セラムン二次創作小説『ブラジャー(クン美奈)』


ある日の昼下がりの事。いつもの様に公斗の家にいた時。


「何か飲み物はいるか?」

「いるー」


出してくれた飲み物はオレンジジュース。

最近は、私が来ることを想定して私が好きそうなジュースを幾つか常備してくれている。とても出来た彼氏だ。


「あんたのそれは?」


出されたオレンジジュースを一気飲みした後に、公斗が飲み始めた飲み物が気になり質問。茶色くて美味しくなさそう。麦茶かな?氷が入れてあるけど……

軽い気持ちでそう聞いた私はその後激しく後悔することになった。


「ブラジャーだ」

「ブーーーーッッゴホッゴホッ」


硬派な公斗の口から思いもよらない単語が出てきて、私は思わその時飲んでいたオレンジジュースを盛大に吹きこぼした。

そして、その拍子に誤飲してしまい噎せてしまった。それはもう誤嚥性肺炎になるんじゃないか?くらいに。

え?聞き間違い?今、ブラジャーって聞こえたけど?


「大丈夫か?」


ビビり散らかしている私とは正反対に、涼しい顔で心配してくる。

……誰のせいでこうなってると思ってるのよ?と言いたいけど、喉が苦しくて反抗できない。


「え?ブ、ブラ……?」


何とか落ち着きを取り戻した私は、思わず聞き返そうとしたけど、その単語のインパクトと先程の誤飲の余韻で言葉に詰まる。


「今、ブラジャーって言った?」


もう一度恐る恐る聞いてみた。


「ああ、ブラジャーだが?」


それがどうした?と言わんばかりに不思議な顔をする公斗。

これじゃあ知らない私がオカシイみたいに見える。とても心外だ。


「この飲み物の名前が?」

「ああ、そうだ。ブラジャーと言う名前だ」


冷静になって聞いてもブラジャーの一点張り。

ブラジャーって名前ならもっとカラフルな見た目してなさいよ!

それか、白い色して分かりやすくミルク味みたいな見た目してて欲しいわ。


「何でブラジャーなんて名前なの?」

「それはブランデーのジンジャー割りだからだ」


公斗の説明で流石のアホな私でも一気に理解した。なるほど。ブランデーとジンジャーでブラジャー。しかもどっちも茶色だから下着っぽい色にならなかったのか。

茶色と茶色を混ぜているんだから、茶色以外にはなりようもないわね。

それにしたってお酒強いんだから、ジンジャーで割って色っぽい紛らわしい名前にしてんじゃないわよ!


「美味しいの?」

「ああ、呑むか?……なんてな」


未成年と分かってて冗談交じりに勧めながら美味しそうにごくごくと飲み干した。

最初からくれる気ゼロじゃない。未成年だから別にいいけど。


「んっ」


少し残念に思っていると、唇を伝って生暖かいものが喉を通っていく感覚がした。

一瞬、何が起きているのかわからなかったけれど、公斗の顔が近くにあったから漸く状況を理解した。

キスをされ、唇を開けられて公斗が呑んでいたブラジャーを注がれたんだって。

唇を離されて落ち着いた私は、口を開いた。


「未成年にお酒は犯罪よ?」

「お前となら、落ちるところまで落ちてもいい」


いたずらっぽく攻めると、いたずらっぽくそう返されてドキッとした。

きっとそれは、究極の愛の告白。私達は同士。どこまでも一緒。


今はまだ子供の私だけど、あと数年。大人になるまで待ってなさいよね!

お酒の相手、してあげるから。


公斗から分けてもらったブラジャーのほんのり苦い大人の味が私を少し、大人にした。


おわり


※こちら別名「ルージュバック」と言うそうで、本当はこちらの名前の方が主流だそうです(お酒あまり飲まないから詳しくない🤣飲めなくは無いですよ?好きです☺)

「ブラジャー」と言う名称は横須賀で主流の言い方だそうで、前にジャニーズWESTの「リア突WEST」でやっているのを見て、これはクン美奈で使える!オモロいネタや😂👍と思ってこの日の為に温めてました🤣🤣🤣

笑って貰えたなら嬉しいです☺



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