見出し画像

好きなホラー作品を語りたい


お疲れ様です、あおです。
お盆ですね。
ということで、今回は自分の好きなホラー作品を語っていきたいと思います。
最近はホラー系の番組をめっきり地上波で見なくなって寂しい。その代わりYouTubeがいろんなホラー系動画を提供してくれてはいるけど。

自分の好きなものを並べると予想以上になってしまった。
自分、自分が思っている以上にホラー作品好きなんだなって思った。


映画部門

ノロイ

伝承系ホラー×モキュメンタリーのホラー作品。山奥の小さな村の古くから伝わる祭りから暴発した呪いや厄災が人に牙を剥く、というストーリーのホラー作品を見るたびにここに戻ってくるくらいには自分にとってはリスポーン地点的な作品。
何がいいってモキュメンタリー部分が割とリアルなところ。最近もう地上波ではホラー番組やオカルト番組をめっきり見なくなったけど、当時のオカルト番組の雰囲気が忠実に再現されていて、ある種のノスタルジーさすら感じる。

貞子vs伽椰子

ストレスフリーのエンタメ系ホラー。
「化け物には化け物をぶつけんだよ」は名言。
確かにホラー作品は「恐怖心に打ち勝つ」という展開のものも多いので、そうなるとバトル描写も入るホラー作品も多くなるよな…と考えてみれば腑に落ちる。
題名からしてギャグだろと思うけど、ホラー部分はきっちりホラーしてくれてるのが嬉しかった。
こういうお祭り系映画だと全部ふざけ倒して「そこは真面目に作れよ」とモヤモヤする事も少なくないので、はっちゃけつつも押さえるところはきっちり押さえているのが安心して楽しめる良作。

ミッドサマー

閉塞的な村、現代社会の常識が通用しない空間、というのは「恐怖の対象」というのが、国や宗教問わず共通認識なんだなって色んな国のホラー映画を観てると思う。「自分が理解できないものが存在している」というのがホラーの根源なのかもしれない。
主人公が実質彼氏に裏切られて号泣しているところに村の女性たちが同調して全員泣いている様子を見て、「Twitterの主婦垢みたいだな…」と思った。1人で抱えていた愚痴や苦しみを共有して同調して自分のことのように泣いたり怒ってもらう事で、癒され、仲間意識を作るという感じ。
ただラストシーンで彼氏が燃やされる所で、みんなが悲しんで泣いている中、ダニーだけは嬉しくて笑ってしまっていたので、あの「個が許されず、どんな時でもみんなが同じ感情でなければいけない」というルールで回っているあの村では、ダニーも遅かれ早かれ適応できなくなるんじゃないかと思う。結局ダニーもあの村に魅力を感じたから住むと決めたわけじゃなくて、現実世界で生きるのが嫌で、今自分が心地いいと感じるから、という現実逃避的な理由でふんわり流されるように決まっていってる印象だったし。

ウィッチ

キリスト教の信仰とかクトゥルフ神話とかが好きな人ならワクワクして観れると思う。
キリスト教信仰だとこういう時はこういう風に考えるんだね、というのがわかる。ある種の宗教の教材みたいな感じ。
ただ家族の身に起きた不幸を魔女のせいだと決めつけて、その疑いを娘におっ被せてる両親の思考回路は謎すぎる。家族より神の方が大事というのが「信仰深い信者」の姿なんだろうか…?
それとも家族であっても貧窮してたら誰かがスケープゴートという「生贄」にされてしまう、という人怖系の解釈の方がいいんだろうか…?と割と疑問なところもある。
映画の演出、空気感がじっとりしてて、アリ・アスター作品が好きな人は好きなやつって紹介されてる事が多くて笑う。

