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私はもうすこし眠りたい

夜中にぱかっと目が覚めることがあります。
ここ数日で急に肌寒くなったのに、まだ夏仕様のブランケットのままで寝ているから、寒さでハっと目が開く。
または、消し忘れたままの読書灯が、瞼の上に急な眩しさを映し出して、目が開く。などなどです。
一旦目を開けてしまうと、ブランケットを被りなおしたり、電気を消してもすぐは寝付けません。

私の左側にびたっと密着している息子。私の内ももの間で、膨らんでしぼんでを繰り返す犬の安堵の寝すがた。起こさないよう気を付けながら二人に触れていると、メンバーが全員揃っている、つまり生きて存在している事がとても貴重な時間である事を実感します。いま触れているこの体温と触感を、まるっと保存できたらいいのにと思いながら。

いま括ったメンバーとは、私達家族と息子からみた両祖父母、私と夫の両親までをなんとなく差している気がします。あれ、それでいいのかしら。2年前に亡くなった実家のふくちゃん(犬)はいいってこと? 
いやいやいや。
せっかくまどろみかけたのに、こういう事でまた頭の中がわらわらと動き始めます。

今思ったことは、何十年も前に空に昇ったお祖父ちゃんへも届いてしまったでしょうか。
わしはもうココでええってことなんかな?
例の黒縁眼鏡の奥から大きな目を光らせる祖父の姿が浮かんできます。
いやいやいや。
そんな自分たちだけでいいみたいなね、そういうつもりじゃなくってね。
おじいちゃん、ごめんね。
それに、もっと私の前の方たち。

今はまだ夜中で、明るくなるにはまだ時間がかかります。
ベットの上で私に与えられたスペースは5分の1ぐらいの端っこで、寝返りも打てない。でもなんか、ぎゅっと私に寄って集まっているこの小さな生き物の固まりの存在が温かくて、だからつい、減ってしまうことを考えて怖くなったりもするのです。
こんな夜中に、起きていて慌てているメンバーは私だけ。

もうちょっと。寝ておいた方がいいと思ってます。
じゃあもう一度。寝れるまで本を読もうと考えます。
そして、さっき消したばかりの読書灯を、もう一回点けるはめになるのです。
ああ、なんてこと。

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