見出し画像

すみっコぐらしのお弁当と娘の気持ち


先週公開した初めてのnoteにたくさんのスキをいただきました。
読んでくださったみなさま、フォローしてくださった方、
本当にありがとうございます。
これからも頑張って書いていきたいと思います。


40代主婦。私の子どもの頃には、「キャラ弁」というものは存在しなかった。
調べてみたら、私が高校生の時に流行り出したようだ。
さすがに高校生のお弁当はキャラ弁ではなかった。
だから、私は「キャラ弁」というものにまったく馴染みがない。

娘の通う保育園では、運動会が終わった後すぐに遠足がある。
遠足の日は、お弁当を持って行くことになっている。

毎年バスに乗って遊具がたくさんある公園に行くのだが、今年は歩いて近所の公園に行くらしい。
お弁当が大好きな娘は、1か月前から遠足とお弁当を楽しみにしていた。

娘と大型スーパーに買い物に行ったとき、大好きな“すみっコぐらし”のピックを見つけ、これをお弁当に入れて欲しいと訴えてきた。
ピックは家に山ほどある。
だけど、せっかくの遠足だし、娘の希望は叶えてあげたい。
数百円で喜んでくれるならと、すみっコぐらしのピックを買って帰った。

遠足の数日前に、娘にお弁当に何を入れて欲しいかを聞いてみた。
「丸いおにぎり2つに、すみっコぐらしのウィンナー(すみっコぐらしの絵がプリントされてある)と、ブロッコリーとトマトと黒豆と、星形のポテトとたこさんウィンナー。すみっコぐらしのピックもさしてね」と娘。

「ウィンナーだらけになっちゃう」と、たこさんウィンナーだけ却下して、完成図を絵にかいて見せたところ、満足した様子。
あとは、当日私が早起きをして作るだけだ。

遠足当日、お弁当を作っていて、やっぱりたこさんウィンナーも入れてあげよう、と思い立った。
お弁当箱を開けて「たこさんウィンナーはナシって言ってたのに~」という娘の姿が目に浮かんだ。

すみっコぐらしのピックは黒豆に刺して、あとは果物とゼリーも入れておこう。絶対喜ぶな。
いつもは完成したお弁当を見せるけど、今回は見せずにリュックに詰めた。

夕方、お迎えに行って「遠足楽しかった?」と聞くと、「すごい楽しかった!」と言って、何をして遊んだかを教えてくれた。
「お弁当全部食べれた?」と聞くと「食べた」と。

夜ご飯の時、「N先生のお弁当に枝豆がいっぱい入っててん。めっちゃもぐもぐ食べてた」と、ほんわかエピソードを話してくれたあと、「Yちゃんのお弁当はな、すみっこぐらしのおにぎりが入っててん」。

それを聞いた時「しまった!」と思った。
そして、申し訳ない気持ちになった。
なぜなら、遠足のたび、Yちゃんのお弁当にかわいいキャラクターのおにぎりが入っていて、うらやましかったという話を聞いていたから。

なぜ、私はすみっこぐらしのキャラ弁を作らなかったのか…。
ピックを買った時になぜ、思いつかなかったのだろう?
1か月もあったのに。
忙しかったとか、私が子どもの頃にはキャラ弁なんてなかったし…
なんて言い訳はいらない。

きっと、Yちゃんのお弁当を見て「いいな、私もすみっコぐらしのおにぎりがよかったな」と思ったに違いない。
娘はその後、N先生の枝豆弁当の話を楽しそうにもう一回して、お弁当の話は終わってしまった。
「うらやましかった」と言われなかったことに、ちょっとホッとしていた。

その夜、布団に入って寝ようとしたら、娘が近づいてきて
「お弁当作ってくれてありがとう。おいしかったよ」とつぶやいた。

夜ご飯の時の会話を思い出して、涙が出た。
絶対、次お弁当作るときは、すみっコぐらしのお弁当を作ってあげよう。
心に誓ったのだった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?