CURE|キュア

黒沢清監督の代表作のサイコサスペンス。ホラー映画という括りだけど幽霊が出てくるタイプのものではなく、人が誰もが持っている暗い感情を炙り出してくるタイプのホラー映画。
タイトルのcureはそのまま「癒し」という意味だけど、悪の伝道師・間宮の「その人の抱えているコンプレックスだったり本音だったりを解放してあげる」能力によって「その人のストレスを解放してあげる」(解放された後のその人たちがストレスの対象となるものたちを殺していく)=「人を癒していく」、という癒しの解釈が嫌らしさ満載で好き。
画面演出もいい意味でじっとりしていて、かつ上品で美しさすら感じる。

ブラック・スワン

美しいバレエダンサーが「白鳥の湖」の「黒鳥」を演じることになり、自分の内面の悪を見出していくストーリー。
黒鳥になりきれない主人公ニナが、夢、希望、プレッシャー、焦り、欲望、野心に押しつぶされ、やがて内なる邪悪なものに支配されていく過程が生々しい。
終盤の黒鳥が怖いくらいに美しくてもはや官能的ですらある。
ニナは本当にそれでいいの…?という気持ちにもなるけど、見方を変えると「ニナが本当に死ぬような思いをしてまでようやく自分の力で掴み取った拍手喝采」なんだと思うと、この黒鳥の姿は多かれ少なかれ表現することに多肉を注いでいる者たちのリアルなのかもしれない、とも思った。

チャイルドプレイ リブート版

有名なチャイルドプレイはシリアルキラーの魂が人形に乗り移って持ち主の男の子の身体を乗っ取るために殺そうとしてくるというストーリーだけど、リブート版はチャッキー自身がAI搭載していて人工知能がある人形で、自分のアンディーという「友人」のために周囲をめった刺しにしていくというストーリー。チャッキーの行動の根本的な動機はアンディーに対する愛情だが、アンディーに対する友情という愛が嫉妬という感情に変わっていく。
バディソングの
『死ぬまで君は僕のバディ。どれだけ愛しているかわからないよね?君のことを絶対に放さないよ』
でチャッキーのアンディーへの重たい愛が滲み出てて好き。
AIを搭載したチャッキーはワイヤレス機器を自在に操作可能となっている。自動掃除機、スピーカー、ドローン、さまざまな関連製品を無線通信で操作できてしまう。リブート版では種々のワイヤレス製品を駆使した現代的な殺し方をしてくる。ホラー映画も最先端技術が搭載される時代となったんだな、と妙に感心してしまった。

ミーガン

リブート版チャイルドプレイの女の子同士バージョン。こっちもAI搭載された人形が自我を持って暴走していくという話。「人形に魂が宿って自分たちの知らないうちに動き出す」という不可解現象がホラーとして捉えられるのは万国共通の認識なんだと思うけど、「人間が作り出した人の形をした人でないものが人以上の頭脳(AI)を持って人を襲撃してくる」というのもまたホラーなんだな、と思うと、逆に「人間が認知して安心できる範囲って限りなく狭いんじゃないの?」と思うし、そう考えると興味深い。
ミーガンは子役の女の子が仮面をつけて演じている、というのが1番の衝撃だった。実際の人間が演じてるからこそ生々しさみたいなのも表現できるのかもしれない。
ミーガンダンス、良い具合に気色悪くて好き。あれがCGじゃなくて本当に踊って撮っていたというのが一番びっくりした。

