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[イベントレポート]最終回 丹波スローフードアカデミー 

2022年2月6日に行われた「丹波スローフードアカデミー」最終回のイベントレポートです。

今回は今まで4回に渡って開催された丹波スローフードアカデミーを受講して、参加したメンバーそれぞれがどんな気づきを得て、今後どんなことをしていきたいか?をディスカッションしていく場になりました。

<スローフードを学んでの参加者の皆様の気付き>
・スローフードは「お皿の上の五感の喜びに止まらず、誰が、どこで、どうやって作ったものか、お皿の外を知ろう」という運動である。』というフレーズが心に残っている。生産者の顔が見えるものを買ったり、使っているものがわかるレストランを「選ぶ」ようになった。

・種子は「言語、意識、文化、遺産、土地の記憶」である。食べ物に気をつけることはやってきたが、伝統のある工芸品とかクリエイティブなことにも目を向けて取り入れていくことも大切ということを知った。

<このアカデミーを受けて、あらためて、守りたいと思ったものは何ですか?変えたいと思ったことは何ですか?>

守りたいもの:
・在来種
・酒蔵、日本酒、木桶
・田んぼの中の生物多様性
・地域それぞれの味
→こだわっている生産者さんから買いたいと思っているけれど、身近に変える場所がない。それは世の中の需要が少ないからではないか?また、便利な方に流れてしまうからではないか?だから同じ意識を持つ仲間を増やしていきたいという話になりました。

JAMボードアプリを使って、web上でポストイットに書き込む感覚で意見を出していきます。

この後は、参加者の方が、あなたが、情熱をもって取り組みたいこと、ここにいる人たちと一緒にやりたいことを提案し、みんなでディスカッションしていきます。

それぞれ、やりたいと思っているプロジェクトをJAMボードに書き出し

その中で、今回は4つプロジェクトが発案されました。
1、丹波スローフードアカデミーのコミュニティの関わりしろを増やしていきたい。食に対する対話の場・学びの場を作りたい。
→これは私がやりたいと発案したプロジェクトです。在来種や木桶の文化を守っていきたいと考えていても、市場の需要がないとなかなか守れない。一人一人の食への選択、食への意識を変えていきたいけど、一人ではなかなかできないと日々感じていました。そこで今回、丹波スローフードアカデミーを開催企画することにしました。開催するにあたって、一方的に学ぶだけではなく、参加者同士で対話することで自分の考えがそれぞれ深まっていくと感じました。

・生産者さんをゲストに、その生産者さんの食材の話をききながらご飯会をする
・コンポストを作ろうの会をする

など、生産者の方の思いを聞きながら、みんなで楽しく食卓を囲んだり畑に行き「食」に対する対話の場作りを今後していこうという話になりました。

2、日本語教室でスローフード講座をする
→こちらはアメリカのオハイオ州のケース・ウェスタン・リザーブ大学で日本語教師をされている方からの発案でした。
その中では
・生徒と一緒にファーマーズマーケットに行ってみる
・地域に根ざした農産品を調べる課題を与える
・食べる場所の選択を生徒自身がそれぞれ考える時間を作る
味の箱船の紹介から、守るべきものの話への展開をディスカッショントピックにする
など具体的なアイディアが出てきました。

3、無農薬で野菜を育て種取したい
→こちらは丹波篠山市にお住まいのお母さんからの発案です。
ど素人が野菜を育てられるのか?ママさんが子供と一緒に種取りの大事さなどを個人的に発信していって、素人でもできるよということを伝えていきたいと思い、発案されました。
・ど素人でも種取りができるよと発信しながら実行していく
・自分の食べるものを勉強しながら、やってみる
と、子供とお母さんが楽しみながら野菜を育てて発信していく案が出てきました。

4、スローフードなお店(飲食店など)の食べログ作成
第3回目の講座「食べる場所の選択」を学んだときに、実際に「旬な食材を使っているお店」「地産地消の野菜や調味料を使っているお店」「フードロスがないお店」などは検索しにくいと受講者みんなで感じたことがきっかけでプロジェクトが発足されました。
食べログのような、みんなで書き込みができるスローフードなお店が紹介されているwebサイトがあれば、お店選びする際の参考になり、応援したいお店を選ぶことができる。
・みんなでクチコミレポートをするwebサイトを作成
・スローフード協会認定店を作る
というアイディアが出てきました。

<日本スローフード協会 代表理事の渡辺めぐみさんの話>

スローフードにはこれという正解はありません。それぞれがどんな選択をするか?選択をすることでどんな未来が待っているか?を考えることが必要です。文化を守ること、伝統を守ることってどんなことか?変化の取捨選択をしてきて文化文明があるので、頑なに何かを変えないというわけではなく、変えるところは変えている。変化と進化は必要だと思っています。その中で、自分が本当に守りたいものはなんだろうという軸が大切になってきます。現代ではいろんなことができるようになっています。どんな変化・進化をしていくか?自分と自然、他者、地域との関係性を見つめていく。これで終わりではなく、学びと気づきをこのメンバーで深めていく。これが、スローフードならではの学びだと思っています。
今回は、各地の酒蔵や木桶や在来種を残すためには、消費者がそれを選択(応援)する必要があるけど、どうやったら他の人の意識が変えられるのか…難しいねと言ってグループの時間が終わってしまったので、みなさんとも考えていきたいです。

<2020年丹波スローフードアカデミーを終えて>

今回はコロナウィルスの影響で、ゲストでお呼びした生産者さんたちのフィールドを回るツアーが延期になってしまいましたが、丹波スローフードアカデミーは一旦終了となります。スローフードは知って終わりではなく、そのまま自分の生活に反映できる学びです。スローフードを学ぶとこれまで受け継がれてきた日本の伝統・文化を守っていきたいと思うようになりますが、それだけでは守れないと思っています。守りたいと思っていても市場に需要がないと続けられないという現状があります。まずは一人一人が学んだ後に少しずつアクションをしていく。フードマイレージのことを考えて自分が住んでいる地域の近くの野菜を買ってみるでもいいですし、スローフードで学んだことをSNSで発信するでもいい。野菜の直売所があれば行ってみて、生産者さんから直接野菜を買うのも一つのアクションだと思います。丹波スローフードアカデミーを開催することで、輪がこれからも広がっていくといいなと思っています。

↓丹波スローフードアカデミーのFBページはこちらです↓
https://www.facebook.com/tambaslowfood

最後になりましたが、日本スローフード協会の渡辺めぐみさん、北林だいさん。場づくり、ファシリテーションのプロである「場とつながりラボhome's vi」の熊倉聖子さん、篠原幸子さん。株式会社KUUMAの濱部 玲美さん、江副 真文さん。丹波スローフードアカデミースタッフメンバーの廣川景俊さん、加賀野あんなさん ゲストハウス環の荒木耕祐さん、 onebeansの村上まなみさん、そしてこのアカデミーに理解してくださった丹波移住環流プロジェクトの丹波県民局の担当者様ありがとうございました。皆様のおかげで、素晴らしいアカデミーが開催できました。

これで終わりではないので、、これからもよろしくお願いします。


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