」となるのだがその音が聞こえたのかわからないが、動画を撮っている時に限って、「ふざけるな!」と言っている声が聞こえた。しかし動画ではうまく録画できなかった。

次の日、私があまりに静かな日中だった為、「暖かいな」と小声ながらも声に出した瞬間、「ブーーーー」とまた隣人が音を鳴らしてきた。『まさか、居たの?』びっくりしたが苛立ちもありつい口走ってしまった。
「無職男が!」あくまでぼそりと小声で言った。聞こえなさそうなくらいに。するとすかさず隣人が、「お前もだろ」と言ってきたのだった。『え?本当に無職だったの?在宅だと思ってた。まあ、最近はそれも疑っていたのだが。』しかも、私がロフトに上がっている時はロフトに気配を感じるのにその時はロフトの下から声がした。かくいう私もロフトには居ないで下にいた。気持ち悪い。

もし本当に無職なら寝る時間帯を私と一緒にしてるのおかしくない?仕事があってたまたま寝る時間早いとかじゃあるまいし。私が寝るのを九時過ぎから、十時過ぎにずらしても隣人がロフトにいるような気配は消えなかった。

気持ち悪い。打開策はないか検索する。「隣人 騒音 悪質」調べていると、あることが分かった。まず、夜中に出す音は四十五デシベル以上だと騒音認定される。更にそれが嫌がらせによる行為、悪質だと傷害罪になって刑罰になる。もちろん騒音となる音の証拠が必要になる。更に、精神科で騒音による睡眠障害や神経衰弱、うつ病、ノイローゼなどが発症したとなればその診断書もあると証拠になる。傷害罪とする以前に警察署で被害届も出せる。『やっぱり証拠が欲しいな』私は、動画は止めて、スマホアプリでボイスレコーダーと騒音測定器のアプリをインストールし、毎日寝る前に録音するようにした。昼間は静かな方だし問題は夜中の叫び声。
引っ越しも考えたし、いい物件が見つかったのでテンションも上がってしまたりもしたが引っ越し代や初期費用などお金がかさむのが嫌なのとモノが多いので片付けが大変だからなるべくなら避けたい。でも、小声でボソッと言っていた声が聞こえているならかなりプライバシー無くないか?壁薄いどころじゃない気もするが、、、。

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