セラムン二次創作小説『緑溢れる大地で(ネフまこ)』


プリンセスの護衛で初めて地球に降り立った時、月とは違い自然に生い茂る草木や花々、無限に広がる緑の大地を見て目と心を奪われた。

そして感動のあまり我を忘れてはしゃいでしまい、プリンセスに笑われてしまった。

自然が好きなプリンセスに頼まれ、ドームの中で見よう見まねの独学で緑を作っていたらいつの間にか私も魅力に取り憑かれ、義理や義務を超え夢中になって色々育てていた。

プリンセスの前で恥を晒してしまったけれど、何故地球へ降り立ちたくなったか不覚にも理解出来てしまった。

勿論、一目惚れした王子を一目見たかったのもあるだろうけど。

そんな事を思っていると王子との待ち合わせ場所に近づいてきたようだ。 男の人が2人立っていた。
恐らくそのうちの一人が王子エンディミオン、もう一人が噂の護衛、四天王の誰かってわけか?

そのうちの一人が私達に気づき笑顔で駆け寄ってくる。 プリンセスを見ると嬉しそうに万遍の笑顔を浮かべている。 と言う事はこの殿方が王子エンディミオンか、へぇ~想像以上に容姿端麗、流石お目が高いなプリンセスと思っていたらプリンセスが話しかけてきた。

「ジュピター、こちらが地球国の王子エンディミオンよ」
「初めまして、私はプリンセス・セレニティの側近四守護神の一人セーラージュピターと申します。いつもプリンセスがご迷惑おかけしてます」
「もう、ジュピターったら」
「迷惑なんてとんでもない。いつも来てもらって、会えて嬉しいんだ。紹介が遅れたが、こっちは側近の四天王の一人ネフライト」
「ネフライトだ。よろしくなセーラージュピター」
「よろしくお願いします」

丁寧な王子とは違いネフライトと紹介されたその男は何処か馴れ馴れしい印象で、おまけに背も高く威圧感もある。第一印象はとても良いとは言えなかった。

自然と王子とプリンセスは2人で離れてどこかへ行ってしまった。
それを遠くから見守る形になり、ネフライトと2人になった。

しばらく無言で見守っているとネフライトが話しかけてきた。

「無言でどうした?」
「特に話題も見当たらなかった。ごめん」
「別に謝る必要はない。地球は初めて来たみたいだな?」
「ああ、来るタイミングが中々無くて。リーダーがついて行きたがるし。アッヴィーナスには会ってるよな?」
「プリンセスと瓜二つの金髪リボンの子だろ?2回程会った」

馴れ馴れしく喋るもんだからこっちまで移ってしまいついついタメ口で喋ってしまったけど、特に咎められなくてホッとした。

その後も少し会話をして待ったが帰る時間になったのでプリンセスを迎えに行ったらご機嫌ななめになった。
無理矢理月へ帰ろうと力ずくで引っ張っていく道中、機嫌が治ったプリンセスから今日はどうだったか聞かれた。

「地球はプリンセス達の話以上に素敵な所でした…勉強の為にまた来たいです」
「降り立った時はしゃぎまくってたものね」 「醜態を晒してしまってすみませんでした」
「全然かまわないわ。気に入って貰えて私も自分の事のように嬉しい。ところでネフライトはどうだった?」
「背が高い人でした」
「それだけ?」
「それだけです」

なぁんだつまんないなぁと言うのが聞こえてきそうな顔で覗き込むプリンセス。

この時の私はまだ知らない、この後このネフライトを好きになる事を。


おわり

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