ゆりかご

小舟に揺られ ゆらり ゆらり
浅い眠りのなか
優しさに包まれている

そとは陽気で ぽかぽか
目を閉じた まぶたが 朱く明るく
あおむけのまま 胸を開いて

ここはどこなのか知らない
それに知らなくてよい
名前のない水のうえで
ただ浮かんでいる

ずっと目を閉じていよう
行くあてなんて ないのだから
なんだか 大きなゆりかご
空に包まれて いるみたい

すべてを預けてみよう
ちっともこわくないし
こころはやすらいで
いしきは うつら うつら

どこに流されていくの
知らない
知らなくてよい