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東京都知事選挙2024 分析③ 蓮舫



はじめに

 今回は、蓮舫のデータ紹介をしていきます。政党支援のない石丸を下回ったことが痛手となり、13日夜、自身のインスタで国政選挙はもう考えていないという意思を述べました。背景には何があったのか?投票の傾向を明らかにしていきます。

集計方法

 こちらを参考にしてください。

蓮舫データ集

 まず得票率のマップを載せ、その後社会的背景との散布図を掲載します。

得票率

蓮舫得票率

 東京23区と多摩地区の間あたりで高い傾向で、そこから離れるほど下がる傾向です。中央区は特に低く14.26%でその周辺も15%前後です。

老年人口割合

蓮舫得票率-老年人口割合

 高齢者の多い地域ほど得票されやすい傾向ですが、直線性は小池と比べてかなり弱いです。ところでここでNHKの(図1)世代別投票日出口調査を示します(※1)。

(図1)世代別投票日出口調査

 小池・蓮舫は共に高齢者の得票率が高いというのは正しいようです。だが蓮舫は60代~の幅が10~50代の幅の2倍かそれ以上であり、高齢者から票が集まりやすい程度は小池と同等かそれ以上と見られ、先の結果に示した直線性は小池と比べ大きく低いという状況とは異なっています。この辺りが本手法の限界だと示すものでありそれを測る参考材料となります。

単独世帯割合・子育て世帯割合・実質単独世帯割合

蓮舫得票率-単独世帯割合
蓮舫得票率-子育て世帯割合

 世代の要素抜きで見ると、非常に弱いですが単独世帯割合が高い地域ほど得票率が低い傾向です。

蓮舫得票率-実質単独世帯割合

 同世代間で見ると、弱いながら単独世帯割合が高い地域ほど得票されました。少子化対策・教育の充実を公約に掲げるも、子育て世帯からの支持をあまり集められませんでした。

外国人人口割合

蓮舫得票率-外国人人口割合

 朝鮮学校無償化を公約に掲げるなど外国人に共生的・親和的な候補者ですが、外国人の多い地域で得票率が下がるという、都民の外国人へのイメージが悪いことを示唆するデータとなっています。

平均年収・実質平均年収

蓮舫得票率-平均年収

 平均年収400万円・得票率20%の点付近を中心とした群れが目立ちます。平均年収の高い自治体で若干下がっていますが、15%前後を保っています。

蓮舫得票率-実質平均年収

 立憲民主党・日本共産党の支援を受け、貧困対策の充実を公約に掲げた候補ですが、同世代で見るとむしろ低収入層の多い地域ほうが得票率が下がるという結果になり、大きな痛手になったと思われます。

まとめ

 地域別に見ると東京23区と多摩地区の間あたりで高く、そこから離れるほど得票率が下がる傾向です。23区のうち中央区周辺は特に低いです。小池と同様に、老年人口割合の高い地域で得票率が高くなりました。年代を考慮した実質単独世帯割合が高いほど得票率が高い傾向が弱く見られ、子育て世帯の支持を広げられませんでした。同様に、実質平均年収の低い地域で得票率が低くなり、現役世代の貧困層に浸透しませんでした。外国人人口割合については高い地域で得票率が低い傾向になりました。

注意書き

(※1)NHK 都知事選 現職の小池氏が3回目の当選 石丸氏 蓮舫氏らを抑える
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240707/k10014502181000.html

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