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ありま むさし
2018年3月13日 01:07
11日のうちに親戚から連絡が来て、福島市内に住む祖母は無事だと分かった。家では台所の食器が割れて床中に散らばり、壁にヒビが入ったという。しかし本人は普通に元気に過ごしていたらしい。ひとまず胸をなでおろした。一方で震災のニュースは恐ろしさを増すばかりだった。津波に呑まれる町の惨状。避難する人々の表情。そして、原発。距離があるとはいえ、祖母が住み、母や自分が産まれた県が、あまりに強烈な力に押し流さ
2018年3月9日 04:41
まだ中学1年生の春だった。三年生を送る会、略して三送会という集まりが、5時間目を使って体育館で行われていた。司会役の生徒がアナウンスして、冒頭に校長先生の挨拶。僕はいつもの朝礼通り、ほどよい姿勢を保ってほどよく聞き流していたはずだ。ふっと体が傾いた気がした。その瞬間体育館中にざわつきが広がり、気のせいじゃないと分かった。地震だ。それも妙に大きい——と感じた時には、今まで感じたことの無い揺れ