ヴァチカンのエクソシスト

ストレスフリーのバトルアクション系ホラー。 実在したアモルト神父が元ネタになっていて、「悪魔憑依のほとんどは精神の病気であって悪魔は憑いておらず、それを見極めるのもエクソシストの役割だ」というのがアモルト神父の持論。
ヴァチカンが定める悪魔祓いの規則では、先に医師の診察を受けること、儀式に医師が立ち合うことが定められているそう。
一口にキリスト教と言っても宗派ごとで流儀が違うのが面白い。
悪魔祓いする前に「罪の告白」をして神の赦しを乞い、いっさいの罪悪感を脱いだ状態で挑まないと、少しでも罪悪感があればそこの隙間をついて悪魔が乗っ取りに来る、という観念が特に面白かった。
印象的なのはトーマス神父が告解するシーン。最後の告解が8ヶ月前だとアモルト神父に告げると「間空きすぎだろ!?」と驚愕するのだが、[告解しないと罪の状態が続く]という感覚らしく、分かりやすく言えば浮腫みケアを定期的にしないとどんどん蓄積されて悪化するだけだから、定期的にデトックスしろ、みたいなものなんだろうか。
長い文書を唱えるのは、詠唱に集中することで悪魔の言葉を無視するため、というのも面白かった。なるほどね。
ただ異端尋問を悪魔の囁きのせいにして「当時の人たちは悪くない」という結論付けてるのはちょっと笑ってしまった。結局それは都合の悪いことは全部悪魔に押し付けてるってことでは?

輪廻

35年前に起きた無差別殺人事件の映画化に取り組む関係者に襲い掛かる恐怖の惨劇を描く。
画的な怖さはないけど、じわじわくる不気味な演出や優香の演技がとてもいい。
ただ後半は海外ホラー的なテンションになるのでびっくりする人はいるかも。
ストーリー的にはただただ主人公が気の毒。前世の因縁で現世で不幸になるって理不尽すぎる。前世でどんなに悪い奴だったとしても、今を生きる自分はそれを知らないわけだし、償わなければならない理由が分からない。
でもこういう理不尽系ホラーはとても好き。

コララインとボタンの魔女

『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』のヘンリー・セリック監督によるストップモーションアニメ。ダークファンタジー。
子供向けアニメかと思って舐めてると意外と怖い。主人公のコララインが頼もしいのでギリ子供向けアニメとして言える、みたいなところある。
俯瞰的に見ると、コララインの両親は仕事に追われてて忙しくてコララインに構ってる暇がないだけ、というのは分かるんだけど、子供のコララインからしたらそんなの知ったことではないもんな。
ストップモーションアニメとは思えないぬるぬるっぷりで、現在で「CGアニメです」って言ってこの映画を見せても普通に騙されると思う。

コープスブライド

ティムバートンの世界観が凝縮されたストップモーションアニメ。厳密にはホラーというよりダークファンタジーラブストーリーなんだけど。
子供の頃好きすぎて死ぬほど見まくっていた。
エミリーとビクトリアどっちも良い女で好き。
現実世界の方が彩度低くて、死後の世界の方が明るくて元気、という対比が美しい。
子供の頃はあまりピンときてなかったけど、バーキス・ビターン卿のやってることが下衆すぎる。
「子供には子供騙しは通用しない」っていうのは、こういう名作を見返してると改めて思う。
エミリーがなぜ死んだのか紹介する時の曲が好きすぎてそのシーンをエンドレスリピートしていたのを今でもちゃんと覚えている。

パーフェクトブルー

アニメーションだからできるサイコスリラー。ブラックスワンの元ネタって最近知った。
アイドルから役者に転身した主人公の苦悩と葛藤、ストーカー男の気持ち悪さ、現実世界と夢の世界がぐちゃぐちゃになっていく演出、ラストのどんでん返し、全部最高!!
「現実と虚構を行ったり来たりする展開」だけなら、乱暴な言い方をすると「なんでもありのめちゃくちゃなファンタジー展開で決着がつけられる」ってことでもあるんだけど、パーフェクトブルーの好きなところは「あくまでも元凶やオチは現実であり物理的である」というところ。このバランスが絶妙だと思う。
1番のホラーはこれが今敏監督のデビュー作ということ。

