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そう来たか。

起きてくるなりソファにどっかと寝転がる息子。お次は服を着がえるまでぐずぐずタイムだ。
目玉焼きをひっくり返しながら、「着替えて~!」とキッチンから声を何度もかける。勿論、返事はない。
Step1でベットからなんとか起きてきたら、Srep2でもう一度ソファで横になる。次のStep”着替える”から、”ご飯を食べる”という行程にうつるのに、何度声をかけるか分からない。

夏休みの間、そこまで時間に追われなかったゆとりある気持ちよさ。
そんな朝は今日でおしまいですよ、明日からは学校なのだよ。
でも、しばらくはこの夏休みモードはぬけないだろうと察しました。

出来立てのお皿をテーブルに運んでからソファに回り込み、まだ寝ぼけ眼でごろんとしている息子のスネの上におっきなお尻を降ろして座る。
「ご飯できてるんですけどぉ。」
両足の動きを抑えられ、スネも気持ちよくなって「いひひぃ~!」と笑い出しながら、「わかったから、その前に背中かいて~」と言う。

ひとつため息をついてから、「背中かいたらご飯だからね」と約束してパジャマ代わりのTシャツをめくってボリボリとかいてやる。

「右、もうちょっと上。
 下、その下らへん。そこそこ。」
言われるままに手を動かす様は、まるで息子の僕(しもべ)である。
折角ならあったかいご飯を食べさせたいという母心なんて、分かっちゃいないんだから。

でも、私もよく小さいころ母に背中をかいてもらったなぁ。母のとがった爪が痒いのピンポイントを押さえると得も言われぬ快感だった。そして母とも今と似たような会話を交わしていたような気がした。
手を動かしながら、母に背中を差し出していた頃の自分を思い出して、なんだか可笑しくなった。

「ハイ。つぎ左、もっと左。」

ハイハイと、言われるがままの時間が過ぎる。
”皮伸びるの早いから子供は痒いんだよね”(と、思っているけど違うのかな。)だまって従うシモベの私。

すると、息子から急に聞き捨てならない一言。
「逆サイド!」

そう来たか。ちょっとムカっとくる感じあるぞ。笑

***

最近、日常生活でサッカー用語を言いたがる息子。
この前までの流行は”レッドカード”や”イエローカード”。そして"ブイエーアール"だった。
食事中、夫と二人で互いの行儀の悪い事を見つけては。はい!今のイエローカード!、はい、レッド!などと喧しい。(ちなみに、私にはこういう遊びをしかけてこない。相手を選んでいるのだ。)ちょっと怪しい素行については ブイエーアールッ!(*VAR=ビデオアシスタントレフェリーの略)と大騒ぎだ。

始めてまだ半年ほどなのに、練習が大好きで時間が空くとサッカー三昧。
ここ最近の彼の私服は、ほとんどがサッカーウェアーである。
こんなに夢中になってすごいなぁと思いつつ、もはや知識は母よりも上を行くのもなんだか面白くない。

ちょっとサッカー始めたからってさ。
サッカー用語をこんな事(背中かいてる時)に挟んでくるなんて。
しかも、ちょっと使い方センスあるし。
背中かくのにおシャレ感いらないんですけどっ。

***

「はい。終了~」
背中をひとつぺちっと叩いて、とりあえず強制終了とあいなりました。

朝ごはん食べなさいってば。



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