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破れた網戸の穴からほんとうの青空


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 朝から夜まで穏やかに過ごした、いや、うそ、乱れたりもした。波打ち際を眺めていたら、突如大幅に波がこちらへやってきて、おっと、ってなるような感じ。

 波が大きくなる前触れはあったかもしれないのだけど、大丈夫だろう、いつも通りだろう、ここからこっちへは来ないだろう、と当たり前に思い込んでいるから、自分の足を濡らしてやろうと手を伸ばして来る波に驚く。感情の起伏というよりもメンタルの乱れは波に似ている。そんなつもりは無かったのに、突如やってくる不安や恐れが、襲ってきてひやっとする。

 そうこうしていながらも読書をやめることはなく、『定形外郵便』を読んで途中でやめて、その後は『旧約聖書を〜』を読んだ。阿刀田さんが意図として砕けた口調にしてくれているのがありがたく、とてもおかしくなってくる。なんというわかりやすい旧約聖書の物語。たま子さんが推してたのを勝手に参考にさせてもらったのだけど、読んでよかった。ふふ。これはいいね。小さなノートを右にスタンバイして、ところどころ図解やメモを取りながら読む。ふざけたイラストでもわかればいいとしている。

  怪力のサムソンの怪力話おもしろすぎたよね。娘をもらいに行く道中でライオンが襲ってきたんだけど「なんだ、こいつ」っていいながら素手で殴りつけて、子ヤギをさくように引き裂いちゃうってさ。おい。怖すぎやろ。ライオンってダンボールちゃうねんで。

 ところどころツッコミをいれることができる。聖書に。今までの聖書に対するお堅い、素晴らしいイメージとは反して、神様にツッコミいれちゃう。そんな本。だけど、わかりやすくて面白い。聖書に興味があって、でも何から手をつければいいかわからんよーって人はお近くの古書店でもチェックして見てほしいな。あるかもしれない。おすすめ。


 そうして、今日はいつもよりも活発な猫を時々相手したり、ときどき秋晴れの空を窓越しに眺めたりたりして、1歩も外に出ることなく過ごした。

 

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  寺山修司の人生処方詩集のなかにある、『星を数え飽きたら』という詩を読み終える度に、心のなかに満天の星が広がる。美しいものを見たら胸が苦しくなる瞬間を何度も経験しなおしてしまう。

冬の星空を眺める時間、あの凍てつく空気感、そこで過ごすわたしのこころもちが好きだから、(この詩も私には冬を連想させるの)今年はどこか時間があるときに、天気の良い夜をひたすら眺め続けたいのだけどどうだろう。

 いつだって、見えてないだけで、今夜だって、星空は美しいんだけれど。


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