回転

1961年作品のクラシックホラー。ヘンリー・ジェイムズの「ねじの回転」が原作。
モノクロ作品なので屋敷のじめっとした、不気味でかつゴシックな雰囲気が出てて最高。のちのJホラーにも影響を与えたこともあり、幽霊の演出が不気味で「この味私知ってる!?」という謎の感動があった。日本とイギリスの怖さ描写って似てるところがあると思うんだけど。お化けが襲ってきたりする系のホラーではなくて、いるはずのないものが現れて私たちに接触してくる、想像力を掻き立てられる系のホラーが好きというか…。同じ島国なのが関係してるんだろうか?不思議…。
ストーリーは家庭教師が両親を失いおじに引き取られた兄妹を世話するため、田舎の大邸宅にやってくるが、邸宅には幽霊の気配が漂っていた。家庭教師は兄妹を守るために奮闘する、というもの。
いわゆる「認知の歪み」というか、「本来なら作品と観客を繋ぐ役割のキャラの認識が歪んでるので叙述トリックみたいな感じになる」展開。
後半に行くにつれて女家庭教師の目が狂気でギラついていくのが生々しくて好き。
当時のイギリスの女家庭教師(ガヴァネス)は、いわゆる結婚期を逃した家庭でも世間的にも居場所のない「余った女」が、給料を得て1人で生活していくための数少ない働き口だった、という価値観なのを踏まえてみると面白い。

何がジェーンに起こったか?

こちらも1962年公開のクラシックホラー作品。白黒映像だけど、だからこそ気持ち悪さが引き立っていると思う。
タイトル通り「なんでジェーンがこういう風になってしまったのか」がわかるストーリー。
ベティ・デイヴィスの怪演が恐ろしい。
名子役としてチヤホヤされていたが現在では高慢で落ち目になり、心は子供のままだけど見た目は老婆となったジェーンが、厚化粧で当時の子役の時に着ていたそっくりのドレスを着て、舌足らずの歌声で、当時の拍手喝采を浴びていた頃の歌を歌うシーンが、気味が悪いのと哀愁で悲しくなるのとで、何とも言えない気持ちになる。ラストシーンも容赦なくて好き。
「お互いに憎しみ合っていたのね」というセリフが印象的。

映像作品部門

マイリトルゴート

プイプイモルカーの監督の作品。最初から最後まで色々と容赦なくて「マジかよ…」ってなった。確かに胃の中に入ったら胃酸で溶かされるんだろうけどさあ…。救いがあるようで一切ないところが好き。

DON'T PEEK - Horror Short

ゲームの「どうぶつの森」を題材にしたホラー作品。こういう自分の好きなものが使われているとテンションが上がる。シンプルだけどきっちり怖くて好き。

Passenger

シンプル・イズ・ザ・ベスト。
演出がJホラーっぽくて好き。

The Black Hole

これは世にも奇妙な物語系ホラー。発想とオチが好き。でも場所が場所だから翌日には発見されそうな気する。

5 Minute Dating

「人を見た目で判断してはいけません」という世論を痛烈に皮肉ってて好き。

TV部門

まんが日本昔ばなしシリーズ

子供向けアニメのまんが日本昔ばなしだけど、ホラー回は基本的に容赦のないものが多いと思う。

夜中のおとむらい
演出や展開がキレ良すぎる。構図もただ驚かせるだけじゃなくて、ちゃんと伏線として役割を果たしているのが完成度が高い。

十六人谷
この話も演出がキレッキレで好き。あと女の幽霊が口吸いで男たちの舌を引き抜くシーンがエロくて「子供向けアニメとは…?」となる。

吉作落とし
子供向けアニメとは…?となる物理系ホラー。命綱の大切さを学ぶ話。声が枯れて助けを呼ぶ声がバケモノの声だと噂されて山に誰も近付かなくなるとか、独り身で近所付き合いも友達もないから遭難しても誰も気づかないところとか、高所にいすぎて感覚がおかしくなるところとか、全部がリアルなのでイメージできる分余計に怖いし、そういう感覚は今も変わらないので、時代が違えど同じ「人間」なんだな、という不思議な感覚になる。

