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水色のベンチが冷やす腿裏を紛らわすように寄り添ってた




 ポケモンに出てくるバタフリーか、それともコンパンか、多分くさポケモンの誰かに、絶え間なく「ねむりごな」を浴びさせられていたのだと思う。

 それくらい昨日は眠かった。(異常さすら感じた)久々に眠たいという反応がしっかり感じられたので、悔いなど残さぬつもりで思い切り眠った。

 起きていた時に何をしていたのか、記憶があまりない。その分、睡眠不足で削られていた体力がだいぶ戻った。あれだけ日中に眠ったのに夜も眠たくなって(再びねむりごなをかけられたんだな)普段よりも随分早い時間から眠った。もともと眠りが浅くて途中覚醒するのだけど、それがあったとしても十分だった。

 いろんな夢をみた。豪華客船のプールで泳いで潜ったり、人を助けたり戦ったり(ちょっとONE PIECEちっくな世界観だったな)して忙しかったかと思えば、

 夜、小雨の降るベンチに座って一人落ち込んでいる彼(彼というが全く会ったことのない夢の中のみの人物)に、恋でも愛でもない、だけど味方でいたい気持ちがある、とは言わんばかりの、さりげなく隣に腰掛け、彼の太ももと私の太ももをくっつけて、慰めの言葉をかけてあげたりなど。不思議なことに、膝に感じた彼の温もりは、今でもはっきり覚えているし、夢の中でも温かかった。一体誰なんだ、彼は。そこそこかっこよかったような気がするけれど。

 途中覚醒するたびに夢が変わっていたけれど、どれもとてもドラマチックだったように思う。夢を見ない日はないし、ほとんどのシーンを覚えているので、夢日記を書くと面白そうだ。


 昨日のことなんて寝て寝て寝て、でほとんど活動をしていないので書くことがない。唯一起きていた時にウルフの『灯台へ』を読んだ記憶。やっと第二部の『時はゆく』へ入った。

 第一部の『窓』では、灯台へ行く前日(結局行かないのだけれど)のありふれた日常をあれほど濃密に書いているのにも関わらず、第二部では時の流れが一瞬で、ラムジー夫人の急逝、また第一次世界大戦の勃発により別荘が放棄され、生命の失われた(だけど、ラムジー家が住んでいた温もりや思い出はそこから消えようとはせず、記憶だけが染み付いた)部屋が残されていることを端的に描いていたのだった。彼らの住んでいた別荘が朽ちていく間に、ラムジー家の子どもが二人、亡くなってしまったことも、時の流れにのって行くうちに起こった出来事の一つとして、そっけないくらいにさらっと書かれている。だけどそのあっさりとした文章を読んだときに思い出すのはラムジー夫人の存在。家族を愛していた彼女の存在が、誰の記憶にも強く残っていることを逆に際立たせ、読んでいる自分ですら感傷的な気分にさせられる。失われたものは時の流れの中で存在し続けることの寂寥感と孤独さをじわじわと感じている。読了する頃の私の気持ちはいったいどうなっているのだろう。

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 数日前にブックオフへ寄り道したのだけど、気がつけば買っていた2冊があったことを思い出した。穂村さんの短歌を好きになってから、エッセイ本を読むようになり、またこうして一冊、歌論集をお迎えした。筒井康隆さんの『残像に口紅を』は友人から借りようと思っていたのだけど、結局見つけてしまったのでお迎えした。名作だと知っていて読んでいない小説はたくさんある。この作品もその一つ。今は積んでいるけれど、そのうち、いや近いうちに読む。

 最近短歌が詠めていないのは確実にアウトプットしすぎてしまったからだと思う。締め切りが近いものがあるというのにまだまとめられてもいない。焦る。焦るけど、諦めてはいない。できなかったことを悔やむ未来を描く前に、今は吸収する方へ意識を向けているつもり。難しいけど楽しい短歌の世界。歌っていることで存在意義を示そうとしていた頃のように、違う歌い方でそれをやろうとしているところに、根っこは結局変わっていないんだなと改めて思う。ずっと創っていきたいよね、私にしかできないこと。私だから伝えられること。



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 今週の読書スタメンはこの4冊だった。(まだ土日がある)ムーミンシリーズもとうとう最後の一冊となった。我慢しながらゆっくり読んでいたのに(序盤で飛ばしすぎたんだよね)あっという間だった。ムーミンの物語は人生の教訓になるメッセージがたくさん込められていて心が浄化される。ありのままで生きていていいんだと、心ごと肯定してくれる。ありがたい。

 しかしこの『ムーミン谷の十一月』、他の作品と違って、ムーミン一家がいないのだ。彼らは前巻で、旅に出ているから。ムーミン一家が冬眠する前に会いにきた住民たちは一体どんな気持ちになるのだろう。早く読みたい。…だけど、読み終わりたくも、ない…。

 今週、寝るか読むか病院に行くかしかしてなかった。(頭痛にはやられっぱなしだったし)もうそろそろ雨も上がってくれていいんじゃないかな。洗濯をカラカラに乾かしたいし、お布団も干したい。青空を拝みたい。

 明日の天気は今の所曇り。さてどうなるのでしょう。



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