佐吉舟
男の嫉妬って怖いね…という作品。佐吉を殴り殺す描写がねっとりすぎて「これ本当に夕飯の時間帯に流したんか…?」ってなる。

しゃれこうべの歌
頭脳戦の報復系ホラー。何気なく挟まれる「ずっと何をするにも一緒だっただろ?」というのが伏線になっているのがうまい。

三本枝のかみそり狐
これは割と有名なトラウマ作品。絵柄も演出も本気すぎる。狐に騙されていたとは言え躊躇なく赤ん坊を焼き殺す主人公の方が怖い。

世にも奇妙な物語

不思議系ホラーの宝庫だと並べてみて思う。


昨日公園
どう足掻いても救われないループもの。台詞回しの回収がオシャレで好き。

缶けり
正統派なきっちりやり切る報復系ホラーで好き。演出も正統派ホラー。

倦怠期特効薬
倦怠期特効薬という相手の顔が自分の好みの顔に見えるという薬の話。ある意味似たもの同士な夫婦なんだな、と思う。

午前2時のチャイム
最後のどんでん返し展開が好き。こういう主人公が信用できない系ホラーが好みなんだと思う。

おばあちゃん
女の子が危篤状態のおばあちゃんと入れ替わる話。トップレベルで後味の悪い話で好き。

整形手術
ある種の入れ替わり系ホラー。今思うと整形で別人になるのは不可能なのである意味でファンタジー系ホラーでもある。

23分間の奇跡
見た当時はこんなに簡単に洗脳されるものなのか?と疑問だったけど、昨今のリアルなニュースを見ていると、「純粋な子供だからこそすぐに騙される(から大人は簡単には騙されない)」と思っている人の方が洗脳にかかりやすいんだと思うようになった。まさに現実は小説より奇なり。

墓友
激重感情抱えてる女同士のドロドロ系ホラー大好き。「私は友達が出来たことがないの。一緒に死んで、同じお墓に入ろう」。

懲役30分
最後の方の怒涛の展開が気持ち良い。突如として真相を明かすんじゃなくて画面画面でちらちら映してくるところも秀逸で好き。

捨て魔の女
「何かを得たければ何かを捨てなければいけない」という呪いに囚われた女の末路。

金の卵
「信じる力」の威力の大きさが悪い意味で影響を発揮するホラー作品。

モキュメンタリー系ホラー作品

「Aマッソ奥様ッソ」「放送禁止」「このテープもってないですか?」
この系列のモキュメンタリー系ホラーが大好き。本当の番組でも「放送禁止シーン」だったり「放送事故シーン」だったりがあるから、余計に「本当にありそうかもしれない」という感じがして、そういう「ふとした瞬間に現れるよくわからない現象系」ホラーが好き。

モノノ怪

「妖」の中の「化け猫」から派生したアニメーションホラー作品。極彩色な画面やキレキレの演出、薬屋さんのキャラクター、トータルで好き。最近こういう尖ったアニメが少なくて寂しい。


ゲーム部門

ゲームはテレビゲームはしたことなくて、PC購入してから手に触れた分野のため、基本PCゲームかSteamに移植されているゲームが主になります。なのでど有名のSIRENは未プレイです。

Neverending Nightmares

エドワードゴーリー風の作画で展開される永遠に終わらない悪夢を彷徨うゲーム。主人公の心理状態がどんなものなのかがわかっていくのが秀逸。音楽も好き。

魔女の家

怪奇現象が起こりまくる屋敷で脱出するために探索するゲーム。屋敷の雰囲気や展開のどんでん返しも含めて好き。

コープスパーティー

今見直してみるとこのゲームドット絵なんだな…という感想。当時は衝撃的すぎてドット絵なのも忘れてグロシーンとかも直視できなかったな。理不尽オンパレード展開の学校探索系ホラー。

Ib

2010年代にとんでもないブームを巻き起こしたフリーホラーゲーム。自分も例に漏れずギャリーが好きになった。舞台が美術館というのも最高に好き。ギミックひとつひとつが館内の芸術品と密接に結びついていて、美術館という舞台だからこそ実現した異質な怖さがある。

ドキドキ文芸部

サヨリ推しです。フリーゲームとは…?と思ってしまうほどの作りこみのエグさ。PC媒体であることの特徴を最大限に活かしてて好き。モニカのことを知ったあとで一周目の詩を見ると、何が言いたいのかよくわからなかった詩が、この時点で既に「真実」を伝えようとしていたんだ、というのがわかるのがすごい。

深夜廻

絵やマップの可愛い作風とは裏腹に割と容赦なく怖い。ストーリーもワンクールアニメ並みのしっかり食べ応えのあるもので好き。プレイ後は結構引きずった。このゲームでメタホラーというのを知ったので、初見プレイ時はかなり衝撃だった。

パラノマサイト FILE23 本所七不思議

最近のゲームで琴線に触れたホラーゲーム。ホラーと言っても後半はミステリー要素の方が強くなる。呪詛珠が登場してからのバトルフェーズ展開も燃えるし、メタネタホラーも満載でいいバランスで最後まで飽きさせない作りでのめり込んで楽しめたホラーゲーム。

書籍部門

ゴーストハント

小野不由美原作の、主人公の女子高生・谷山麻衣が霊能力者たちと一緒に、悪霊が引き起こす事件に立ち向かうホラーシリーズ。小説も漫画版もアニメ版も好き。
ホラーとミステリーとキャラクター性のバランスが絶妙な作りだと俯瞰的に見ると思う。
1番のお気に入りは「人形の家」。

新耳袋

サクサクと読める上にきっちり怖い、もしくは不思議な話だったりとバラエティー豊かなホラーオムニバスシリーズ。何の変哲もない日常でも、実はこんなにも不思議でロマンチックな現象で満ち溢れているんだという、ある意味で夢やロマンを掻き立てられる。

ずっとお城で暮らしてる

主人公たちの住む御屋敷が「幽霊屋敷になるまで」の話。
問題を抱えた登場人物たちが、間の悪いときに接触して、状況が悪化していくタイプのホラー。鬱屈と悪意が爆発した人間の狂暴性は見応えがある。
人間の醜さが出まくっているのにどこか童話めいているので、作品全体に醜いというよりは切なく哀しい印象が出ているのもよい。

黒衣の女 ある亡霊の物語

英国の伝統的な格式を感じさせるゴシック・ストーリー。
物語の流れだけを見るとよくある正統派の怪談だけど、描写で読ませてくるある意味正統派ホラー作品。
淋しい墓地やひっそり佇む廃墟などの舞台も好き。
「どこまでも追いかけてくる」という恐怖を見事に描き切っていて満足感がすごい。

名探偵夢水清志郎事件ノート 機巧館のかぞえ唄

夢水清志郎シリーズの中でかなり異質な作品。個人的にはこの話はホラー枠です。
よく児童書で『これ』をやろうと思ったな!?と唸らされる。でも当時の子供だった自分はお気に入りで何度も読んでいたので、「子供に子供騙しは通用しない」ってこう言うことだよな…と思う。児童書じゃなくてもこの展開のはなかなか見ないと思う。
叙述トリックというか今で言うとメタホラーが近いかな?どれが現実でどれが虚空なのかわからなくなる不思議な感覚。まさに「赤い夢を一緒に見ましょう」

御手洗潔シリーズ  暗闇坂の人喰いの木

さらし首の名所・暗闇坂にそそり立つ樹齢2000年の大楠。この巨木が次々に人間を呑み込んだ? 近寄る人間たちを狂気に駆り立てる大楠の謎とは何か?
人間の狂気の部分にフォーカスを当てた作品。個人的にはこれはサイコホラーです。
地下でやってることが猟奇的すぎて初見時ドン引きするしかなかったね…。

ちゃおホラー作品

小学生の頃はちゃおホラーが大好きで、毎年の夏はホラー作品だけが収録されている増刊号を手に入れるのが楽しみだった。なんでちゃおはこんなにホラーに力入れてるのかは謎。もはや英才教育といっても過言ではない。今見返してもクオリティが高いと思う。子供向けと言って侮るなかれ。


私の居場所 河村じゅん

初見時衝撃的すぎてしばらく引きずった。平たく言うと、優しくていい子な主人公がその優しさに漬け込まれ、アイデンティティや居場所すら奪われて惨めに死ぬ話。この影響で現在だとスタンダードになりつつある「成り代わり系」の作品がどうしても尊厳破壊系ホラーにしか見えない。


恐怖!ヒキガエルの呪い かがり淳子

絵柄のインパクトが強烈な作品。こっちは意地悪な主人公が痛い目に遭う因果応報系ホラー。

私の中に悪魔がいる 今井康絵

今井康絵さんホラー結構得意なんだな…と思ったきっかけの話。ループモノで後味のじんわり悪いところが好き。


少女人形店 山田さくら

容姿にコンプレックスを持つ主人公が、ドールハウスで願いを叶えてもらうことで、徐々に美しくなっていく話。全体的に美しくて繊細で綺麗な絵柄に当時惹かれていた。

となりの人形 おのえりこ

おのえりこ先生、漫画描くの上手いんだな〜〜と子供ながらに思った話。ホラーもおのえりこさん味を大事にしつつ、ホラー要素もきっちり抑え、幼児が見ても教訓があるので学習にもなる、あらゆる方面でのバランス感覚がいい作品。

最後の晩餐~menu:美桜~ まいた菜穂

食材となった人間の特徴や能力を取り込み、コンプレックスを克服していく主人公の因果を描く正当派ホラー。まいた先生、可愛い絵柄とは裏腹にえげつない作品も普通に描くから引き出し広いな…と思う。

誰にも渡さない 八神 千歳

主人公の彼氏の部屋には女の子の人形が置いてあり、さらに意地悪な同級生から「お前の彼氏には本当の彼女がいる」と見せられた写真がその人形そっくりの女の子だった。出会ったことすらない彼女に対抗心を燃やしヒロを独占しようとする主人公だが…。
イケメンパラダイス的な作風が得意なゴリゴリの少女漫画の先生が、バリバリのホラー作画もいけるとわかって「先生こういうのも描けるんですね!?」とテンションが上がった。

笑顔の世界 岬かいり

この作品が公開されたときに「ちゃおホラー」と「チー太」がトレンドに居座ってて笑った。「ちゃおホラーってこんなに怖いの!?」って反応が多かったけど、個人的に三大少女漫画誌の中でちゃおホラーがぶっちぎりで理不尽系ホラーが多いと思う。

坂元勲作品

坂元先生については名作ホラーが多すぎて作品上げられない。ストーリーも演出も絵柄も安定していて、レベルの高い合格点を超える作品をオールウェイズ出してくれる。全然関係ないけどちゃおで闇芝居をコミカライズ化してたのはまあまあ狂気を感じて好き。


絶叫学級 いしかわえみ

りぼんホラーで長期連載されているシリーズ。こっちも少女漫画だと舐めて見ると痛い目にあうシリーズ。シンプルな心霊系ホラーから人怖系ホラーまでいろんなジャンルのホラーが高クオリティで摂取できるので満足感が高い。



書き出してみて、自分が何でこんなにホラー作品に惹かれるのかというと、「日常生活の中であっても、自分たちが理解できないものは存在している、というところにロマンを感じている」「同じ人間であっても同じことを考えている人はいない、本当に人それぞれいるからこそ面白い、そういう人の姿が霰もなくさらけ出される作品が多いから」からなのかな…と思った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?